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樹脂コンベヤーベルト
樹脂コンベヤーベルトは一般に帆布などで作られた心体に、ポリウレタンや塩化ビニールでできたカバーを積層した構造。樹脂の材質や積層する帆布の枚数を変えることで、用途に合わせてさまざまな機能を付与できる。また軽く柔軟で清潔さを保ちやすいため、軽搬送の分野で欠かせない存在だ。主に食品加工ラインや物流施設の軽貨物搬送などの現場で多く採用されている。メーカー各社は用途に合わせた製品開発ときめ細かなサポートでユーザーのニーズに応えている。
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用途に合わせた製品を紹介(三ツ星ベルトのブース=2025モバックショウ)
樹脂コンベヤーベルトの主な用途先の一つである食品業界では、食の安全・安心のための衛生管理が重要視される。メーカー各社は製造現場の衛生管理をサポートする製品を多数展開している。
例えば、衛生面への対策として、抗菌・抗カビや耐次亜塩素酸ナトリウムの要望に応える性能を備えた製品を提供。食中毒の防止に貢献する。異物混入への対策としては、糸ほつれやすり込み収縮を防ぐ特性を持つ製品を提供。異物混入を防ぎ、ベルトの長寿命化につながっている。
また、とあるメーカーは製品導入後も定期的な点検を行い、トラブル防止やベルト取り換えの計画的な準備を提案。ユーザーの安定的な操業をサポートする。ほかにもウェビナーの開催やメールマガジンなどの発信を通じてユーザーの満足度向上に努めている。
グリップ力高め荷滑り防止
一方で、物流施設では電子商取引(EC)市場の拡大に伴い、効率化や省スペース化への要求が高まっている。施設の限られたスペースを有効活用するため、搬送ラインでは水平搬送ベルトと傾斜搬送ベルトを組み合わせて使うケースが多い。
このうち傾斜搬送では搬送物の荷滑り対策が重要となる。メーカーはベルト表面に凹凸のある模様を施し、グリップ力を備えている。ただ、グリップ力は汚れの付着や表面の摩耗によって、低下する場合がある。メーカー各社は性能の持続性を高めるべく製品開発に力を注ぐ。
あるメーカーはベルト表面の模様を工夫。V字型を連ねた模様により、ホコリが模様の凸部分に堆積するのを抑える。別のメーカーはベルトの裏面にカバーを備え、重量物の搬送にも対応。グリップ力の長寿命化を図っている。