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あすを創る埼玉の代表企業と製品
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共同技研科学 代表取締役会長 濱野 尚吉 氏/設備増強が完了、新工場も開設急ぐ
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共同技研科学 代表取締役会長 濱野 尚吉 氏 -
設備増強や拡張を続々進める富岡工場
—本社と富岡工場(群馬県富岡市)の両方で設備増強をしました。
「本社工場に無溶剤型防水気密テープや養生テープの製造ラインを、富岡工場にコア技術の分子勾配膜両面テープの製造ラインを導入し稼働を開始した。本社工場では溶剤型粘着剤を使わない無溶剤型の、サッシ周り・床周り・開口部の防水、基礎土台部の目地防水や基礎部の目地防水などの用途で使われる防水気密テープや養生テープを製造する新ラインを稼働させている。このラインは事業継続計画(BCP)対策で数年前に導入していたモノだ。製造工程内の硬化の方法の変更や、樹脂の塗り方を工夫するなどして製造の効率化も同時に図る」
「富岡工場では、強接着性・高耐熱性・耐ブロッキング性などの特徴を持つ分子勾配膜両面テープの新ラインを設けており、既存ラインに新ラインをくっつける形で構築した。また、特許技術を使いテープを3層同時に塗ることで工程の効率化および層の境目が曖昧になることで化学平衡が発生し、テープ強度が2—3倍になる。また、バリが出にくくなるためバリ取りや金型の手入れの手間が省け工程集約にもつながる。新ラインが加わり、生産能力は2割増える見込みだ」
—新工場建設の進捗具合は。
「既存の富岡工場の隣接地を購入し、新工場の建設を進めている段階だ。新工場では主に後工程を行い、最終仕上げの工程を一元化するなど合理化することで、ボトルネックの解消につなげたく考えている。また、限られた人材が活躍できるよう、マンパワーも効率的に回せたらと思う。そのため、工場のレイアウトも工夫していて、既存工場とドッキングすることで小ロット発注など臨機応変に対応できる受け皿の広い工場にしたい」
—今後の研究開発の予定を教えて下さい。
「やはりこれからは、無溶剤の分子勾配膜の開発を進めたい。米国では約50年前から無溶剤が主流になっている中、当社では60%の溶剤を削減した環境に良い製品を生み出す予定だ。また、コア技術であるメタピアンを使った水素の漏れない薄いフィルム(封止材)をSPACE WALKERと共同研究中で、将来的な実用化も目指している」
【会社情報】
▷所在地=埼玉県所沢市南永井940、04・2944・ 5151 ▷資本金=5000万円▷従業員=80人▷創立= 1979年(昭54)▷URL=https://www.kgk-tape.co.jp/
ネツシン 代表取締役社長 今村 友亮 氏/唯一無二の技術力で新たなセンサー誕生へ
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ネツシン 代表取締役社長 今村 友亮 氏 -
極小製品で精度の高さを発揮(米粒と比較)
—昨今の景況感は。
「当社は半導体の露光装置やチラーなどに多く使われる『白金抵抗温度計』を主力製品として手がけており、市場景況に対する正直な感想は、まずまずと言ったところだろう。コロナ禍で発生した部品不足による過剰在庫が原因で、取引先は現在も在庫調整が続いている所も多い。特に半導体業界の動きが鈍く、また中国市場も住宅バブルの崩壊により国内景気の悪化が伴い、決して良い状態とは言えない。ただ、予測では2025年秋から26年春に向けて大きな動きが出てくるのではないか、と見ている。23年に稼働開始した新棟もあるため、需要の大きな山が来た際には、しっかり対応ができる準備は万端だ」
—高い技術力を生かした新製品開発も進めています。
「現在、新たなセンサーの開発発表が間近に迫っている。主に半導体のシリコンウエハーの表面温度を計測するために使われる予定で、開発部隊が話し合いを重ねている。当社の製品の強みは、精度・安定性・再現性の高さにあり定評も得ている。さらに最近は極小の素子が増えており、微細なセンサーも同時に求められているため、培ってきた技術力を生かし“ネツシンにしかできないもの” をより追求していきたいと考えている」
—社員の高い定着率も強みの一つですね。
「とにかく真面目で、勉強熱心な人材が多いのが特徴だ。11年前、自分が社長に就任してから社内改革を少しずつ進めてきたが、その一つに組織作りを進めてきた。社員とのより良いコミュニケーションを皮切りに、正社員登用制、現場の自動化を進めることによる残業ゼロの実施、男女問わない育休取得の推進などを行った結果、定着率の向上に併せて親族同士で紹介し合っての入社なども相次いでいる。『企業は人なり』を胸に企業づくりを進めていく」
—来期に掲げる目標は。
「まずは新製品の発表を行うなど、ニーズがあるセンサーを作れるように種まきをして、売り上げ高も現状くらいを目指せればと考えている。また、やはり社員が毎日楽しく出勤し仕事ができるような環境や雰囲気作りを心がけたい。社員を大事にしてこそ企業の発展はあると確信している」
【会社情報】
▷埼玉県入間郡三芳町上富2079の7、049・ 259・0101▷資本金=4800万円▷従業員= 115人▷設立=1971年(昭46)▷URL=https://netsushin.co.jp/
大槇精機 代表取締役社長 大町 亮介 氏/高い技術力・開発力で変化を遂げる企業へ
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大槇精機 代表取締役社長 大町 亮介 氏 -
高い技術力と開発力を持つ社員が事業を支える
—昨今の四輪・二輪車の市場やとりまく環境をどう見ていますか。
「ここ5年ほどで電気自動車(EV)や水素自動車に関する開発やさまざまなスピードが加速したと見ている。併せて欧州地域から始まった、環境に配慮したビジネスへの取り組みも今や当たり前になっている。そのような事を踏まえても四輪・二輪に関係する企業は、細分化してやることが増えた印象がある。だが人員が大きく変わらないため、加速する部分と鈍化する部分が混在する傾向にあると思う。それでも倒れない企業にするには技術の転化や進化など変化をしないと追従していくのは難しいだろう。中小企業が世の中の変化や波について行くには、事業や製品、技術ともに選択肢を複数持っているべきだ」
—製品の受注状況に変化がありました。
「当社は二輪の試作を中心に長年事業を展開し、昨今は航空宇宙や防衛関係の仕事も手がけている。航空宇宙ではロケットの一部分に関わり、従来は2週間など短納期の仕事が多かったが、4年後の納品を目指す長期間のモノづくりの受注が来るようになった。技術力の向上や築き上げてきた信頼を基に新たなステップへ進むチャレンジをしている」
—社員の殆どが一級技能士以上という高いレベルですね。
「“想像を創造する技術者集団”をモットーに、とにかくモノづくりが好きな人間が集まっている。その中で、さまざまな注文や時には無理難題にも応えることで技術力と開発力も磨いてきた。技能士の資格取得のための試験料、取得後の手当支給など一般的な福利厚生はあるが、基本的に技術向上の勉強は社員自ら積極的に行う良い環境ができており、人材も各世代揃っている。さらに2024年に事業を引き継いだ鋳造事業もシナジーが生まれており、好調だ」
—今後の展開は。
「最近、AIチャットボット『AI大町社長くん』を社内で導入した。自分(大町社長)扮するアバターに簡単な業務の質問や相談などができ、新たなコミュニケーションの一つとなっている。これをきっかけに社員にもAIに触れ、慣れて貰い将来的に社内業務に具体的に活用できたらと思う。また新工場の建設も段階的に進める予定だ」
【会社情報】
▷所在地=埼玉県朝霞市膝折町4の8の45、048・462・0832▷資本金=1000万円▷従業員=35人▷創業=1960年(昭35)▷URL=https://disn.co.jp/
小島化学薬品 代表取締役社長執行役員 津布樂 志門 氏/新体制で挑む環境対応と企業成長
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小島化学薬品 代表取締役社長執行役員
津布樂 志門 氏 -
環境に優しい経営を心がける
—化学✕貴金属で幅広く事業を展開しています。
「当社は、貴金属リサイクル、貴金属薬品、貴金属めっき薬品を柱に展開している。電子部品メーカーから排出されるスクラップより貴金属を再生し、それを原料に工業薬品やめっき薬品を製造。創立116年という長い歴史の中で培ってきた技術力や取引先との厚い信頼関係を強みに、事業を継続してきた。特にリサイクル事業に関しては設立当初から取り組んでおり、昨今話題になるサーキュラエコノミーの循環を半世紀以上前から確立し、お客さまとともに実践し、提案してきた点が特徴だ。また、リサイクルの前処理に用いる焼成設備ではカーボンオフセット都市ガスを使用し、燃料由来のCO2を実質排出しない焼成を実現している。こうした環境負荷を考えた設備投資を昔から行っていることも、注目して貰いたい」
—需要の動向は。
「貴金属のニーズは、今後も幅広い産業で高い水準を維持すると考えている。技術の進歩で使用量は減る傾向だが、自動車や電子、医療、IT分野に加え、AIの進化に伴うデータセンターなど、需要は拡大している。こうした動きを踏まえると、貴金属を必要とするお客さまの需要は今後も伸びていくと感じる」
—6月に新社長に就任しました。
「入社以来、長くリサイクル事業に携わってきたが、直近では管理部門にも関わり、会社全体を見渡す経験を積んできた。もともと公害関連の資格取得や、環境関連の知識習得などに取り組み、役員になってからは簿記資格も取得するなど、常に学びを業務に生かしてきたつもりだ。今後は専門分野にとどまらず、会社全体を見据える立場となるが、社員と力を合わせ、より一層の成長を目指していきたいと考える」
—今後の予定や展望はありますか。
「具体的には新たな焼成設備の導入を検討しており、これまで対応しづらかったリサイクル品も受け入れられる体制を整えたいと考えている。企業づくりの面では、社員一人ひとりの長所を活かし、短所を補い合える組織を目指すとともに、従業員が安心して働ける職場環境の整備にも力を入れていく」
【会社情報】
▷所在地=埼玉県狭山市柏原337の26、04・2953・9231▷資本金=9500万円▷従業員数=212人▷創立=1909年(明42)▷URL=https://www.kojimaーc.co.jp/
