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線材加工機と関連製品
線材加工機は線材を塑性加工で任意の形状に仕上げる各種機械。各工程や用途に応じて活躍している。加工機を通して生み出された線材は自動車をはじめ工作機械、建築、医療など幅広い分野で部品、資材として活用され、重要な役割を果たしている。 最近では、新製品の試作・開発向けに特殊な素材の加工対象物(ワーク)が増えており、加工機の加工精度も高いレベルが求められている。
異形線で差別化図る
線材加工機の種類は多種多様にあり、各工程に応じて活用されている。ダイスの穴を通して線材を細く引き伸ばす伸線機や、回転する圧延ロールの間に通して加工する圧延機、たたいて径を細めるスエージングマシンなどが活躍。4方向に配置したロールで引き抜き加工ができるタークスヘッドは加工対象物(ワーク)の断面形状を自在に変形でき、異形線など幅広い形状の加工に対応する。
異形線加工は、線材を任意の形状の溝をつけたロールに通して特殊な形状に仕上げる。国内加工機メーカーでは、高精度で特殊な断面形状の加工に対応できる異形線加工で海外製品との差別化を図り、付加価値を高めている。
また直線切断機はコイル状に巻かれた線材を矯正して任意の長さにそろえる。さらにワークを曲げ加工するベンダーや、曲げ加工から切断までの加工をコイル材から引き出して連続して行うワイヤフォーミングマシンなど、さまざまな機械が加工現場を支えている。
加工機を通して生み出される線材製品はバネ、ねじ、クギ、ボルトなどの機械要素部品をはじめ、自動車や、産業機械、建築、電子機器、医療分野にまで使われており、産業社会だけでなく日常生活にも欠かせない存在。中でも主要な用途の一つである自動車にはエンジンや駆動系、足まわり、シートベルトのバネ部など自動車部品の多くに線材が関わっている。自動車業界では、低燃費や電動化の普及のため、軽量化への取り組みが進む。このため軽量化に貢献する特殊な材質や形状を持つ素材の要求が高まっている。
多品種加工ニーズ高まる
一方で、線材を活用した新製品開発として、多様な金属と掛け合わせた合金製のワークの試作・開発が進む。こうした特殊な素材の加工が増え、加工機の加工精度の高度化と多品種加工への対応が求められている。
ある加工機メーカーでは、ワークの材質や線径、幅などに合わせて、圧延ロールの材質やサイズ、形状などを工夫し、オーダーメードで設計している。
また多品種加工へのニーズに応え、加工ラインの工程ごとにユニットを組み替えできるよう顧客の要望に応じて設計している。ユニットを組み替えることで、圧延ロールの大きさや数を調整でき、1台で幅広い品種の加工に対応する。
さらに、線材をまとめてコイル状にするボビン一つでも、ボビンの取り付け部を交換できるように設計することで、幅広い線径のコイルの巻き取りに対応している。
こうした加工機メーカー各社のユーザーニーズに即したきめ細かい対応が顧客企業のモノづくりを支えている。