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愛知県西三河地区産業界
西三河地区は、安城市、岡崎市、刈谷市、高浜市、知立市、豊田市、西尾市、碧南市、みよし市、幸田町の9市1町からなる愛知県の中央に位置する製造業の一大集積地。自動車産業を中心に幅広い分野の企業が集まり、優れた技術で世界のモノづくりをけん引し続けている。モノづくりの大変革期の中、各企業は培った技術を生かし、さまざまな分野に挑戦している。
西三河のモノづくりを支える
国内最古のれんがメーカー/直販強化で売り上げ回復目指す
安城ビジネスコンシュルジュ(ABC、安城市)は市の設置する経営相談窓口。市内の中小企業を中心に、新製品開発や拡販などを支援する。
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毎週土曜日には販売会を開催し顧客と交流する
1897年(明30)創業の国内最古のれんがメーカー、岡田煉瓦製造所(同)も支援先のひとつ。建物の外構や道路の舗装など、幅広く使われてきたれんがだが、頑丈で軽量な材料の開発が進み、市場の需要・同社の売り上げともに10年で半減した。
特にホームセンターを通じた一般消費者への販売量が大幅に減少していた。人件費や輸送費などの上昇により、れんがの売値が高騰。消費者離れが進み売り場は縮小、安価な外国製品に取って代わられた。「国産れんがの伝統を後世に引き継ぎたい」と立ち上がったのが、同社の岡田信一社長。電子商取引(EC)サイトやアウトレット品の販売会など直販ルートを開拓し、販売価格を下げることで、再度れんがを手に取ってもらおうと考えた。
選ばれる製品とするため、企業ブランディングや、DIY(日曜大工)向け製品「JAZZ BRICK」シリーズの開発に取り組んだ。「会社や製品の魅力を伝えるノウハウがなく、ABCのアイデアに助けられた」(同)という。
今秋には同シリーズから新製品の「両面使える敷レンガ」を売り出す。リバーシブル仕様で、一般的なれんがよりも薄くして軽量化した。また1平方メートルあたり50個で敷き詰められる寸法にし、素人に使いやすくした。販売会を通じて消費者と交流することで生まれた製品だ。
岡田社長は「今後はれんがについてなんでも相談できる総合企業にしたい。新たな挑戦にはABCの助言が欠かせないだろう」と信頼を寄せる。