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6月1日は「ねじの日」
6月1日は「ねじの日」。社会において重要な役割を果たすねじを広く発信するため、業界団体の日本ねじ工業協会と日本ねじ商業協同組合連合会で組織した「ねじ商工連盟」によって1975年7月に制定された。6月1日とした理由は、49年(昭24)のこの日に工業標準化法が制定され、日本工業規格(JIS)にねじ製品類が指定されたことに由来している。
付加価値の高い製品を提供
緩み対策製品 多種多様
ねじメーカー各社は多種多様な条件下に合わせた緩み止めねじの開発し、付加価値の高い製品を提供している。緩み対策製品は、多種多様にあるが、雌ねじを活用した製品の中には、ナット上部に特殊な金属板を取り付け、緩み止め機能を付与した製品や二つのナットを上下に重ねて使用することで、ナット間に押し合う力が発生し、締め付け力を安定させるダブルナットなどある。雄ねじでは、ねじ山の形状を工夫したボルトやねじ部に接着剤を付与した製品もある。
メーカーの中には、緩み抑制するだけでなく、作業性向上に貢献するねじ製品を売り出している。特殊なねじ山形状を備えたナットは、ねじ山の谷底に特殊な傾斜のくさび面を施されている。ボルトの山頂がくさび面に当たることで、緩みを抑える。完全に締結されるまでは、くさび面には接触しないため、一般的な六角ナットと同様の力で締め付けでき、締結作業時に余分な摩擦を抑えられる。
また同シリーズの緩み止めボルトは、締結作業時間を同社従来比で約6割短縮できるという。接着剤を使用しないため、接着剤のカスが発生せず、高温下でも使用できる。
安全性だけでなく、作業性向上などのニーズにも対応し、現場の安全と人手不足にも寄与している。
インタビュー
少子高齢化に伴う労働人口減少はさまざまな業界に影響を与えている。政府の2023年版「ものづくり白書」によると、製造業の若年就業者数は、22年の段階で255万人で、20年前の02年と比べ約3割減となり、減少基調が続いている。 企業の人手不足は、ねじ業界も無関係ではない。事業の担い手の育成のためにも、ねじ業界団体の役割も重要だ。そこで、ねじ産業の一大集積地である大阪で、ねじの製造、商業を担う若手事業者団体の代表に団体の役割や活動内容について語ってもらった。
チャレンジ精神を継承
-K-2の役割や魅力とは。
「普段はお客さまと協力会社という関係でも、当会の中ではその関係を取り払って、フラットな関係でつきあいができる。横のつながりができ、職場以外の仲間ができるというもの大きい。当会でビジネスマナーなどを会員同士で教え合えるため、社会勉強になると思う。会員は同じ世代、同じ立場であることが多いので、悩みを相談できる関係も魅力だと思う」
-ねじの事業やK-2に関わるきっかけは。
「中途で入社した当初は会社を引き継ぐという意識にはならなかった。当時の会社の状況を知り、当社の社長のチャレンジ精神や考え方に共感したため、経営面でも関わるようになった。当会への入会は社長から事業継承の勉強のためにと勧められたのがきっかけ。普段職場では取り引きがない人ともつながりができたことがよかった。代表幹事に推薦された際は『K-2は失敗できる場、みんなが助けてくれる』という当会OBからの後押しもあり、引き受けることに決めた」
-本年度の活動と今後の展望など。
「本年度の活動は、6月は物流をテーマにした勉強会を実施予定。8月に非公式でゴルフコンペを企画。9月に会員の旅行会、10月にOS会との合同研修などを予定している。21期まで続いた中、当会はじめて賛助会員が代表幹事になった。この機に新しくチャレンジしていきたいと思っている。今回、女性の幹事をはじめて登用した。女性が働きやすい職場環境などをテーマにした勉強会も企画していきたい。前例があると、次に引き継ぐ人が活動する上で選択の幅が広がると思う。チャレンジできる環境をつくり、次世代に引き継いでいきたい」
【K-2とは】
関西ねじ協同組合の二世会。45歳以下の若手事業者が集う。現在会員数は約40名。2024年度で21期になる。
切磋琢磨できる環境に
-OS会の役割・活動内容は。
「年間行事は6回で、研修や企業訪問、会員の家族連れで参加できる旅行などを企画している。今年10月には、K-2との合同研修を予定している。また11月には東京、神奈川、大阪のねじ商社の若手事業者が集まる交流会NOSTが福岡県で開催予定。4年に1度開催していたが、コロナ禍の影響で1度延期になり、8年ぶりの開催になる。若手会員のためにも、より有益な情報やイベントを提供できるように意識している。現在のイベントの出席率は平均90%と高い数値を実現している。本年度の活動テーマは一新紀元。古きを大切にしつつ新しく改革を進めていきたい。」
-ねじの事業に関わるきっかけは。
「子どもの頃から創業者である祖父と同居しており、子ども心に自分もこの仕事を引き継ぐのだろうと思っていた。当時は、ねじの存在は地味だと思っていた。しかし、入社してから、ねじがなかったらモノが作れず、それだけ社会にとって重要な存在であることを知り、今は誇りを持って仕事している。
当社に入社してはじめに倉庫で出荷・仕入れ業務を経験。その後、総務、仕入れ、営業を経て今に至る。いろんな部署を経験したことでそれぞれの部署の立場なりの苦労を知ることができた。」
-OS会の今後の展望など。
「独立した組織のため、自由度が高いが、まわりの指摘を受けないというデメリットもある。ビジネスマナーの価値観の共有は組織内でしておきたい。また本年度から初の女性会員も入会した。39歳以下であれば性別・立場こだわらず、受け入れていきたい。
今後、コロナ禍の影響で縮小した交流の場を戻したい。イベントの参加率を高め、互いに切磋琢磨(せっさたくま)できるような環境にしていく。」
【OS会とは】
大阪鋲螺卸商協同組合から独立した二世会。39歳以下の若手事業者が集う。現在会員数は23名。2024年度で61期になる。