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立地するなら埼玉へ/令和6年度 埼玉県企業立地セミナー in 東京
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会場では47社95人が参加、ライブ配信も行った
埼玉県は10月17日、「埼玉県企業立地セミナーin東京」を御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区)で開いた。大野元裕知事が県の立地環境や企業誘致施策を説明。大学院大学至善館教授のピーターD・ピーダーセン氏が「サステナビリティメガトレンドと企業イノベーション」と題して講演した。その後、小野塚勝俊所沢市長、飯島和夫川島町長、宮崎善雄吉見町長が地域の魅力や開発中の産業団地をアピールした。セミナーはオンラインでもライブ配信し、会場では47社95人、オンラインでは182人が参加した。
大野 元裕 知事/立地後・操業後も全面サポート
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大野 元裕 知事
埼玉県は関東一都六県の中心に位置し、面積は3798平方キロメートルで全国39位と比較的小さな県だが、人口は734万人超と全国5位につける。観光名所としては、秩父市の「芝桜」や、川越市の「蔵造りの街並み」などが有名だ。さらに「越谷レイクタウン」(越谷市)などの大型ショッピングセンターは県内外から多くの人が訪れる。交通の便にも優れ、JR東京駅から県庁所在地の浦和駅まで25分、また県北部であっても東京都心部から約1時間の距離にある。
埼玉県の強みは大きく3つ。一つ目は首都圏の交通の要衝であること。東京までの鉄道アクセスが良く、羽田空港と成田空港も90分程度の距離にある。高速道路は圏央道や東北道、関越自動車道、外環道など張り巡らせている。
二つ目は、安心安全な企業活動の確保。埼玉県は全国でも自然災害が少ない県で、人的被害を伴う地震111件中、埼玉県を震源とする地震は1件のみ。快晴日数が全国1位のため、冬の雪害などのリスクも少なく、交通網の寸断被害もない。
そして三つ目が効率的なビジネスを展開できる環境があることだ。人手不足が課題となる中、総人口は全国5位、生産年齢人口も総人口の61・1%を占め、全国で4番目に高い。
これらの強みのほか、次世代産業の集積地としての利点もある。圏央鶴ヶ島IC近接地にロボット開発の支援拠点「SAITAMAロボティクスセンター(仮称)」を2026年度に開所し、企業や大学、研究機関が集う見通しだ。
立地企業への支援策として、県では新たに土地を取得して工場などを操業した企業に対し、納付した不動産取得税に相当する額を補助金として交付している。誘致活動の支援体制として「ワンチームRich埼玉」を構築し、立地前後で「埼玉Rich応援団」が支援するほか、「埼玉Richリンク」として立地企業同士のネットワーク作りを推進する。さらに、立地後・操業後も市町村などと連携して人材採用、事業拡張などの相談に応じる。企業活動を全面的に支援するので、ぜひ埼玉県への投資をお考えください。
ピーターD・ピーダーセン 氏/「トリプルA」を組織に浸透
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ピーターD・ピーダーセン 氏
現在、企業や組織は「環境要因」「人口減少」「技術発展」の三つのメガトレンドに直面している。これを踏まえ、サステナビリティ・イノベーションを実践するためのアプローチを紹介する。
不確実性の高い時代だからこそ、しなやかで強い組織をいかに作るかが経営の最大のテーマ。その鍵を握るのが、優れた組織を示すトリプルA・・・Anchoring(アンカリング)、Adaptiveness(自己変革力)、Alignment(社会性)を実現することだ。これらを組織で浸透させ現場に落とし込むことが強さとしなやかさを支える基盤となる。
まず「アンカリング」においては、組織の求心力になるもの、パーパスを浸透させられているかどうかを意味する。次に「自己変革力」は、自ら変わり続けられる組織であるかどうかを意味する。日本の組織に必要なのは、いろいろな人からアイデアを引き出してイノベーションを仕組み化することだ。それを阻害している要因の一つが年功序列制。上司に意見できない環境はイノベーションを起こしにくい。年功序列制は廃止したほうが良いだろう。
最後に「社会性」は、時代の方向性・社会に、組織のベクトルを合わせることを意味する。なぜ日本企業で不祥事がどんどん起きるのか。これは組織での絶対的なルールよりも、その現場にいる上司など人間関係の圧力に屈するからだ。何より大切なのは誠実性。「お日さまが当たらないところでも絶対にうちの会社は不正しない」意識を持つことだ。
企業は社会的責任を果たし社員の幸福や健全性を考慮した経営をすることが求められている。企業の発展と従業員の幸せを補完する「トレードオン」である必要があるのだ。企業の成長と社会的責任、社員の幸福が同時に実現できる好循環を作り出すことが重要な指針となる。全方位的での「トレードオン」を北極星にして経営していくことが今後ますます重要となるだろう。
小野塚 勝俊 所沢市長/豊富な働き手と災害に強いまち
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小野塚 勝俊 所沢市長
所沢市は人口約34万人、そのうち生産年齢人口が約21万人。関越自動車道の所沢IC、圏央道の入間ICの二つのICが利用できるなど東京都心や空港へのアクセスが良好で、豊富な働き手と充実した交通インフラが整っている。
災害に強いのが特徴の一つ。武蔵野台地の上に位置して地盤が固く起伏が少ない地形で、かつ大きな河川がないため氾濫や水害が少ない。住宅情報誌の「スーモ」が実施した1都3県の「災害に強い街」ランキングでは、1都3県で所沢市が1位となった。事業継続計画(BCP)の観点からも安心な街といえる。
緑が多く活気もある。地域に占める緑地などの緑の比率は約43%に上り非常に住みやすい環境だ。また観光資源も豊富で、埼玉西武ライオンズの本拠地である「ベルーナドーム」、大型文化複合施設「ところざわサクラタウン」が立地。さらに今年9月には、年間1200万から1500万人の来場を見込む大型商業施設「エミテラス所沢」が開業した。
所沢市としては約15年ぶりの工業団地の拡張事業である「三ケ島工業団地周辺地区」は、区画整理を実施する24ヘクタールのうち17ヘクタールを産業用地として開発し、2026年頃に販売する予定だ。国道16号、国道463号に隣接し、交通の便が良い。新規立地した企業には障害者雇用に対する支援や設備投資に関する支援など多岐にわたって実施する。
特に企業立地支援奨励金においては、新たに立地した製造業や情報通信業、自然科学研究所などの業種の企業に対し、いったん納めた固定資産税、都市計画税を翌年度以降に奨励金として交付し、事実上3年間分を返金する制度を実施中だ。
23年10月に三ケ島工業団地周辺地区は市街化区域に編入し、土地区画整理事業が本格的に始まった。
建設可能時期は26年度以降を予定しているが、立地相談は随時受付中のため、興味のある企業の皆様からの連絡をお待ちしている。
飯島 和夫 川島町長/水と緑と活気にあふれたまち
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飯島 和夫 川島町長
川島町は、四方を川に囲まれ、稲作を中心とした農業により発展してきた歴史のあるまちだ。
1972年の町制施行後は、教育、文化、スポーツ、福祉などの社会基盤施設の整備を着々と進めるとともに、企業誘致などの産業振興にも力を注いだことにより、水と緑と活気にあふれたまちとして成長を続けてきた。
特に、86年の国道254号バイパス開通、08年の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)川島ICの供用開始などによって、本町の企業立地ポテンシャルは現在も高まりを見せており、既に操業している川島インター産業団地や三島地区等インターチェンジ周辺を中心とした産業団地は、本町の産業振興に大きく寄与してきた実績がある。
現在は、新たにIC南側地区29ヘクタールの開発計画の実現に向け、関係機関と鋭意調整を進めている。
本町の構想では、その後に続く40ヘクタールの開発を含めて69ヘクタールの産業団地形成を目指しており、実現した際は、正に埼玉県内でも随一の規模となる。
本町は、埼玉県のほぼ中央に位置しており、近接する関越自動車道や圏央道の全線開通により、関越自動車道の練馬ICから約25分、東京都千代田区の霞が関からも約1時間と、首都圏とのアクセスが飛躍的に向上している。
また、隣接する地域を含め商業・医療施設等も充実していることから、企業活動だけでなく、暮らしやすい環境にも恵まれていることが強みだ。
企業のみなさまには、圏央道川島IC周辺に斉整と産業団地が立ち並ぶ人工美と、水田や四季折々の花々が見せる自然美が調和した本町の魅力と発展性をご理解いただき、ぜひ本町への企業立地をご検討いただきたい。
結びに、企業立地にあたっては、進出前のご相談段階から進出後のアフターフォローに至るまで、企業のみなさまのニーズに応じて全面的にサポートさせていただくので、お気軽にご相談ください。
宮崎 善雄 吉見町長/立地・環境・サポート「よし」
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宮崎 善雄 吉見町長
吉見町は人口1万8000人で、稲作とイチゴの生産が盛んだ。特にイチゴでは、埼玉県内で生産量1位を誇る。さらに県が開発したオリジナル品種の「あまりん」、本年から一般流通が開始した品種「べにたま」も栽培している。甘みは当然のことながら非常に爽やかな酸味が特徴だ。さらにタレントの若槻千夏さんは吉見町出身で、2022年度に町制施行50年を迎えたのを機に、ふるさと大使に任命した。全国で吉見町について発信していただいている。
吉見町は県企業局と連携し、「大和田地区産業団地」を開発中だ。面積は約16・6ヘクタール、造成完了は26年度を予定している。土地造成、道路、上下水道のインフラ整備を今後順次実施していく。
今回、「吉見町の立地がよし」と題し、三つの「よし」を紹介したい。まず一つ目が交通アクセス。関越自動車道、そして圏央道のICにもほど近く、関東近県はもとより南北にも東西にも移動しやすいアクセスの良い環境にある。今後はさらなる道路交通網の整備を予定しており、関東近県に工場拠点などを検討中の企業にとっては非常に良い立地環境といえる。
二つ目は、安全安心な環境。「首都直下型地震」では首都圏を中心に最大震度7の揺れが想定されているが、吉見町では震度5程度が想定され、東京都と比較して小さな揺れで収まる予想だ。首都直下型地震の影響が少ない拠点として、また都心のバックアップの役割を担う拠点として企業の安心安全につながるものと考えている。
最後は、サポート面だ。吉見町は立地した企業を応援するため、2種類の奨励金を用意している。企業立地奨励金では取得した土地や家屋などの固定資産税相当額を年次に応じて3年間交付、雇用奨励金では従業員1人につき10万円交付する。町が一丸となり全力でサポートする。吉見町のまちづくりのテーマ「未来へつなぐ みんなで 安心して暮らせるまち よしみ―20年先への種まき―」を、ともに築いていただける企業の皆さまの進出を心よりお待ちしている。
