-
業種・地域から探す
続きの記事
第51回 発明大賞
日本発明振興協会(東京都渋谷区、加藤忠郎会長)と日刊工業新聞社共催の「第51回(2025年度)発明大賞」受賞製品・技術が6日に発表された。発明大賞本賞や、発明大賞東京都知事賞など計15件が受賞した。表彰式は13日に東京都港区の明治記念館で行われる。日本のモノづくり現場の工夫を可視化するとともに、中小企業や個人発明者の成果発表の機会となる。
発明功労賞/考案功労賞/受賞者一覧
【発明功労賞】 チューブ変形による流体遮断技術/旭光電機 社長 和田 貴志 氏 ほか1人
流体の流れを機械的に遮断する流体ストッパー装置で、少ない力で高い遮断性能と保持力を実現した。装置を小型化・省電力化できるほか、衛生面に優れ、飲料供給装置や医療機器に適している。
従来の電磁石による弁制御に対し、柔軟なチューブに外力を加えて折れ曲がりを生じさせ流路をふさぐ技術により、わずかな電力で確実に遮断。流体に弁機構部が直接触れず、汚染リスクを低減する。ビール樽(たる)が空になる際に噴き出すという飲食店の悩みを解決し、15万台以上出荷。共同開発のアサヒビールのトップシェアにも貢献した。
(旭光電機=神戸市兵庫区)
【発明功労賞】 低損傷型大電流コネクタ/グローブ・テック 技術部アシスタントマネージャー 栗本 慶介 氏
電気コネクター接続先の傷を防止し、広い通電可能域と大電流通電を両立する電気接点。耐久性が高く、電子機器や産業機器などの電気接続に適用される。
テコ型の特殊構造により、通電可能域を従来品の6倍近い約1・7ミリメートルに拡大。バネ部は通電経路とせず、高導電性の純銅部分を経路にして大電流通電や耐熱性を実現した。接圧が小さく、コネクター挿抜力が軽い。多接点構造で振動環境での瞬断や摩耗も低減。挿抜耐久試験では従来品の100—1000回に対し、2万—50万回以上と製品寿命を延ばした。
(グローブ・テック=東京都日野市)
【発明功労賞】 ウォータージェット工法の廃水再生装置/流機エンジニアリング 社長 西村 聡 氏
ウオータージェット工法で発生する強アルカリ・高濁度の廃水を現場で再生処理し、施工に再利用可能な水質へ戻す装置。省力化と資源循環、環境負荷低減を同時に実現する。
同工法は年々増加しているが、現在は給水車で清浄水を運び、大量の廃水を回収処理している。発明装置は沈降後に二酸化炭素(CO2)溶解反応で中和、炭酸カルシウム析出し清澄化する。
1日25万—100万円規模のコスト削減が見込める。運搬によるCO2排出減に加え、工程でCO2を固定化し、持続可能なインフラ維持や脱炭素社会に貢献する。
(流機エンジニアリング=東京都港区)
【考案功労賞】 異形断面材対応自動棒材供給機/育良精機 常務取締役 省力機器事業部 事業部長兼技術部長 中里 幸司 氏
四角などのさまざまな断面を持つ棒材を加工機に自動供給できる装置。
レール部材を上下左右に調整でき、断面の軸心と主軸軸線を一致させるように位置を調整することで、複雑な断面形状の棒材でも自動で正確に供給できる。案内装置で、異形材を正しい姿勢でチャックまで導ける。
案内装置のブロックやスライダーの部材を交換可能にして、多様な断面形状の棒材を供給。金属加工や部品製造などの現場での多品種少量生産に対応する。段取り時間や手作業の負担を減らし、稼働率や安全性の向上、無人化ラインの実現に貢献する。
(育良精機=茨城県つくば市)
【考案功労賞】 工作機械の内部清掃を効率化する洗浄専用工具/菱高精機 開発課 課長 中原 宏 氏 ほか1人
工作機械の工具を交換する際に発生していた切りくずのかみ込み事故を防止する洗浄工具。主軸頭や壁面に付着していた切りくずが工具を交換する時の振動で落下し、取り付け面への付着がかみ込みの原因であることを発見。主軸頭周辺を清掃するため工具先端を円盤状にして洗浄液が排出される吐出口を円盤の外周や背面に複数配置した。
顧客が保有する工作機械に簡単に取り付けられる。既存の内部給油機能を使うため、特別な設備投資は不要。
機械加工分野での無人運転に貢献できる。自動車や工作機械向けに販売する。
(菱高精機=高知県中土佐町)
