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6月10日 時の記念日
正確な時刻が分かるようになったのは西暦1300年頃、機械式時計が発明されてからといわれる。現在は機械式よりも精度の高い水晶式(クオーツ)や、時計自体が時刻とカレンダーを自動的に修正する電波時計、センシング機能を持ったスマートウォッチなども普及。近年は時計に求める価値観が多様化している。「時の記念日」という今日、改めて「時」について考えてみたい。
時の始祖を祀る 近江神宮のゆかり
「時の記念日」は1920年、当時の東京天文台(国立天文台)と生活改善同盟会によって、日本国民に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と意識づけるために制定された。日本最古の歴史書「日本書紀」において、天智10年4月25日(太陽暦671年6月10日)に、中大兄皇子(のちの天智天皇)が水時計(漏刻)を作って時間を計り、鐘を打って民に時を知らせたという記録に由来する。
天智天皇を祭神として祀るのが滋賀県大津市にある「近江神宮」。社殿は近江造・昭和造という近代神社建築の代表として登録有形文化財となっており、「時の神様」のいる神社として親しまれている。
境内には時計にまつわる建造物も多い。天智天皇が最初に作ったとされる水時計「漏刻」のレプリカは、スイス時計メーカーのオメガが制作、奉納したもの。本殿の目の前には1963年に開館した日本最初の時計博物館「近江神宮時計博物館(現・時計館宝物館)」があり、日本最古級の懐中時計や和時計が展示されている。「近江時計眼鏡宝飾専門学校」という日本有数の時計専門学校もある。
毎年6月10日には「漏刻祭」を斎行。天智天皇に感謝するとともに、社会と文化の発展、産業繁栄、家内安全を祈願する祭典である。当日は時計業界の関係者が王朝装束をまとい、各メーカーの時計新製品を御神前にお供えする。時の始祖に時計の歴史の進展を奉告し感謝の誠を捧げるものであり、神社創建以来、連綿と続いている。
天智天皇見守る地で 未来の時計職人を育てる/現代の名工
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近江神宮附属近江時計眼鏡宝飾専門学校 講師 染矢 泰輔さん
厚生労働省は毎年「現代の名工」として、モノづくりに卓越した技能者を表彰している。近江神宮境内にある「近江神宮附属近江時計眼鏡宝飾専門学校(近江時計専門学校)」で講師、修理工として奉職する染矢泰輔さんは、2023年に38歳という若さで名工に選出され、未来の時計職人を育てている。時計とモノづくりの魅力を聞いた。
—同校を卒業されています。
「幼少より工作や細かい作業が好きで、高校3年の頃には時計職人を志すと決めました。国内で時計技術を学べる専門学校が東京と滋賀の2校しかなく、天智天皇とゆかりある当校を選びました。学校では1年時はクロックの実習をメインに、自分用の時計工具を作りながら工作機械の使い方やヤスリの使い方を勉強。2年時ではウォッチの実習を主に、3年時にはより小さく複雑なウォッチ、さらに治工具製作や部品製作を学びました」
—卒業後は講師となり、のち「現代の名工」に選ばれました。
「卒業と同時に、当校に奉職しました。クロックやウォッチの修理を教えながら、工具整備や工作機械の扱い方など、基礎を徹底的に身に付けてもらえるよう指導しています。また、在学2年時の頃から神社に持ち込まれた時計の修理工としても働きはじめました。一般のお客さまからの修理、同業者や卒業生からの部品製作・加工の依頼のほか、治工具の製作依頼もあります。『おうみ若者マイスター』『おうみの名工』を表彰された縁もあってか、滋賀県からの推薦で、厚生労働省から『現代の名工』に選出されました」
—こだわりや強みをお聞かせください。
「時計用の工具の整備や製作です。使えるだけではなく、使っていて楽しい工具を意識しています。修理ごとに専用工具を製作することもありますし、同業からオーダーメードの製作依頼もあります。修理においては、部品がなければオリジナルで作ります。跡を分からなく修理するのはもちろん、機能的にも遜色がないよう心がけています」
—髪の毛より細い部品を作ることもあります。
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染矢さんも修理に携わった江戸時代作の時計「垂揺球儀」は今年奉納60年。漏刻祭に合わせて特別に動体展示される
「0・07ミリメートル前後の髪の毛程の細い部品も扱います。鋼材を適切な硬さになるよう調質したあと、顕微鏡下の旋盤で削るように部品を製作。ヤスリやフライスを使うこともあります。また、折れた歯車の軸に、新たな軸をすげ直す修理も同業の方からよく頼まれます」
—漏刻祭の時に特別な催しをやるとお聞きしました。
「近江神宮にある希少な時計のひとつに『垂揺球儀(すいようきゅうぎ)』があります。江戸時代に作られ、振り子のカウントを読み取り文字盤に表示する仕組みです。今年奉納60年であることを記念し、修理を行って漏刻祭に合わせて動体展示します」
—デジタル化が進んでも時計職人は残り続ける。
「製造業で自動化が進んでも、人にしかできない作業はあります。特に修理においては、同じ時計でも起こる不具合が異なるため、自動化が難しい分野だと思います。これからも技能と指導技術を向上させ、製造・修理分野の時計職人になれる人材を育てていきたいと思います」
千変万化の大海、日本伝統の青で表現
カシオ「オシアナス」/3モデル追加
独自性と先進性を追求してきたカシオ計算機の電波ソーラーウォッチ「OCEANUS(オシアナス)」シリーズに、今年も3モデルが加わる。中でも薄さや文字板デザイン、曲線美、ブルーの表現など、すべてで高水準を追求したのが「Manta(マンタ)」だ。
今回のテーマは「Indigo Ocean —阿波藍—」。阿波藍で新たな「青」と「世界観」を表現したことが大きなこだわりという。
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カシオ計算機 時計事業部商品企画部第二企画室リーダーの佐藤貴康さん
「徳島の青が日本のトラディショナルな青だと思いました」と、カシオ計算機時計事業部商品企画部第二企画室リーダーの佐藤貴康さんは語る。阿波藍は徳島県(旧・阿波国)で生産される染料で、国内流通する天然藍の95%以上を占める。藍栽培に適した土地柄から室町時代より栽培が続き、江戸時代に木綿文化と結びついて藍染めが大流行。「ジャパンブルー」の起源となった。その伝統的な青を商品に取り入れた。
「同じ海でも遠くは薄く、近くは濃く見える。その変化をインダイヤルで表現しました」(佐藤さん)
三つのインダイヤルには白蝶貝をあしらい、阿波藍で着色。遠方ほど青が淡く見える海のグラデーションを表現した。文字板には「ブラック蒸着」を採用し、黒に近い紺「留紺(とまりこん)」をイメージ。光の反射によって、波をイメージしたテクスチャーが浮かぶ仕上がりとなっている。
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5月22日に発売されたOCEANUS Mantaの「OCW-S7000AP」
5月22日に発売したのは「OCW—S7000AP(7000AP)」と「OCW—T2600AP(2600AP)」。前者はマンタの主力モデル、後者はエントリーモデルだ。7000APはサファイアガラスを使用し、ベゼルにグラデーション蒸着を採用。2600APは文字板内のリングに同様の蒸着を施した。チタン材を使用したベゼルには新色ネイビーをあしらい、天然藍の濃淡と調和させた。
「1日10個も作れないと思います」(佐藤さん)
「OCW—S6000AP(6000AP)」は6月12日発売のシリアルナンバー付きプレミアムモデルだ。サファイアガラスベゼルは輪郭を24面の「ファセットカット」で整えたあと、天面に24面の「スパイラルカット」を加えた計48面。ケースバンドには乾式めっき「ブルーAIP」を採用し、ほのかな青みを演出した。バンドを含めた全体で世界観を演出した逸品だ。
