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日本力(にっぽんぶらんど)静岡産業界
100年に1度と言われる自動車産業の変革期にあって、日本の、そして静岡県産業界も影響を避けられない。米国や中国の新興電気自動車(EV)メーカーの台頭や電動化・知能化など競争環境が変化し、業界再編の動きが加速している。そうした中、2024年から静岡県内の各企業は新製品開発や海外展開、設備投資といった戦略に取り組む。25年もそれぞれの経営判断や戦略が静岡県産業界を、日本の産業界を成長軌道に乗せる。
技術光る若手技能者たち
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若年者ものづくり競技大会で浜松職業能力開発短期大学校の近藤悠太さんが(写真中央)が敢闘賞を受賞した
静岡県産業界を担う若者たちが24年に開かれた技能大会で活躍した。浜松職業能力開発短期大学校電子情報技術科2年の近藤悠太さんが、群馬県で開催された「第19回若年者ものづくり競技大会」の「電子回路組立て」職種で敢闘賞を受賞した。同校では同職種で2年連続の同賞受賞となった。近藤さんは地方大会にあたる「第12回静岡県ものづくり競技大会」で、同職種総合の部で優勝した。練習と大会を通して「はんだ付けとプログラムのスキルを向上させることができた」と振り返る。近藤さんは4月から東海職業能力開発大学校に進学し、技能技術のさらなる研さんを積む。
浜松職業能力開発短期大学校は同大会で電子回路組立て、ITネットワークシステム管理、機械製図CADでも上位成績を収めた。古内忍校長は「多くの観客にも動じない精神力の強さ、日頃から精進し続けた技術力を発揮できたことに感動を覚えた」と話した。
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技能五輪競技活動での学びを話した田島さん(左)大石さん(中央)伊井さん(右)
ホンダのトランスミッション製造部(浜松市中央区)は技能五輪全国大会の「メカトロニクス」職種と「旋盤」職種に選手を派遣している。愛知県で開催された第62回大会では、伊井琉星さんと大石一葉さんのペアがメカトロニクスで銅賞、田島葵さんが旋盤で敢闘賞を受賞した。メカトロニクスの2人は初出場を振り返り「訓練中も含めて一番できがよかった。これまで鍛えてきた対応力が生かせたと思う」(伊井さん)、「組み立てで1点も落とさず、競技後半の自信になった」(大石さん)と話す。2回目の出場だった旋盤の田島さんは「訓練通りにはできなかったが、最後までやりきって入賞できた」と振り返る。
3人の技能五輪出場は社内規定の関係で一区切りとなるが、競技の学びは今後の社業にも生きる。伊井さんは「競技で身についた変化への素早い対応力を生かし、製品の不具合究明や的確な対応ができるようになりたい」、大石さんは「未経験のところからチャレンジの連続だったので、どんなことにも挑戦していきたい」と意気込む。田島さんは「ロジカルな考え方や加工のノウハウ、検証力が身についた。加工技術、分析検証の領域でまだ先輩が行っていない領域に行ってみたい」と目標を定める。
宇宙への興味引き出すイベント開催
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イベントは子どもや地域住民でにぎわった
スズキとALTILAN(アルティラン、浜松市中央区)、ローランド・ディー・ジー(DG、同市浜名区)は、地域活性化と子どもたちに宇宙への興味を持ってもらうことを目的としたイベント「浜松から宇宙へ~スペースジムニーで飛びだす宇宙の旅~」をスズキ歴史館(同市中央区)で共同開催した。
宇宙への探求心や好奇心をイメージしスズキの軽自動車「ジムニー」をラッピングした「スペースジムニー」を展示したほか、ドライビングシミュレーターを使用した宇宙空間での同車両の運転体験などを行った。
スズキは車両や会場の提供、ALTILANは宇宙関連の知見を生かしたイベントの企画・運営、ローランドDGは同社製プリンターの展示・印刷実演、スペースジムニーの製作など、それぞれの特徴を生かして協力体制を構築した。
3社は浜松市内で行われている交流会で接点が生まれ、イベントの企画につながった。今後3社で連携し、1月にも同市内の小学校で天体観測と連動した行事を開催する予定。