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線材加工機と関連製品(2024年2月)
線材加工機は線材に塑性加工で目的の形状に仕上げる各種機械。各工程や用途に応じて活躍している。加工機の種類は圧延ロール機をはじめ、曲げ加工を施すワイヤフォーミングマシン、鋼線を撚(よ)る撚り線機、加工した線材を巻き取る巻き取り機などがある。 これらの機械から生み出された線材は自動車や工作機械、建築物など幅広い業界で活用され、産業基盤を根幹から支えている。
細径・高強度線材が拡大
加工機から生み出される線材製品は、ねじやクギ、針金、バネ、ボルトといった機械要素部品をはじめ、歯列矯正のワイヤなど医療分野まで多様な用途で活躍している。主要な用途先には自動車や建設物などがあるが、特に自動車業界は重要な市場の一つ。エンジンや駆動系、足まわり部品など、自動車部品の多くに線材が用いられている。
そんな自動車業界では、車両の供給が回復傾向にある。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)によると、2023年の新車販売台数は、前年比13・8%増の477万9086台で、5年ぶりに前年を上回った。半導体不足の状況が緩和に向かっていることが影響しているようだ。
また、自動車業界では、自動車の電動化、軽量化への取り組みが進む。自動車部品の小型化・軽量化に伴い、加工対象物(ワーク)である線材も細径化や高強度化が求められている。さらに、線の形状や径の細さ、素材などがより複雑化している。線材の素材として超高張力鋼板(超ハイテン材)などの高強度材や特殊な合金が採用されることも増えている。素材によって硬さやもろさなどが異なり、材質ごとに加工設定を変える必要がある。このため、加工機メーカーでは高強度材の材質に応じて加工ラインの設備を提案するなどで対応している。
加工機にNC搭載 自動化
一方で、加工機の自動化ニーズも高まっている。従来は加工機のワークの位置決めといった微調整が必要な工程では、熟練作業者の経験や勘を頼りにする部分が大きかった。メーカーでは、加工機の制御や駆動に関わる機構に数値制御(NC)を組み込むことで、これらの工程の自動化を図っている。幅広い種類のワークの加工に対応できる上、加工前の段取り時間の短縮や生産効率の向上にも貢献する。こうした加工機メーカー各社の取り組みが、製造現場の生産性を支えている。