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Sea Japan 2024開幕
クリーンエネルギーにフォーカス 海の脱炭素 船の最新技術
Sea Japanは1994年に横浜市で初開催し、今年で30周年を迎える。出展者数は2022年の前回比約71%増の約600社・団体。会場規模も約1・5倍に拡大し、最大規模での開催となる。海外からは30の国と地域が出展し、会期中は2万人の来場が見込まれている。
今年の同展が掲げるメインテーマは「次なる原動力は?」。海事業界で注目される水素やアンモニア、液化天然ガス(LNG)、電気など、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けたクリーンエネルギーにフォーカスした展示を行う。
新設 Offshore&PortTech
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8社・団体が開発した海での検査・点検・調査に関わる海洋機器を海中で実際に動かした(東京夢の島マリーナ=23年11月)
また、同展はオフショア・港湾技術にフォーカスした「Offshore&Port Tech 2024 in Sea Japan」を新設する。海上風力発電をはじめとした海洋再生エネルギー、作業員運搬を専門とした作業船、海洋開発、カーボンニュートラルポートに向けた港湾技術などを紹介する。
海事産業が深く関係する海の産業にフォーカスし、船舶技術の新たなビジネス展開だけでなく、他の産業から技術導入を探ることで業界活性化を図る。
この新しい取り組みを記念して、23年11月に東京都江東区の東京夢の島マリーナで水中・水上ドローンや遠隔操作型無人探査機(ROV)、自律型無人探査機(AUV)、小型無人ボート(ASV)、海洋ロボットのデモイベント「[検査・点検・調査]Ocean Demonstration」を同展のプレイベントとして開催した。8社・団体が開発した海での検査・点検・調査に関わる海洋機器を海中で実際に動かした。メーカー側が見つけられなかった使用用途の発見に注目が集まった。
23年12月に首相官邸で開催された総合海洋政策本部会合(第21回)で「自律型無人探査機(AUV)の社会実装に向けた戦略」が策定された。30年までに国内のAUV産業が育成され、海外展開できるよう国が主導し官民が連携して取り組みを推進する。
ジャパンパビリオン 最先端の研究・技術成果
今回の展示会場内では産学官で構成する「ジャパンパビリオン」が国内の舶用技術製品やサービスを発表する。また、同パビリオン内では「テーマゾーン」を設けて最先端の研究・技術成果などを紹介する予定。
海外パビリオンは中国、韓国、オランダ、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、英国、トルコ、ポーランド、米国の10カ国が出展する。この内トルコ、ポーランド、米国は初出展。
講演・セミナー 出展社プレゼン80本記念トークイベント
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環境保護やDXのための新たなテクノロジーの課題に対応する製品・サービスが展示される(Sea Japan2022) -
会期中の講演・セミナー類は主催者企画セミナー、プライベートセミナー、出展社プレゼンテーションの三つに分かれている。主催者企画セミナーでは海事産業をリードする業界団体や企業が登壇する。
次世代燃料・デジタル変革(DX)・人材育成など、業界が必要とする情報を多彩なセミナーで展開する。海事だけでなく、海洋・港湾技術にフォーカスしたセッションで最新技術や製品の情報も手に入る。
10日10時45分から東3ホールのカンファレンスルームでSea Japan2024 海事クラスター委員会が主催する「シンガポールの脱炭素化に向けた取り組みと、シンガポール船主が目指す将来像について」が行われる。同セミナーは脱炭素化を積極的に進めるシンガポールで行われているさまざまな燃料を使用したバンカリングの実証実験の状況や、シンガポール船主が目指す船舶の将来像について講演を行う。
出展社プレゼンテーションは80本を超え、初出展でのプレゼンも多数開催される予定。発表会場は東1ホールと東3ホールに二つずつ、A‐Dの会場が設けられ、それぞれ50席を用意している。プライベートセミナーは出展社が最新情報を公開する。
さらに、「バリシップ2025」の開催決定に伴い、11日15時から次回のバリシップの日程をはじめとした開催概要の発表が行われる。開催決定記念として、パネリストに今治造船の檜垣幸人社長、日鮮海運の阿部克也社長、BEMACの小田雅人社長、モデレーターに西瀬戸マリンパートナーズの日野満社長を迎え、トークセッションを開く。造船・海運・舶用の3分野のキーパーソンが今後の海事産業について語る予定。
Sea Japan2024の詳しい情報は公式サイトへ。
12日一般公開/船の内部も見学
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海保測量船「平洋」
12日10時から16時半まで(16時に受け付け終了)東京ビッグサイト横の有明西ふ頭で、海上保安庁の測量船「平洋」が一般公開される。参加費は無料で事前登録は不要。業界関係者以外(18歳未満を含む)も参加できる。
平洋は2020年1月に就役した。総トン数は4000トンで、同庁最大級の測量船。主な任務は日本海や東シナ海などでの日本の海洋権益の確保に必要な海底地質を中心に調査する。
同庁初となる360度に任意の方向に推進力を向けられるアジマススラスターを採用。位置や方位、動揺、気象・海象のデータから自動でプロペラの制御を行い、定点保持の能力が大きく向上したことで精密な海洋調査ができる。また、無人高機能観測装置(USV)を搭載しており、船舶で近づくことが危険な海底火山調査などを安全に実施できる。
マリアナ海溝の深さは約1万900メートルだが、装備するマルチビーム測深機は、最大深度1万1000メートルの海底地形を測定できるなど、さまざまな最新技術を搭載している。
22年の一般公開ではコロナ禍の影響で甲板上のみを順路とした外観展示だったが、今回は船の内部も見学できる。船の操船や見張りを行う船橋や、各観測機器を制御する観測室のほか、順路にある居室や医務室を見学できる。
また、船外の順路上には、前回見学できなかったUSVやAUVの実物も展示しており、観測機器も間近で見学できる。
船名の由来は海洋調査を通じて「平和な海、平穏な海を目指していく」という思いを込めて命名された。