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愛知県西三河地区産業界
西三河地区は、愛知県の中央に位置する製造業の一大集積地。安城市、岡崎市、刈谷市、高浜市、知立市、豊田市、西尾市、碧南市、みよし市、幸田町の9市1町からなる。大手自動車メーカーを中心に自動車産業を支える中堅・中小企業が集積している。EV(電気自動車)シフトによる産業構造の変化や人手不足による自動化・工程集約への対応など各企業は蓄積した技術を生かしモノづくりをリードしていく。
局所暖房機が特別賞
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輻射熱で局所的に温めることが可能
メトロ電気工業(安城市)の局所暖房装置「速暖くん」が25年度省エネ大賞で「審査委員会特別賞」を受賞した。速暖くんは独自の赤外線カーボンランプヒーター「オレンジヒート」を搭載した開放・半開放空間向けの即時暖房装置。従来のガス熱風式のように空間全体を暖めるのではなく、輻射(ふくしゃ)熱で人体に直接熱を届けることで、エネルギー消費を大きく抑えられる点などが評価された。これまで暖房が困難だった工場の出入り口や物流倉庫、駅のホームなどでも効果を発揮する。
人感センサーを用いた制御により、暖房を使わない時間の電力消費も抑えられ、光熱費の削減にもつながる。同社によるとガス熱風式の暖房器具を1年間使用した場合と比較し、消費エネルギー量の約90%、二酸化炭素(CO2)排出量の約80%を削減可能だという。
暖房したい範囲に合わせ、3種をラインアップ。天井から吊り下げて設置することもでき、非燃焼の熱源を使うため火災のリスクも低減できる。
中小企業の展示会ブースを支援
オフィス・キートス(安城市)は、中小製造業向け展示会プロデュースサービス「展示会ブースター」で、ブースの木工造作や照明の提供など事業内容の拡大を進めている。24年に事業化し、これまで30件以上の実績を上げている。
同社は製造業の会社案内や製品カタログの制作事業を展開し、これまで培ってきたノウハウを用いる。ターゲットとなる顧客のみが足を止めるような効果の高いブースづくりを目指し、キャッチコピーの制作やブース設計を実施する。最大の特徴は、顧客の強みを見つけ出すヒアリングだ。顧客の事業内容やユーザーなど基礎的な内容から聞き出し、顧客自身が気づいていない魅力の発見やターゲットとなる顧客の選定に生かす。一度の出展で5件の新規受注につながった事例がある。
制作時に英語など外国語を併記することで、海外での出展にも対応できる。また、ブース設計や装飾品は再利用が可能。2回目以降は小間料金のみで出展できるため、コスト削減にも貢献する。
西尾で自社展開催
藤井機械(西尾市)は、1月16、17の両日、西尾市の西尾コンベンションホールで機械関連の展示会「匠展」を開く。「製造業のコレカラと省エネ×防災」がテーマ。大手工作機械と周辺機器メーカーのほか、コンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)ベンダーや部品メーカーなどが最新の技術を披露する。
参加するのは工作機械メーカーがブラザー工業、オークマ、安田工業など15社。CAD/CAMは7社。このほか西三河地区からは前田シェルサービス(岡崎市)、ヤマカワ(同)、大野精工(西尾市)などが参加する。BCPゾーンには防災グッズ、節電機器なども展示する。
開催時間は16日が14時から、17日は9時半から。入場無料。問い合わせは藤井機械(0563・57・1135)へ。
箱形EVを公用車に導入
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同市博物館との間を運行するイーパレット
自動車産業の中心となる豊田市では、次世代モビリティーの活用も進んでいる。同市は25年9月にトヨタ自動車の箱型EV「イーパレット」1台を公用車として導入した。同車両が公用車として導入されるのは全国で初めて。
車内空間を生かしイベントなどで物販用として活用するほか、外部給電機能を使い防災訓練や野外イベントの給電装置としても使用する。また、25年10—12月には同市博物館が開催する特別展「深宇宙展—人類はどこへ向かうのか—」に合わせ、博物館と駅前をつなぐシャトルバスとしてイベント運行した。実際に走行する新型モビリティーに乗れる機会とあって、市内外から注目を集めていた。
同市はこれまでにもイーパレットを用いた実証実験として、乗客を乗せた走行実験や、移動する多目的スペースとして山間地域で高齢者向けの介護予防サービスを提供するなど多角的な活用法を模索してきた。公用車として導入することで、よりEVの普及促進につなげる考えだ。
イーパレットは移動とサービスを両立できる新たなモビリティー。アイデア次第でさまざまなサービスに活用でき、ドライバーを除き最大16人が乗車できる。
社会支える車両、一堂に 子どもまつりに35台集結
豊田市で12月に開かれた子ども祭り「第5回 とよた元気まつり」では、地域企業で活躍するクレーンやフォークリフト、特殊車両などを集めた「集まれ!はたらくクルマ」コーナーに注目が集まった。23社が35台を展示し、乗車体験や職業体験などを実施した。
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能登半島地震でも活躍した「サクラ」
新明工業(豊田市)は自社で設計・製造する特殊車両2台を展示した。「ドローンポーター」は農業向けの薬剤散布用のドローンを収納・運搬できる車両。スライド式の台座を採用することで、積み下ろしの負担を軽減した。薬剤用のタンクも収納でき、ドローンと同様に引き出して使えるため、薬剤の補充作業も効率化する。
さらに、トイレ機能を備えた多機能車両「サクラ」も紹介。乗用車の後部を架装し、トイレや化粧室として使えるスペースを設けた。トイレは特殊フィルムで排泄物を自動密閉する仕組みで、水を使わないのが特徴。高速道路などトイレのない現場向けに開発され、現在では防災用に自治体からの引き合いも多いという。
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迫力に驚きの声が上がったフォークリフト展示
三栄工業(同)が展示したのは、愛知県に数台しかないという20トンクラスの大型フォークリフト。工場内のリフレッシュ工事などを行う同社では、レイアウト変更の際に大型プレス機などの機械設備を移動、撤去するのに活躍している。ベテラン技術者しかできない重要な業務だ。工場のレイアウト変更は大型連休などに実施されることが多いため、「大型のフォークリフトは工場で働いている人でもなかなか見たことがない」(稲吉泰章総務部担当室長)という。
同コーナーの実施は今回で2回目。実行委員会の鈴木宏延氏は「モノづくりの現場から、物流まで社会には仕事にかかわる車両がたくさんある。これからも社会を支える企業や車両にスポットを当てていきたい」と意義を語った。
