-
業種・地域から探す
SMT&ハンダ(2024年2月)
モバイル端末や情報機器、自動車の電動化(EV)、電子制御関連は高性能化・多機能化を目的に、電子部品や半導体の微細化が進んでいる。これらの電子部品や半導体をプリント配線板の表面に実装する技術(サーフェス・マウント・テクノロジー=SMT)は、実装機(マウンター)やハンダ付け装置だけでなく、ハンダ材料や洗浄剤・洗浄装置の技術革新など国内外のモノづくりに関わるユーザーの生産要求に応えている。1月に開催された「ネプコン ジャパン」では主要メーカーの地球環境保全に向けた取り組みなどに多くの来場者が関心を示した。
微細電子部品 高速・高密度で実装
表面実装部品(サーフェス・マウント・デバイス=SMD)と呼ばれる微細な電子部品をプリント配線板に実装する生産ラインにおいては、高密度で高速、確実に表面に実装する技術が欠かせない。
ハンダ材料も電子部品の微細化への対応に加え、低温でハンダ付けが可能なハンダは省エネルギー化や二酸化炭素(CO2)排出抑制に貢献している。また実装の高密度化に伴う洗浄ニーズを背景に、洗浄装置や洗浄剤は高精密な洗浄と環境への対応を両立している。
ハンダ付け 多品種小ロット
こうした中、1月24日から3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで、エレクトロニクス開発・製造や実装に関する展示会「ネプコン ジャパン」が開催された。主要メーカーは最新技術を用いた自動化の提案やソリューション、製品からCO2排出抑制、低消費電力による省エネなどを訴求した。
ジャパンユニックスは「『相談から量産まで』はんだ付け自動化を支援します」として、自動化と量産現場に活用できる実践的なソリューションなどを提案。インライン向け多関節ロボットなどを出品し、多くの来場者の関心を集めた。
特に同社の生産性と品質を追求した新レーザーハンダ付けシステム「デュアルエリアレーザー」は、多品種小ロットのデバイスやスルーホールのハンダ付けに最適。多点同時にハンダ付けが可能で、局所加熱のため製品の熱負荷軽減や省スペース、省エネに貢献し、製造ラインでの採用実績が増えている。
洗浄剤 地球にやさしく
酸化防止剤(フラックス)の洗浄剤と洗浄装置を開発する化研テックはシステム提案に加えて、「洗浄のノウハウ」を背景とした国内外企業への豊富な納入実績を強みとする。洗浄におけるユーザーの課題に対して、洗浄剤と装置の2方面からの迅速で最適な解決ができる。
展示会では高密度化実装に欠かせないフラックス洗浄として、揮発性有機化合物(VOC)の少ない洗浄剤「マイクロクリンECO&マークレスECO」を提案。成分の約70%が水分で構成され、乾燥工程や揮発によるVOCの総排出量を約50%低減できる。さらにリフロー炉洗浄剤「ロックリンYD―99」はリフロー炉内や炉内パーツ用に付着した水系洗浄剤のフラックス汚れを除去する。
日本スペリア社は鉛フリーハンダ「TempSave」シリーズのB58に、ヤニ入りモデルを参考出品した。また不良解析からハンダ材料選定までサポートする研究開発(R&D)センターの取り組みを紹介した。同センターは大阪府豊中市にあり、走査型電子顕微鏡などのハイエンドな設備を持つ。受託解析、実装診断、実証評価などユーザーの実装時の課題をサポートする。
日本スペリア社 海外生産加速
日本スペリア社は海外における現地ニーズと生産需要に対応している。2023年には、中国内で5拠点目となる「NIHON SUPERIOR New Materials Technology」(江蘇省南通市)と、マレーシアでは2拠点目の新工場がそれぞれ稼働した。
NIHON SUPERIOR New Materials Technologyは、中国市場における現地体制をさらに強化し、地産地消を目指す。
マレーシアの新工場は研究開発(R&D)センターを併設している。日本スペリア社は13年、日系企業として初めてマレーシアペルリス大学と、鉛フリーハンダの研究開発の共同実施の提携に合意。今後、同大学の研究設備に加え、生産現場の隣接するR&Dセンターを生かした接合材料の開発を目指す。