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有力企業の最新トピックス―2
四国化成工業/丸亀工場内に新プラント建設
四国化成工業は、ラジアルタイヤの原料となる不溶性硫黄への高い品質要求に対応するため、丸亀工場(香川県丸亀市)内に不溶性硫黄の新プラント建設を進めている。
新プラントは鉄骨造り5階建てで、延べ床面積は約1300平方メートル。投資額は約45億円。2024年10月に完成し、同年12月から本格稼働を予定している。生産能力は現在の約1・2倍となる見通しで、合わせて10人程度の新規雇用も計画する。タイヤ市場では、安全性はもとより、乗り心地や低燃費性、耐久性といった多様なニーズがある。新プラントでは、こうした高品質製品の生産技術開発を図るとともに、拡販に向けた量産体制の構築にも注力する。
また同工場で使用する電力の一部を、自社内の太陽光発電で得た電力を活用することで、二酸化炭素(CO2)の排出量削減などの環境負荷低減も図る。
西機電装/新工場に粉体焼き付け塗装設備導入
西機電装(愛媛県新居浜市、西岡圭社長)は、本年8月に本社工場の近隣に黒島工場を新設した。新工場は粉体焼き付け塗装設備を導入し、主力製品の制御盤や配電盤の設計から組み立てまでの一貫生産体制を構築した。
新工場は鉄骨1階建てで延べ床面積は約1300平方メートル。主に同塗装工程と制御盤などの組み立て工程に活用する。塗装工程では、クレーンで塗装部品を吊り下げ、塗膜の前処理、粉体焼き付け塗装、乾燥炉と効率的に塗装する。奥行き1・6メートル、高さ2・5メートル、幅4メートルまでの塗装品に対応する。
これまで制御盤などの塗装は、本社工場とグループ会社の西岡鉄工所の塗装設備で行っていた。新工場の稼働により両社合わせた塗装能力は従来比2倍になることで、自社の増産対応はもとより、今後は周辺企業の塗装ニーズも取り込んでいく計画だ。
三浦工業/日本初 電気式小型貫流蒸気ボイラ
三浦工業は、日本初の電気式小型貫流蒸気ボイラ「ME―200A」をラインアップに追加し、2024年度から販売を始める。燃焼由来の排ガスがなく、グリーン電力活用時の二酸化炭素(CO2)排出がゼロとなり、脱炭素社会の構築に貢献する。同機は、1時間あたりの相当蒸発量が300キログラム。従来の電気式簡易貫流蒸気ボイラ「ME―100」は、蒸気使用量が少なく燃料配管や排気筒の設置が難しい場所で利用されていたが、同機は複数台密着設置することで大容量化を実現し、大量の蒸気量を必要とする産業用途への適用が可能になった。
燃料配管や排気筒が不要で分散設置することもでき、負荷機器の近くに設置することで、送気時の熱損失削減も期待できる。従来の化石燃料ボイラとの併設も可能で、優先的に電気ボイラを利用し、BCP対策として電力不足や停電時に化石燃料ボイラを稼働する。
丸住製紙/自社初 コスメ分野の紙製品発売
丸住製紙(愛媛県四国中央市、星川知之社長)は、本年4月に自社製パルプを利用した高品質な衛生用品の原紙を製造する大江4号抄紙機・加工設備の稼働を始めた。年間の生産能力は約2万6000トン。
同社は2019年に衛生用品事業に参入し、ペーパータオルやウエットティッシュなどを手がけている。同設備の稼働により、新たにバージンパルプ100%品の生産ができることで、食品接触用途の製品にも対応可能になった。
今後はコスト競争力の高い既存設備に加え、業務用・小売り用ともに製品ラインアップの拡充と販売強化を進めていく。
同設備を活用し、自社初となるコスメ分野の紙製品、洗顔専用ペーパータオル「mu huhu」を10月に発売した。柔らかく厚手で吸水力が高いため、濡れた肌にあてるだけで吸水し、肌への摩擦を低減することができる。
タステム./組み立て不要 ペレット燃料ストーブ
クレーン運転室や防火扉などの各種建材を手がけるタステム.(愛媛県新居浜市、高橋政利社長)は、2021年12月に屋外用焚き火台などを販売する「HODO」ブランドを立ち上げた。同社の薄板板金技術を生かした新事業で、アウトドアブームの追い風を受けて事業拡大を進めている。
本年10月には、新たなアイテムを商品ラインアップに追加した。スクエアストーブは、ペレットや小枝を熱源とし、二次燃焼技術を採用。折り畳んで持ち運べるコンパクト設計が特徴。ペレット燃料専用ストーブは、展開や組み立てが不要。ちょっとした料理に対応できる料理用間口を設けている。軽量タイプの折り畳み式焚き火台「HIBA」は、重量約1・2キログラムで折り畳むと6ミリメートルの厚さに収納できる。コーヒードリッパーは、ワンタッチで組み立てができ、畳むと1ミリメートルの厚さになる。
技研製作所/圧入技術の優位性理解できる施設
技研製作所が開設した圧入技術の情報発信基地「RED HILL 1967」(高知県香南市)は、本年5月のオープン以降4000人近くの見学者が来訪している。同施設は「百聞は一見に如かず」をコンセプトに、圧入技術の粋を集めた機械や工法、構造物の「実物」を展示。圧入技術の優位性について言語や文化の壁を超えて理解できる施設だ。
施設は圧入技術を用いた最新工法やインプラント構造物を展示する実証展示場や、世界の杭打ち機や機械遺産認定の「サイレントパイラー」1号機などを展示する「創造館(世界杭打機ミュージアム)」、圧入原理を詳しく解説する展示スペースや研究施設を備える「研究棟」、同社国内最大の「高知第三工場」で構成。同施設および創造館、研究棟はその意義や鋼矢板を用いた世界初の建築構造などが評価され「2023年度グッドデザイン賞」を受賞した。