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樹脂コンベヤーベルト
樹脂コンベヤーベルトは軽量物の搬送に使用され、食品工場や物流施設などで現場作業の効率化に貢献している。電子機器向けでは精密部品の搬送を支えている。各メーカーはユーザーの作業環境をとらえたベルト開発を推進。付加価値を高めるモノづくりで、新規需要の創出、更新需要の増大に取り組んでいる。
ニーズ対応、進化・工夫続く
樹脂コンベヤーベルトは帆布などでつくられた心体に、ポリウレタンや塩化ビニールでできたカバーを積層させた構造。各用途に適した特性を施し、導入分野を拡大してきた。電子部品向けには、帯電防止ベルトを提供し、半導体やプリント基板などの静電気対策のニーズに応えている。併せてベルトは継ぎ目のない構造で、段差やめくれがなく精密部品の搬送で威力を発揮している。
特にさまざまな仕様の製品を備えているのが食品工場向けだ。食の安全が事業の継続に直結する業界にあって、搬送用ベルトにも万全の衛生対策が欠かせない。製造ラインでは多様な搬送物の〝状態〟を保ちながら、生産性向上に役立つ工夫が行われている。
衛生面の対策ではベルト表面を鏡面のようにして搬送残留物を拭き取りやすくし、洗浄しやすくしたタイプを提供。これに施設内の湿気が食中毒の発生につながらないよう、未包装食品の搬送などに抗菌・抗カビ仕様を付加して提供している。
衛生対策と連動する洗浄作業にも工夫が凝らされている。食肉や水産物の搬送など、ベルトの洗浄が頻繁な用途では、帆布がないポリウレタン単一素材のベルトがある。水分や臭いを吸収しにくい素材のため、簡単に洗浄できる。水や洗浄剤の削減、洗浄時間の短縮でも利点がある。
異物混入対策では、ベルトの耳ほつれ防止仕様に加え、光透過性ベルトや、視認性の高い青色系を使ったベルトの提供を通して、現場での確認作業をサポートしている。
製造ラインでは各種搬送物に対応した仕様のベルトをそろえる。米飯やもち米などの粘度の高い搬送用途には非付着性の特性を持つベルトが貢献。メーカーの中にはベルト表面に、しゃもじ形状をさらに施して離型性の良さを訴求した製品を用意しているところもある。非付着性に特化した仕様や、耐湿熱性・耐薬品性に優れたものもある。
ハンバーグなどの製造工程では耐浸透性ベルトが採用されている。特殊なフッ素樹脂をコーティングして、ベルトへの油の浸透を防止。搬送物の離型効果の維持・向上に役立てられている。
また、主要メーカーでは、海産物や食肉、パンなどの搬送向けに低収縮性ベルトを提供している。搬送物の塩分、油分、粉などのベルト裏面へのすり込みのほか、熱水洗浄によって、ベルトが波打つような収縮を起こす場合がある。これらはベルト裏面に特殊な帆布などを採用して収縮を防ぐといった対応がとられており、ベルトの長寿命化にもつながっている。
現場の作業効率の向上に向け、新たなベルト提案にも力が注がれている。ベルト表面にレーザーでマーキング加工をした製品を開発したメーカーもある。これは搬送物を置く目印として、パンや菓子生地などの位置決めやピッキング作業での使用に適している。
製造現場の人手不足が加速する中、食品工場も省人・省力化、自動化などの対応が急がれている。それだけに樹脂ベルトにおいては今後も、自動化や生産性・作業性の向上といったニーズに応える製品の開発・改良が欠かせない状況となっている。