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静岡県産業界
静岡県産業界にとって2026年度は成長への一歩となるか、企業の挑戦が問われる年度となりそうだ。東海財務局静岡財務事務所が3月に公表した26年1―3月期の法人企業景気予測調査によると、景況感の「上昇」から「下降」を引いた全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス6・5だった。企業の景況感には慎重さがにじむ。人手不足も依然として深刻だ。売上高は増収が見込まれるものの、原材料価格や人件費の上昇などを背景に利益面では厳しさも残る。世界経済の先行きには不透明感が漂う。中東情勢の緊迫化はエネルギー価格や物流への影響が企業活動に波及する可能性は高い。加えて人手不足や物価高など国内の課題も重なる。こうした環境下でも県内企業は設備投資や新製品開発に取り組み、激変期を好機に変えようとしている。
設備投資で事業の幅広げる
車アルミ部品試作参入
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本社工場で使用する低圧鋳造機
木村鋳造所(清水町)は低圧鋳造法によるアルミニウムの自動車用構造体部品の量産前の試作品生産に乗り出す。このほど約10億円を投じて21年に稼働を終えた本社工場(同)を刷新し、アルミ製自動車構造体部品の試作品を鋳造できる体制を整えた。車体部品をアルミ鋳造で一体成形する「ギガキャスト」などでアルミ部品の大型化が進む中、アルミの試作品生産を新たな事業の柱に育成する。
製造方法は3Dプリンターで鋳型を作成して低圧鋳造機にセットし、溶融したアルミを低圧で型に注入する。高精度で長さ1メートルを超える部品でも最小肉厚2ミリメートルのものを短納期で製作できる。木村鋳造所は鋳物部品大手。鋳型製造に発泡スチロールを用いる「フルモールド鋳造法」による鋳造や、物をスキャンして3Dデータ化する「リバースエンジニアリング」など4本柱の事業で構成する。同社は従来自動車用構造体部品の試作品では、独グルネバルトと協力してきた。将来的には同試作事業を売上高数十億規模の5本目の柱に育成する方針だ。
スピンドルの生産能力向上
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菊川南工場のスピンドルの生産現場
スター精密(静岡市駿河区)は工作機械の製造拠点「菊川工場」(菊川市)内の新棟「南工場」を稼働した。100億円を投じて改装した新南工場の稼働により、自動旋盤のコア部品であるスピンドルの生産能力を外注含め現行比30%増の月産800台に引き上げる。生産性も前工場に比べ30%向上した。新南工場は鉄筋3階建てで、延べ床面積は約1万3700平方メートル。同社の自動旋盤の販売は現在年間8000台程度だが、今回のスピンドル増強により同1万台程度まで対応する。
高水準の省エネルギー、創エネを実施する設計を採用。製造現場では自律走行搬送ロボット(AMR)など、省人化を見据えた最新鋭の設備やシステムを導入した。また開発部と製造部の執務エリアは交流促進を目的に壁を取り払ったワンフロア設計とした。新たなアイデアの創出を促し、開発スピードの向上につなげる。
ノウハウ生かした多彩な製品 板金向けレーザー加工機拡販
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真誠の本社工場にデモ機を導入した
真誠(浜松市中央区)は台湾のミッドナイト・インダストリアル(台中市)製ファイバーレーザー加工機の輸入販売事業に参入した。50年以上製造販売する金属や木材向けの機械刃物で培った切断のノウハウを活用し、まずは板金に特化したレーザー加工機を拡販する。価格帯は仕様によって異なるが、当面需要を見込むのは出力3キロ―6キロワットのシリーズ。
このほどデモ機1台を自社の本社工場に設置した。ミッドナイトは30カ国以上で事業を展開しているが、日本での販売実績はない。性能が同等の場合、日本メーカー製品よりも3―4割程度安価に導入できる見通し。
デモ機の加工対象物(ワーク)の最大寸法は3000ミリ×1510ミリメートルで、切断材質は冷延・熱延鋼板、ステンレス鋼板など。
簡易リフト、15年ぶりに受注再開
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かつて根強い需要があった「簡易リフト」の受注を再開
鈴木製機(掛川市)は25年11月1日に建築基準法施行令が一部改正されたことを受け、荷物のみを上下方向に搬送する装置「簡易リフト」の受注を約15年ぶりに再開した。法的に曖昧だった簡易リフトの位置付けが建築基準法の規制対象から外れ、労働安全衛生法の規制対象として明確になった。そのため今後はメーカーとして責任を持って製品を供給できると判断。受注再開の認知度を高めて商流を再構築し、新たな需要を取り込む。
簡易リフトは1977年に鈴木製機が搬送分野に進出したきっかけとなった製品。巻き上げ機やチェーンでカゴを昇降するシンプルな搬送装置で、大きさや能力に基準がある。
社員へ生成AI教育を開始
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すでに環境経営リポート用のデータを集計するシステムを内製化している
コプレック(掛川市)は全役職員70人の約2割に当たる13人を対象に、業務に必要なシステムを生成AI(人工知能)で開発する能力を養う教育プログラムを始めた。対象者が講習を受講し、修了後は自分の経験を所属部署に浸透させる。早ければ26年中にも全役職員の50%以上が生成AIを使いこなして現場改善に必要なシステムを開発できる体制の構築を目指す。講習に参加するのは製造部門を中心に選抜した20-50代の社員。すでに現場からは在庫管理や作業報告書のデジタル化、点在する工場での居場所確認用システムなどを開発したいというアイデアが出ているという。
