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滋賀・彦根バルブ産業界
滋賀県彦根市とその周辺エリアは国内屈指のバルブ産地で、多くのバルブメーカーや関連企業が集積している。約30社のブランドメーカーと70―80社の関連企業で構成し、県内最大級の地場産業だ。彦根バルブは水道用や産業用、船用などが主力。そんなバルブの産地「彦根」と「彦根バルブ」を広く知ってもらおうと、滋賀バルブ協同組合(彦根市)が、このほどイメージキャラクター「彦バルくん」を決定。業界のさらなる発展に向け、彦根バルブの普及広報活動にも力が入る。
生産高、約30年ぶり300億円超
彦根地区のバルブ関連企業で構成される滋賀バルブ協同組合によると、2023年(1―12月)のバルブ生産高は307億8170万円(前年比7・4%増)で、1997年以来、約30年ぶりに300億円の大台を突破した。日本経済は今年に入り、株式市場で日経平均がバブル期以来の史上最高値を更新して高値水準が続くなど、「失われた30年」と言われる長期低迷からの脱却が期待される。同組合は〝約30年前とは経済が大きく異なり一概に比較はできない〟としつつ、原材料やエネルギーコスト、人件費の高騰などで厳しい中、価格改定を含む各社の地道な営業努力によるものと分析する。
23年は業種別で水道用、産業用、船用、鋳物素材のいずれの生産高も前年を上回った。
上下水道や工業用水、農業用水などの配管に用いられる水道用は前年比5・8%増の112億6658万円。製鉄やガス、パルプ、ケミカル、食品、石油、電力、紡績、水処理プラントなどの配管向けである産業用が同7・3%増の127億1446万円。それぞれ価格改定効果が寄与し、生産高も堅調だったという。一方、タンカーや液化天然ガス(LNG)船、コンテナ船、客船、漁船、貨物船、自衛艦などが用途の船用は同11・7%増の53億2634万円で、世界的な環境規制対応船の建設増加などが背景。鋳物素材も同5・7%増の14億7430万円で堅調だった。
24年も公共事業の投資継続、製造業や建設業の設備投資、造船安定需要に期待するが、環境変化を注視する。
イメージキャラに〝彦バルくん〟/「彦根バルブ」を広く発信
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彦根バルブのイメージキャラクター「彦バルくん」
国内屈指のバルブ産地「彦根」と「彦根バルブ」を広く発信すべく、滋賀バルブ協同組合(彦根市)は彦根バルブイメージキャラクターを募集し、このほど赤備えの彦根甲冑をまとった「彦バルくん」に決定した。さっそくポスターを作成するなど、広報活動に活用し、彦根バルブのさらなる発展に取り組む。
「彦バルくん」は、バルブの妖精で誕生日は12月1日。彦根バルブ集積地近くに住んでいるという。ポスターではこうしたプロフィルのほか、仏具のかざりを作っていた職人たちが明治20年ごろ(1887年)に蒸気用の蛇口を作ったことが、彦根バルブのきっかけであることなども紹介している。
魅力ある業界づくり目指す/滋賀バルブ協同組合理事長 濵口 浩一 氏
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滋賀バルブ協同組合理事長 濵口 浩一 氏
滋賀県彦根市と周辺地域は、全国唯一の鋳鉄・ステンレスなどのバルブ産業の集積地です。その源流は明治中期にまでさかのぼりますが、現在のような「水道用」、「産業用」、「船舶用」といった業態への分立は、戦後の復興と高度成長に合わせて進み、それ以降、社会基盤へのニーズとともに成長してきました。
しかしながら昨今の状況を鑑みますと、およそ3年間にわたった新型コロナウイルス禍の収束に希望を持つ間もなく、ウクライナや中東での紛争が続くなど、世界情勢は著しく不透明な状況です。また、それらも背景としたエネルギー価格や原材料価格の変動、少子化、多様化による求人難をはじめ、国内外を問わずに困難な課題があふれています。
滋賀バルブ協同組合では、これらの課題に真摯(しんし)に向き合い、「彦根バルブ」のブランド力向上と、教育情報・福利厚生事業にも注力していきます。会員各社の強みを生かした事業を展開することで、地域の魅力ある業界づくりを目指します。