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大学知財の社会実装を目指す
知育おもちゃ 発売
産学公金連携の事例として、松浦昭洋理工学部理工学科情報システムデザイン学系教授が乳幼児おもちゃメーカーのピープルと共同研究・開発した事例がある。
松浦教授が発明した特許技術「組立構造体」を、科学技術振興機構(JST)の新技術説明会で発表したときに聴講していた機関からピープルの紹介を受け、共同研究につながった。
ピープルの円形ブロックおもちゃ「JOIZ」(写真)には松浦教授の特許技術が採用されており、現在も次の展開に向け、会合や情報交換などを継続している。
このような関係継続には、産学連携コーディネーターの役割も大きく、今後もこの体制を発展させていこうと考えている。
他大学・機関との連携
本学は2010年経産省「複合領域『知財群』創造的活用ネットワーク構築」事業に、中核大学の一つとして参画した。13年に「大学知財群活用プラットフォーム(PUiP=図)」を設立。複雑化する企業の技術的課題に対し、複数大学のシーズで解決するワンストップ型TLOネットワーク構築を目指して活動を続けている。
本活動は関東経済産業局が発行した「産学連携によるビジネスエコシステム構築事例集」に紹介されている。事務局は研究推進社会連携センター(https://www.chizaigun.org/)が担い、問い合わせはeメール(puip@chizaigun.org)へ。
【執筆】東京電機大学 研究推進社会連携センター(CRC)
アグリビジネス創出フェア出展
PUiPは22日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開催している「アグリビジネス創出フェア」に出展し、研究内容を紹介している。
【研究内容1】竹のバイオリファイナリー技術による食品、農業への利用
生竹(孟宗竹(もうそうちく))は粉砕、乾燥しても食品や飼料に適さない。しかし減圧マイクロ波処理装置を用いたバイオリファイナリー技術を利用すると、保健的効能(免疫賦活化活性効果、腸内環境改善効果)を持ったおいしく安全で健康的な食物繊維成分を調製することができる。また、本技術によって飼料や土壌改良剤など農業への利用も可能になっている。
【研究内容2】植物成長調節剤
植物の側根の形成や成長を促すIBA(インドール―3―酪酸)は、重要な植物ホルモンだが植物体内で非常に不安定。そこで、植物体内の代謝を利用して持続的にIBAの供給を可能にするIBA前駆体化合物の合成に取り組み、成功した。このIBA前駆体化学物を植物成長調整剤として利用することで、植物の根の成長促進や作物の増産が期待できる。
【研究内容3】中性子を用いたフードサイエンス
フードロス問題の解決や高機能性食品の開発では、保存性や食感などの食品物性を制御する技術が求められている。本技術は食品の品質を決めるミクロ構造の解析にパルス中性子施設J―PARCや研究炉JRR―3を用いることで、食品中の水分子の動態やガラス転移挙動を分析することができる。
アグリビジネス創出フェアは24年3月15日までオンラインサイトを公開している。