資格・検定試験

　２０２５年も残すところあとわずかだ。２６年の目標として、ぜひ資格の取得を勧めたい。教育訓練給付制度は２４年１０月の改正により、利用者にとってさらに有利な内容となった。新たな資格・検定試験に挑戦してキャリアアップを目指そう。

日刊工業新聞2025年12月22日掲載

　国や商工会議所、業界団体などが実施する資格・検定試験は、「国家資格」「公的資格」「民間資格」の三つに分けられる。国内では国家資格だけでも３００以上の資格が存在し、公的資格や民間資格を含めると数千もの数があるとされる。

　国家資格は法律に基づき、国から委任を受けた機関や団体、地方自治体により与えられる。各種分野の能力、知識が一定水準に達していることを国が認定する。

　有資格者以外が携わることを禁じられている業務が行える「業務独占資格」、特定事業を行う際に規定割合以上の有資格者の設置が義務づけられている「設置義務資格」などがある。

　公的資格は公益法人や民間団体が試験を実施し、経済産業省や文部科学省などの官庁や商工会議所が資格を認定する。

　いったん取得した資格は公的に通用し、国家資格に準ずる資格として一定レベルの能力があることが保証される。

　民間資格は民間団体や企業が独自の審査基準を設け、任意に認定する。近年では、危機管理やエネルギー関連、データ分析など、時代の要請にタイムリーに応える資格も生まれている。

　中には国家資格や公的資格と同様に、知識や技術が習得されているものとして、社員の待遇向上に反映される資格もある。

　自己啓発としてスキルアップを狙い、自らの意思で難関な資格を目指すビジネスパーソンもいる。こうした主体的な取り組みを支援し、雇用の安定を促進するために、厚生労働省は「教育訓練給付金制度」を用意している。

　給付金の対象となる教育訓練は、３種類に分けられる。一般教育訓練は本人が支払った受講費用の２０％（上限額１０万円）が支給され、特定一般教育訓練は５０％（上限額２５万円）、専門実践教育訓練は８０％（年間上限額６４万円）が支給される。

　厚労省のホームページでは専門実践教育訓練と特定一般教育訓練の指定講座が公表されている。