-
業種・地域から探す
続きの記事
3月21日はバルブの日
3月21日はバルブの日。日本バルブ工業会(会長=西岡利明SANEI社長)が1954年3月21日に発足したことに由来して制定した。バルブは配管内の流体の流れをコントロールする機能を担う。社会インフラや電力・化学プラント、建築設備、食・医薬品、半導体など数多くの産業を、見えないところで支える縁の下の力持ち的な存在として、安全・安心の社会基盤を支えている。
多様な流体 制御
ごあいさつ/日本バルブ工業会 会長 西岡 利明
3月21日70周年―新たな中計 策定へ
日本バルブ工業会は1941年3月設立の日本バルブコック工業組合連合会を前身に、54年3月21日、日本弁工業会として設立いたしました。その後、62年8月に日本バルブ工業会に名称変更し、2013年4月1日、現在の一般社団法人日本バルブ工業会へと推移してまいりました。
その間、戦後復興から高度経済成長、バブル景気とその崩壊、度重なる自然災害などを経験し、さらなる強固な工業会へと進化・発展し、流体制御の要として社会に貢献してまいりました。
おかげさまで、本年3月21日に日本バルブ工業会は設立70周年を迎えます。これもひとえに皆さま方の温かいご支援のたまものだと感謝申し上げます。
中期活動計画であるV70は、23年度末をもちまして我々の目指す「あるべき姿」に到達できるものと思われます。26年度をゴールに新たな中期活動計画「仮称 From Now 70」を現在策定中です。さらなる意義ある工業会に進化し続けられるよう、皆さま方とともに精進していきたいものです。
最後に、皆さま方のますますのご繁栄ご健勝をご祈念申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
安全・安心の社会基盤支える
バルブは流体を流す、止める、逆流を防ぐ、量を調整するなどの役割を担う。日常生活でも水道やガスなどの安全な使用と品質管理において、なくてはならない存在だ。扱う流体の違い、性質の違い、圧力や温度の違いなどに合わせ、バルブの材質や構造もさまざまなものがある。
構造別に見ると、工業用途では流す量を調整する玉型弁、素早く開閉できるボール弁、圧力損失が少ない仕切り弁、逆流が生じたときに途中で食い止める逆止め弁、狭い場所でも配管できるバタフライ弁などが汎用弁とも呼ばれ、幅広く使われている。また食・医薬品や化学、半導体関連のプラントで活躍するダイヤフラム弁もある。
これらが主に人の手でハンドルやレバーを開け閉めする手動弁であるのに対し、バルブが流体の力(自力式)や外部の駆動装置からの指示(他力式)によって自動で開閉する自動弁もある。
他力式には調整弁と電磁弁があり、調整弁は化学プラントや石油プラントなどのシステム全体を制御する「プロセス制御」の操作端として使われる。センサーから送られてくる情報に応じて開度が自動調節され、常に必要な流量を保っている。電磁弁は電磁石の力で急速開閉ができるバルブで、配管の緊急遮断または緊急開放を目的として広く工業分野で使われている。
バルブには緊急事態の際に“確実に”開く・閉まるという非常に重要な任務もあり、メーカー各社は信頼に応える製品づくりに取り組んでいる。また、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けて水素社会構築への取り組みが進む中、水素ステーションや水素製造プラント向けの超高圧・極低温環境でも耐えられるバルブや、輸送・貯蔵機器の大型化に対応する大口径バルブなどが開発されている。2月末に東京ビッグサイトで開催された「水素・燃料電池展」で各種バルブが紹介された(写真)。
能登地震 被災地支援
義援金/浄水装置を提供
日本バルブ工業会は令和6年能登半島地震に対し、日本赤十字社を通じて義援金583万円を寄付した。キッツやTVEなど会員企業34社、関係者1人から寄せられた。フジキンも日本赤十字社に義援金500万円を寄付した。
また、キッツは災害時緊急支援プラットフォーム(PEAD)との緊急支援協定に基づき、断水している被災地に可搬式膜濾過浄水装置「アクアレスキュー」を提供した。同社は1月5日に石川県珠洲市へ入り、珠洲市健康増進センターに浄水器を2台設置。6日から本格的に給水を開始した。
このほか石川県輪島市内の輪島市もんぜん児童館にもアクアレスキュー1台を設置し、生活用水を提供した。浄化された水はトイレを流す水や、風呂・洗濯などの生活用水として活用されている。