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AI活用 業務効率化
物流DXを支援―東レエンジニアリング
大津市に関西本社を構える東レエンジニアリングは、要素技術としてAI技術の開発に力を入れている。このAI技術を活用し、物流管理システムを2022年に発売。AIの画像処理技術を用いてさまざまな形状の品物に記載されている商品名や数量の短時間チェックを可能にした。倉庫内の出荷作業や配送時の走行ルート編成では、AI技術によって効率的な手順・ルートの自動作成も行える。こうした機能で誤出荷防止や作業効率化などの実現に貢献する。
同システムは外食産業を中心に発売しているが、さらに機能を拡張して目前に迫る「物流の2024年問題」へ向けた展開も狙う。残業時間の上限規制に伴い、さらなる運転手不足などが懸念される中、物流業務の効率化は待ったなしの課題。同社ではトラックの運行・配送状況のモニタリングや、運転手のアルコールチェックなどの管理システムを開発中で、24年度内の市場投入を目指している。差し迫る社会課題を、物流DX(デジタル変革)で支援する。
生成 AI積極活用―リ・プロダクツ、滋賀県庁
同じAIでも、昨今何かと話題に上る生成AI。ウェブ上などで学習したデータを基に、文章や画像などを作成する技術だが、自治体や中小企業でも生成AIを業務に取り入れる動きがある。
清掃サービスや掃除ロボットの法人向けレンタルサービス事業を手がけるリ・プロダクツ(大津市)は、今夏から米オープンAIの「チャットGPT」を使い始めた。自社の会員制交流サイト(SNS)の文章作成、ホームページのキャッチコピー案作成などで使用している。今後は清掃サービスでの活用も検討中で、高奥要輔社長は「0から1を作り出す最初のとっかかりが早くなった。どんどん使っていきたい」と、積極的に活用する方針だ。
滋賀県庁では生成AIの活用方針を策定し、8月1日から9月末まで全職員約6000人を対象に庁内業務での試用を行った。現在、活用環境の検討や整備、試用後のアンケートをとりまとめている。
三日月大造知事は「アイデアの革新などに活用でき、好影響をもたらしてくれるだろう」と期待を寄せる。
県内の観光需要回復 彦根城を世界遺産に
朝晩の寒さが厳しくなり、滋賀県の紅葉シーズンもいよいよ終盤戦。アフターコロナと訪日外国人観光客の回復で観光名所には多くの人が訪れ、街はコロナ禍前のにぎわいを取り戻しつつある。
滋賀県は近畿、中部、北陸をつなぐ交通の要衝。日本一の琵琶湖を抱え、豊かな自然と数多くの史跡を持つ。名所の一つで築城400年以上の彦根城(滋賀県彦根市)では、世界文化遺産登録に向けた取り組みが進む。
9月に文化庁がユネスコ(国連教育科学文化機関)に事前評価申請書を提出した。結果は2024年10月に通知される。その結果によるが、早ければ25年度の国内推薦獲得、27年度の世界遺産登録となる。1992年の世界遺産暫定リストへの記載以来、長年の悲願実現が期待される。
観光需要が回復する中、県は2030年度までの観光振興ビジョン「シガリズム」も推進。コロナ禍を経て生まれた人々の健康志向や価値観の変化といった新たな需要を捉えるべく、「健康しが」の理念をいかした観光資源の魅力や質の向上を進める。自然や歴史、文化、暮らしなどの体験・体感できる新たなツーリズム提供で、リピーターを増やし、県民の滋賀への誇りや愛着も高めたい考えだ。