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28年国際大会の開催目指す 厚労省が招致決定
厚生労働省は28年に開催される技能五輪国際大会を愛知県に招致することを発表した。現在ほかに招致を表明している国はなく実現すれば日本での開催は07年の静岡大会以来21年ぶり、同県では初となる。開催地は24年にフランスで開かれる、技能五輪国際大会の主催組織「ワールドスキルズインターナショナル(WSI)」の総会で正式決定される。
また11月26日から30日までアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催される、第2回技能五輪アジア大会に4人の日本人が出場する。同大会は技能五輪国際大会のない年に開催され、26カ国・地域から22歳以下の若手技能者が競いあう。競技を通じた技術水準の向上と国際交流を目的に開かれている競技会だ。
種目は「機械製図CAD」「業務用ITソフトウェア・ソリューションズ」「溶接」「電子機器組立て」「ウェブデザイン」「電工」「左官」「広告美術」「移動式ロボット」「洋裁」「自動車工」「車体塗装」「ITネットワークシステム管理」「グラフィックデザイン」「冷凍空調技術」「看護・介護」「美容・理容」「れんが積み」「タイル張り」「工場電気設備」の20職種で、8月に静岡県で開催した第18回若年者ものづくり競技大会の成績優秀者から出場者を選出した。
トヨタ自動車の小林祥真さんが「業務用ITソフトウェア・ソリューションズ」、同木村颯太さんが「ITネットワークシステム管理」、日産自動車の村上快仁さんが「自動車工」、河原デザイン・アート専門学校の小松未咲さんが「グラフィックデザイン」に出場する。同大会はコロナ禍の影響で中止や延期が続き、開催されるのは5年ぶり。次回は25年11月に台湾の台北での開催を予定している。
愛知勢、最優秀技能選手団賞 19年連続受賞に期待
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「機械製図」で優勝したデンソーの松岡選手
幕張メッセ(千葉市美浜区)など全国13会場で開かれた「第60回技能五輪全国大会」には41職種の競技に1014人の選手が参加した。
結果は、企業別ではトヨタ自動車が同大会最多の5職種で金メダル(厚生労働大臣賞)を獲得。金メダルの個数で59回は2位だったが1位に返り咲いた。「試作モデル製作」で21連覇、「ITネットワークシステム管理」で15連覇した。都道府県別では、トヨタやデンソーを擁する愛知県が最多の金メダルを獲得し、18大会連続で最優秀技能選手団賞を受賞。あらためて強さを見せつけた。愛知県の大村秀章知事は「青年技能者の活躍を心強く感じた」と同県の産業に対する期待を語った。優秀技能選手団賞は茨城県、東京都、大阪府が獲得している。愛知県は今回から3年連続で全国大会の開催地となる。地元開催中にどこまで最優秀技能選手団連続受賞記録が伸びるか注目が集まる。
モノづくりの魅力発信 技能五輪会場で併催イベント
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モノづくり体験イベントに学生や観戦客が集まった
主会場となる愛知県は自動車や航空機産業が集積し、製造業のメッカとして知られる。今大会では技能五輪全国大会に32職種188人、アビリンピックに21種目21人が出場する。若手技能者の活躍を通じて、より若い世代にモノづくりの楽しさを伝えることも重要だ。同県は大会と併催で県内の産業や、モノづくりの魅力を発信するイベント「あいちの魅力発信フェア ~技・しょく・観光~」を18日に開催する。
愛知県立の工業高校16校が出展し、ロボット製作やプログラミングなどの体験会を実施する「工科フェス」では、同時に学校説明会も開かれる。各工業高校の特徴を一度に比較できるチャンスだ。さらに、「電子回路組立て」や「フラワー装飾」など競技職種で使われる技能を体験できるブースも設置。各市町村や観光協会なども地域の産業をPRする。
今大会では観客の制限が撤廃され、多数の観戦客の来場が予想される。若手技術者の挑戦を通じて地域の活性化が促されることが期待される。