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関東財務局、関東経済局 地域経済の成長を支援
埼玉県のさいたま新都心には、1都9県の地域金融行政を担う財務省関東財務局と、1都10県の地域産業を支える経済産業省関東経済産業局が拠点を構えている。関東経産局の太田雄彦局長と関東財務局の伊野彰洋局長の両局トップに管内の現状や今後の取り組み、将来の方針などについて語ってもらった。
関東経済産業局長 太田 雄彦 氏
関東経済産業局は、「サポートします!!地域経済」のスローガンの下、イノベーションの創出、中小企業をはじめとする事業者の事業環境整備、エネルギーの安定供給など、地域経済の活性化や健全な発展に取り組んでいます。
足下における関東地域の経済動向は「持ち直している」ものと認識していますが、状況は決して楽観視できるものではありません。現在、経済産業省では、エネルギー価格の高騰や為替動向による影響から事業者を守るべく、電気・都市ガス料金の値引き支援や激変緩和措置として燃料油の卸売価格の抑制のための手当てを行っています。これらに加え、11月頭に閣議決定された総合経済対策を通じて地域経済の持続的成長を後押ししていきます。
なお、地域経済の持続的な成長に向けては、中小企業に賃金上昇の流れを広げられるかが鍵となります。実現のためには、原材料価格高騰等の影響を下請中小企業だけではなくサプライチェーン全体で分担するなど、中小企業の賃上げ原資の確保につながるよう、価格転嫁・取引適正化を推進することが重要です。昨年9月、全国に先駆けて、埼玉県、当局を含む国の機関、経済団体など12機関で締結した「価格転嫁の円滑化に関する連携協定」の取組は、他地域にも横展開され、全国の自治体において同旨の協定締結が進んでいるところです。今後も、自治体や関係機関と連携しながら価格転嫁対策に関する情報提供等に取り組むとともに、下請Gメンによる調査、所管大臣による指導・助言を実施していきます。
また、地域経済は、コロナ禍以前より、人口減少・担い手不足等の構造的課題や気候変動をはじめとした社会的課題を抱えています。当局ではDXやGXなど、様々な分野でのトランスフォーメーション推進を通じて地域企業の稼ぐ力の向上を支援してまいりました。
さらに、近年、廃棄物問題や気候変動問題等の環境制約に加え、地政学的なリスクの高まりといった資源制約の観点から、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が課題となっています。循環経済の加速化に向けては、企業や自治体、大学、消費者など、あらゆる方々の参画が必要です。当省では本年9月に「サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ」を立ち上げ、地域の特徴を最大限に活かした地域循環モデルの創出に取り組んでいます。当局としても、埼玉県などの先駆的な地域と連携し、地域における取組を加速させるなど、資源の効率的・循環的な利用と地域企業の付加価値獲得を促進していきます。
関東経済産業局は、霞ヶ関よりも「現場」の近くにおります。パンデミックが終わり、日常が戻る中、「日本はコロナに勝って、コロナ後に負けた」と言われることがないよう、スピード感を持って地域経済の変革や様々なリスクへの対応を進めていなかければなりません。そのため、職員一同、積極的に現場に足を運び、地域の皆様と一緒に悩み、考え抜く、そうした姿勢を貫きながら、地域企業の稼ぐ力の向上につながる様々な施策を通じて地域経済の活性化に貢献してまいります。
関東財務局長 伊野 彰洋 氏
関東財務局は、財務省および金融庁の施策を実施するため、「地域と歩み、希望ある社会を次世代へ」をスローガンとして、財政、金融、国有財産などの業務を通じて、関東甲信越1都9県における地域の声に耳を傾け、地域の課題解決に貢献していくことを使命としています。
このため、管内の経済情勢を継続的に調査し、これを「管内経済情勢報告」として対外公表するとともに、財務省に報告して財政政策等の企画立案に役立てています。10月25日に公表した同報告では、2023年10月の管内経済の総括判断について「管内経済は、持ち直している」としました。先行きについては、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」としています。
このように、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある一方で、原材料・エネルギー価格等の上昇、人手不足の影響等により、依然として厳しい環境に置かれた事業者が数多く存在し、足元ではゼロゼロ融資の返済開始が本格化しています。これまでコロナ禍での事業者支援は、主として資金繰り支援が中心でしたが、社会経済情勢が変化する中、金融機関においては、資金繰り支援にとどまることなく、事業者の実情に応じた経営改善支援や事業再生支援等を実施していただく必要があります。
財務局では、コロナ禍以降、経済産業局と連携し、都道府県ごとの事業者支援にあたっての課題と対応策を関係者間で共有する「事業者支援態勢構築プロジェクト」の取り組みを推進しており、関東財務局では各都県において、地域の関係者によるセミナーや意見交換会等を継続的に開催しています。これまでに、民間金融機関のゼロゼロ融資の返済本格化を見据え、関東経済産業局との共催により管内の金融機関・支援機関のトップ層を対象とした「事業者支援に関するトップセミナー」を開催したほか、埼玉県では、高齢の中小零細事業者が多く存在する県北部地域を主要エリアとする金融機関を対象に、関東経済産業局、埼玉県事業承継・引継ぎセンターとの共催により、事業承継支援等のノウハウ共有などを目的とした地域セミナーも開催しました。また、関東財務局YouTubeチャンネルにて管内地域金融機関等を対象とした「事業者支援スキルアップセミナー」のオンライン配信等により、金融機関担当者のスキル向上や支援機関との関係強化に取り組んでいるところです。引き続き、地域金融機関との対話で把握した、事業者支援を行ううえでの課題等も踏まえながら、関東経済産業局や地域の関係者との連携を深化させ、本プロジェクトの取り組みを発展させていきます。
コロナの後の地域経済をどのように元気にしていくかが重要と考えており、地域の方々の声をよく聴きながら、地域の課題解決に貢献できるよう、各種施策に取り組んでまいります。


