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有力企業の最新トピックス―1
四国化工機/日本初 大型フォームフィルシール機開発
四国化工機(徳島県北島町、植田滋社長)は、4個セットのヨーグルトなど複数一体の商品に対応する充填機、大型フォームフィルシール機「FD―12」を国内メーカーとして初めて開発した。容器の成型から充填、ふたのシールまでを全て1台で行う。
これまで大型フォームフィルシール機は、海外メーカーのみが製造しており、緊急でメンテナンスが必要な際には、作業員を海外から派遣してもらわなければならず、時間とコストが掛かっていた。国産機であれば、それらの問題が解消される。また、同機は独自の新機構を採用したことにより、容器成型のばらつきが無くなり、安定した品質を保つことができる。
同社は、機械事業のほかに包装資材事業も展開している。環境に配慮した容器用シートの開発を進め、将来的には同機とセットで提案したい考えだ。
タダノ/AI技術生かしクレーン研究
タダノは「ONE TADANO」を掲げてグループ全体が共通の価値を持ってチームとなり地域と地球への貢献を目指している。生産拠点を本社高松工場(高松市)、香西工場(同)、志度工場(香川県さぬき市)、多度津工場(香川県多度津市)、千葉工場(千葉市若葉区)とドイツの海外グループ会社2社に集約し各種クレーンを生産する。技術研究所ではAI技術を生かしたクレーンの自動化や施工現場の安全性向上などの研究を進めている。
ドイツには「欧州リサーチセンター」を設立。最新トレンドをグループ全体の製品開発・ものづくりへ生かす。女性の活躍などダイバーシティーを推進する中、同センターには2023年度から女性研究者が、チャレンジする社員に機会を与える「ジョブチャレンジ制度」を活用し、活躍している。
山本縫製工場/ふくらはぎに装着して保温・保湿
山本縫製工場(香川県坂出市、山本益美社長)の「あったかレッグ」は、ふくらはぎに装着して保温と保湿をする。綿ファスナーの凹凸面を広めにすることで、フリーサイズで装着でき、家事や外での作業時にも外れにくくした。
2013年に発売した「あったかロンジー」シリーズの一つで、裏面はフリース素材、表面はアクリルコーティングのナイロン素材を採用し、保温性と保湿性を高めた。色は赤・黒・灰・茶の4色展開で、自社サイトやインターネットで発売しており、消費税込みの価格は5000円。
同シリーズでは、就寝時に足全体を保温・保湿するカバーも発売しており、今後も商品展開を広げていく計画。「保湿の重要性を知ってほしい。素材一つで肌への負担が変わる」(山本社長)としている。
ヨコタコーポレーション/観光地を走る3輪電気自動車製造
ベアリングレースや自動車部品の旋削加工などを手がけるヨコタコーポレーション(徳島県吉野川市、横田勝己社長)は、2018年にタイに現地法人を設立し、同国内で観光客などを乗せて走行する3輪車「トゥクトゥク」の電気自動車(EV―TUKTUK)を製造している。
同国では大気汚染が社会問題となっており、同国政府もトゥクトゥクのEV化を推進している。同社では、同国において社会貢献をしたいとの思いから、新規事業としてEV―TUKTUKの開発に着手し、22年の夏に同国内で販売を開始した。
23年2月には、徳島県内で公道を走るために必要なナンバーを取得した。今後は地域のイベントや観光地を走るグリーンスローモビリティ(電動型の小型車両)として活用していく予定だ。
大倉工業/コンシューマー向け防臭袋開発
大倉工業は、加工メーカーとしてこれまで培った技術力で、コンシューマー向け製品の防臭袋「NIOGUARD」を開発した。
同製品は、家庭でごみの収集日までゴミを置いておく時や、外出時に捨てる場所がなく持ち帰る際の臭い対策にニーズがあるという背景から開発を始めた。同製品は五層構造で、中央の特殊フィルム層が臭いを透過させない仕組み。この特殊フィルム層は、産業用途フィルムを製造している同社がエンジニアリングプラスチックを採用し、独自開発した。赤ちゃんの使用済みおむつやペットの糞便、生ごみの臭い漏れなどを防止する。
電子商取引(EC)サイトを利用した販売を本年7月にスタートしている。今後は会員制交流サイト(SNS)やEC販売を通して消費者ニーズを探り、消費者向けの製品の開発に注力していく。
二本鉄工/全自動圧縮型フィルタープレス脱水装置好評
二本鉄工(香川県さぬき市、中村達弥社長)の全自動圧縮型フィルタープレス脱水装置「SE―750AC型」が好評だ。従来にはなかったフィルターをエアで逆噴射することにより、目詰まりを防止する方式を採用している。
これまでは、定期的に高圧水などでフィルターの目詰まり箇所を洗浄除去していた。同装置は、脱水が終了するたびにエアで目詰まり除去を行うため、作業負担の軽減化にもつながっている。エアを送り込むためのコンプレッサーも内蔵するなど、ワンパッケージ化も図った。
また装置自体の操作性も簡素化させるなど、メンテナンス面にも配慮している。「脱水機の構造は95%は決まっている。残り5%の付加価値で勝負が決まる」(中村社長)と力を込める。