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埼玉県有力企業
わが社の戦略
新報国マテリアル/スピード重視で現場力を高める
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代表取締役社長 成瀬 正 氏 -
三重工場での注湯作業
―最近注力していることは。
「2025年は、米国による関税の発動や地政学的リスクが高まるなど、さまざまなことがあった。そのような環境下において、短期的視点にのみとらわれるのではなくやるべきことは中長期的視点に立ってしっかりやらなければならないと考えている。例えば値上げに対しても、大変ありがたいことに取引先には理解をもらいつつ価格適正化に取り組んでいる。また長年努力してきた研究開発や新しい分野への投資、必要な設備への投資はおしまず継続し、ベース事業を安定して続けながら新しい取り組みへ進出したいと考えている。具体的には、これまで問題とならなかった長期使用中の熱膨張変化について産業技術総合研究所(産総研)と5年以上にわたる共同研究の結果、汎用材では1年で数ppm(1ppmは1mの素材が1μm伸びる)程度寸法変化するが、当社材はほとんど寸法変化しないことが立証され、主力製品『インバー合金』の確かな信頼性の一つとして、さらなる普及の後押しになればと考えている。ほかにも益々ニーズが高まるゼロ膨張インバー合金の差別化に必要な高精度熱膨張測定の実現に向け、昨年12月にレーザー干渉式熱膨張測定器を新たに導入し、ゼロ膨張ガラスで求められる測定精度を目指して既に戦力化している」
―年始の社長方針では『現場力を強める』ことを大きく打ち出しました。
「品質改善・納期短縮・コストダウンという基本・原点に立ち返り、現場力と技術力の底上げを図りたい。昨年は三重工場に勤務する全社員と面談を行った。そこでは日頃社員が考えている事や会社として必要な改善部分など様々な生の声を聞き、自分からも当社の今後の方針などを話した。沢山の収穫があったが中でもコミュニケーション(風通し)を良くすることの重要性を感じた。上司と部下の間でも、お互いの仕事をリスペクト、尊重した上で本音で議論し、それぞれの役割(機能)を果たして欲しい」
―誰もが“挑戦しやすい”環境作りも大切ですね。
「社員の働く環境や生活も会社にとっては大事だ。三重工場の暑熱対策は昨年鋳造現場を中心に冷房機を設置したが、本年は新たに仕上職場や熱処理工場にも暑熱対策を実施する。本社でも全社員との面談を予定し有意義な時間になることを期待している。失敗しても良いからやってみよう、と一人一人が挑戦し、全社一丸となって『スピードを上げる』ことを意識した1年にすることが目標だ」
【企業データ】
▷所在地=埼玉県川越市新宿町5の13の1、049・242・1950
▷資本金=1億7550万円
▷従業員数=約100人
▷設立1949年(昭24)10月
▷URL=https://www.shst.co.jp/
久保井塗装/限りある資源を生かす新工場
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代表取締役 窪井 要 氏 -
チームで新工場の生産工程を検証する
―新工場が2026年4月に稼働を開始します。
「新工場は、『限りある資源を大切に使うモノづくり』をテーマにカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー(循環社会)を意識した構成になっている。2026年3月に完成予定で、ロボットやAI(人工知能)の活用により省力化や活人化などを進め、使用エネルギーを極力抑えた製造ラインとなる。また、一般的な屋上設置だけでなく西陽が当たる壁面にも太陽光パネルを設置し、新工場で使用する電力のおよそ3分の1を賄う。工場内の主要生産設備に取り付けたロガーやセンサで消費電力や温湿度の変化を「見える化」し、太陽光による自家発電と上手なエネルギーマネジメントにより従来工場の半分程度まで外部からの電力購入の抑制を目指す」
―「超高塗着塗装システム」の活用や省人化の具体的な対策は。
「製造ラインは成長型中小企業等研究開発支援事業(Go―Tech事業)の支援で開発した『超高塗着塗装システム』を実装する。自動車を中心としたプラスチック小物部品(金属も塗装可能)に使用するエア霧化塗装で、塗着効率85%で高品質な塗膜を実現したシステムだ。研究開発で検証した膨大なデータを活用して製造工程の高効率化を図るとともに、ロボットとAIを組み合わせた自動検査装置を導入し、検査工程でも省人化と時短を実現する」
―工場拡張による人員体制は。
「全員参加で4つのカイゼンチームが活動しており、工場の動線整理やタクトタイム短縮、活人化といった成果を積み上げてきた。新工場での生産工程のシミュレーションにも取り組んでおり、このチーム活動が生産性を大きく向上させられる工程手順を編み出した。これにより新工場の立ち上げに当たって、人員確保に悩まされることなく新工場の立ち上げができる見通しだ。また、既存の生産ラインでは新たに防衛庁関連の製品などを手掛けていく予定だ」
―新たな塗装技術の開発も進めています。
「『鶏舎・豚舎や医療機関など実効果が必要な現場のための抗ウイルス塗装の開発』が、25年の9月にGo―Tech事業に採択され、新たに研究開発を開始している。東京農工大学や大手食品メーカーなどと連携して開発を進めており、エビデンスに基づいた技術開発を追求する。鳥インフルエンザや豚熱ウイルス(CSFウイルス)など家畜の感染症は農家経営の圧迫などを招き、社会的な課題となっている。当社の技術開発で被害の軽減に貢献していきたい」
【企業データ】
▽所在地=埼玉県狭山市中新田1083の3、04・2958・5763
▽資本金=5300万円
▽従業員数=約20人
▽設立=1965年(昭40)1月
▽URL=https://www.kuboitosou.co.jp/
シタラ興産/レガリア完成間近、埼玉県密着の企業へ
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代表取締役 設楽 竜也 氏 -
8月の完成に向け着々と準備が進むレガリア
―一般・産業廃棄物焼却処理施設「レガリア」の完成を間近に控えます。
「現在、埼玉県深谷市に建設中の『レガリア』の準備は着実に進んでおり、今年8月末には完成の予定だ。足かけ10年近い準備の年月がかかった中で、新たな施設への経営面での期待はもちろんあるが、何より『諦めずに夢を追ってきて良かった』という思いでいっぱいだ。やはり準備期間中は、前に進んでいると思う日と足踏みしているのではないかと不安になる日が交互にやってきていた。それでも、レガリアを絶対に建設する、少しの妥協もしないという考えをぶらさなかったため、形になるまで持ってこられたと思う。併せて周りの協力もあったからこそで、120億円のシンジケートローン(協調融資)を組み支援して頂いた金融機関には、企業として成長する姿を見せ『支援をして良かったな』と思ってもらえるようになりたい。地元の住民へは4回ほど施設建設に関する説明会を開いたが、批判は無くむしろ応援の言葉を直接かけて貰い嬉しさもひとしおだった。さまざまな方の応援にしっかり応えた、困った時に役に立つ施設にしていく所存だ」
―社内の大きな期待も背負っていますね。
「自分自身、20代の頃は先代の社長(父)が輝けるように支える一心で必死に仕事をしていた。ただ自分が社長に就任し立場が変わると、周りにずっと付いてきてくれた社員がいることを改めて実感し大きな感謝が生まれてきた。さらに、社員が過去に起こった災害時やコロナ流行時に、それに携わる廃棄物を率先して処理をしたいと言ったことがあったが、不燃物専用の選別施設であるサンライズFUKAYA(深谷市)を活用しつつも、キャパシティ的に処理ができない自体が発生した。そういう経験もあり、やる気のある社員が存分に仕事の出来る施設として、日量最大230トンの廃棄物を焼却し、生まれた熱を回収して毎時3200キロワットの電気を作れるレガリア誕生に大きな期待がかかっている」
―今後の展望は。
「まずはレガリアが完成し軌道にのることが目標。自分のやりたいことに皆が賛同してくれたことを胸に高い付加価値を持った、役に立つ施設にしていきたい。2035年完成を目指す第3の施設の構想も進め、行動に移していく。深谷市だけでなく埼玉県を代表する廃棄物処理の企業として認知してもらえるよう会社のステージアップを一層図っていく」
【企業データ】
▷所在地=埼玉県深谷市折之口1788の1、049・574・0310
▷資本金=1000万円
▷従業員数=約115人
▷設立=1990年(平3)4月
▷URL=https://www.shitara-kousan-group.co.jp/
