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愛知県尾張西部地区産業界
愛知県尾張西部地区は岐阜県と三重県に隣接し、古くから東西をつなぐ交通の要衝として栄えてきた。近年では首都圏と関西圏の中継地であることから物流拠点としての需要も高まっており、高速道路や幹線道路の近隣には大型の物流センターも立ち並ぶ。産業面では毛織物を中心とした繊維業が発展し、現在でも尾州ブランドとして世界中で親しまれている。伝統産業が目を引く同地域だが、製造業の新たな取り組みやスタートアップとの協業など革新的な動きも増加している。
商工会議所主体でスタートアップと連携
尾張地区の7つの商工会議所で構成する尾張共創コンソーシアムは9月、スタートアップ支援拠点「ステーションAi」(名古屋市昭和区)との連携を開始した。「パートナー拠点」として地域の特性や地場産業のノウハウ、強みを生かしてスタートアップを起爆剤としたイノベーション創出に取り組む。
県内各地域の自治体などがステーションAiと相互に連携・協力してネットワークの構築を図る取り組みで、商工会議所を主体としたものは今回が初めて。このほか21年10月には東三河スタートアップ推進協議会、23年9月には大府市などを中心としたウェルネスバレー推進協議会、24年11月には刈谷イノベーション推進プラットフォームがすでにパートナー拠点となっている。
尾張共創コンソーシアムでは地域企業とスタートアップをつなぐ交流会やピッチコンテスト、産業別の見学会などを開催している。特に中心的な存在である一宮商工会議所は、これまでも地域課題の解決をテーマにした独自のピッチコンテストの開催や、学生向けのスタートアップ教育プログラムを実施し、スタートアップとの連携に積極的に取り組んできた。こうしたノウハウを生かし、各地域の商工会議所と連携することで尾張地区の産業とスタートアップの活用を加速する。
同フォーラムは一宮商工会議所・瀬戸商工会議所・津島商工会議所・稲沢商工会議所・江南商工会議所・小牧商工会議所・犬山商工会議所からなる。
中高生のスポーツ支える/従業員向け設備を貸し出し
産業機械や金型の大型部品を手がける樋口鉄工(北名古屋市)には「酸素ルーム」と書かれた看板がひっそりと置かれている。従業員への福利厚生として導入した設備がいま、地域の若者たちの夢を支える一助となっている。
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健康器具をそろえた休憩スペース
健康経営を重視する同社は、従業員が休憩中や終業後に使える健康器具をそろえた休憩スペースを設けるとともに、近隣住民にも安価で設備を開放している。2024年に冷え性や疲労回復に効果があるとされる「高気圧酸素ルーム」を設置したのを機に使われていなかった事務所の一部を改装。続けて周囲に微弱な電場を発生させるマットも3台導入した。
きっかけは片頭痛や加齢による不調に悩む従業員の声。「モノづくりは体が資本」(樋口泰広社長)と約300万円投じて酸素ルームを設置したところ、社員から好評の声が上がった。今では「頭痛で鎮痛剤を飲まなくなったという従業員もいる」(同)という。しかし従業員が使用するのは限られた時間のみ。より多くの人に使用してもらおうと、近隣に住む高齢者向けに貸し出しを始めた。
SNSを通じて告知をすると、意外にも野球やサッカーなどスポーツに取り組む中高生の保護者から問い合わせが相次いだ。練習後の疲労回復や、けがの治りをよくしたいという思いでこうした設備のある施設を探している保護者は多い。また、設備は個人が購入するには高価で、試合前など短期間だけ使いたいというニーズにもマッチした。樋口社長は休日には少年野球チームのコーチも務める大のスポーツファン。保護者の思いは「痛いほど理解できる」(同)と頷く。今後は近隣のスポーツ施設の利用者などに向けても情報を発信し、より利用者の幅を広げていく。
