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精密加工機械
自動車産業の電気自動車(EV)化や、半導体需要の高まりから、製造業では従来よりも高精度で複雑な加工の要求が高まっている。また、大量生産から多品種少量生産へとニーズが変化しつつあり、市場では小型で高精度かつ工程集約を実現する加工機を求める声も多い。こうした背景から、工作機械や周辺機器、工具メーカーなど各社は技術力向上の取り組みを加速させている。中でも日本精密機械工業会(日精工)は高精度加工を実現する製品や技術を持つ企業で構成されており、日本のモノづくりを支えてきた。
日本精密機械工業会
受注、前年比19%増 広い分野で導入進む
日本精密機械工業会(日精工)がまとめた2025年の小型工作機械の年間受注額は、前年比19%増の1689億2858万円となった。中国市場を中心に好調で、自動車や半導体、データセンターや電子機器向けなど幅広い分野で導入が広がった。
機種別では、受注額全体の6割を数値制御(NC)小型旋盤が占め、同24%増の1053億8801万円だった。NC小型研削盤が同15%増の91億6968万円、小型マシニングセンター(MC)が同10%増の53億3764万円と続いた。NC小型フライス盤のみわずかに昨年より伸び悩み、同14%減の42億485万円を受注した。
輸出総額は全体の55%となり、同11・5%減の934億8830万円だった。国内での受注比重は増加した。このうちNC小型旋盤が同13・5%減の626億4561万円となったほか、小型MCでは年間受注額のうち輸出総額は2・5%となった。
生成AI学ぶセミナー開催
日精工ではモノづくりに新たな技術を取り入れ、よりよい会社経営や製品づくりに生かすため、会員に向けさまざまなセミナーを開催している。
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参加者らは実践しながら生成AIを学んだ
25年11月18日と12月15日に機械振興会館(東京都港区)で生成AI(人工知能)の活用を促す「AIセミナー~『AIを何のために導入するのか、入門から実践まで』~」を開催した。Nuco(同渋谷区)のプログラマー・機械学習エンジニア・AIエンジニアの馬場和平氏を講師に迎え、現地とオンラインのハイブリッド形式で実施した。現地会場に17人、オンラインでは82人が参加した。12月の第2回では参加者それぞれがスマートフォンやタブレット端末などを持ちこんで、実際に生成AIを使用しながら情報の引き出し方のコツなどを学んだ。
担当者は「セミナーを通じて、業務フローの改善や効率化に役立てるだけでなく、生成AIを活用することで各社が工作機械の独自性をより高めるきっかけになれば」と期待を込めた。
作品コンテスト、JIMTOFで
日精工では、10月26—31日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる「第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)」に向けて「日本人の匠技 モノづくりコンテスト」を開催する。
同工業会の会員企業の工作機械や製品を用いて加工・組み立てした作品を募集し、優れた作品を表彰する。毎回職人たちの高い技術力と、精密加工機械の高精度加工が合わさった作品が多数応募され、モノづくりの魅力を感じられるコンテストとなっている。
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前回は石川県の伝統をモチーフにした作品が最優秀賞を受賞した
最優秀賞(賞金30万円)に1作品、優秀賞(同10万円)に4作品、特別賞(同5万円)に6作品を選ぶ。参加表明の申し込み締め切りは3月19日、作品の応募締め切りは8月7日。
同コンテストはJIMTOFに合わせて隔年で開催され、入賞作品はJIMTOF会場で展示する。前回24年は高松機械工業(石川県白山市)の田中豊氏の作品が選ばれた。
同コンテストは日精工会員でなくとも日本在住の個人・企業・団体であれば応募でき、若い技術者の参加も盛んだ。
【ごあいさつ】 日本精密機械工業会 会長 北井 正之
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日本精密機械工業会 会長 北井 正之
日本精密機械工業会は「超精密へのあくなき挑戦」と「会員相互の親睦」をテーマに、正会員41社、賛助会員73社、特別会員1名、計115の企業・個人からなります。
日本の工作機械業界は世界トップクラスであり強みです。その中で当工業会では「JAPAN MADE」認証制度を設けています。日本で製造した機械に誇りを持ち、安心して使い続けてもらえるよう、認証された機械には銘鈑を貼って出荷できる制度です。
また、当工業会は正会員・賛助会員の枠を超え、超精密への挑戦を続ける企業が本音で意見交換し、それぞれの持つ開示可能な技術情報を、必要な会社同士で共有しています。さらに今年は、今まで入会いただいていない分野の機器関連会社にもアプローチし、会員数増を目指します。
当工業会の会員企業の多くは中小企業です。中小メーカーでもしっかり成り立っているのは、それぞれが独自の得意技術を持ち、それを駆使してお客様の要求に満足する機械を一品一様で製造・販売している結果です。さらに賛助会員が持つ技術力を、会員企業の得意技術に融合させ、相乗効果により差別化された特別な機械を世界に展開しております。
本年は日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の開催年です。新製品・新技術を紹介するとともに、当工業会主催の「モノづくりコンテスト」も開催し特設ブースに作品を展示しますので足をお運びください。
ぜひ、この特集を通して個々の会社が持つ技術力をご理解いただければ幸いです。今後とも日本精密機械工業会へのご支援、およびご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
