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日本精密機械工業会
小型工作機械受注、回復傾向 25年、反転攻勢へ
自動車産業の電気自動車(EV)化や、半導体需要の高まりから、製造業では従来よりも高精度で複雑な加工の要求が高まっている。また、大量生産から多品種少量生産へとニーズが変化しつつあり、市場では小型で高精度かつ工程集約を実現する加工機を求める声も多い。こうした背景から、工作機械や周辺機器、工具メーカーなど各社は技術力向上の取り組みを加速させている。中でも日本精密機械工業会(日精工)は高精度加工を実現する製品や技術を持つ企業で構成されており、日本のモノづくりを支えてきた。
日本精密機械工業会(日精工)が発表した資料によると2024年の小型工作機械の年間受注額は、前年比7・7%増の1425億3730万円となった。中国市場での受注が堅調に推移したほか、インドやアジア市場や国内市場も前年比で微増となった。工作機械市場はいまだに不透明な見通しが続くが、25年にかけて徐々に攻勢へ転ずると見られている。
機種別では、受注額全体の約6割を占める数値制御(NC)小型旋盤が同11・3%増の852億8328万円だった。NC小型研削盤が同15%減の79億6943万円、NC小型フライス盤が同19%増の49億255万円、小型マシニングセンター(MC)が同27・3%減の48億4910万円で続いた。
全体の約7割を占める輸出総額は同20・6%増の1056億3244万円だった。このうちNC小型旋盤が同20・6%増の723億9887万円となったほか、小型MCでは年間受注額のうち輸出総額は22・7%にとどまった。
匠の技、JIMTOFで披露
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受賞作品はJIMTOF来場者の注目を集めた -
優秀作品は全て手作業で加工された
日精工は24年11月に会員企業の工作機械や製品で加工・組み立てをした作品を評価するモノづくりコンテスト「日本人の匠技」の審査結果発表と表彰式を開いた。最優秀賞には高松機械工業の田中豊氏の作品「石川の伝統を金属加工で再現!」が選ばれた。このほか全受賞作品は11月5-10日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)」の日精工ブースで展示され、来場者の注目を集めていた。
最優秀作品は高松機械工業が本社を置く石川県白山市の伝統的な獅子舞をモチーフに、獅子頭を汎用フライス盤を使って製作した。髪形は細く切った薄いステンレス材を何重にも重ねることで迫力を出した。眼球は取り外したり動かしたりすることもできる。
このほか優秀賞には石川県能登町の祭をテーマにした高松機械工業の「能登復興への祈りを込めて」、シリコンウエハーをスギノマシンのウオータージェット加工技術と最新レーザー加工技術を融合した加工機「ウォータービームマシン」で切り抜き和紙のような模様を施した同社の「TOMOSHIBI」など4作品、特別賞に6作品が選ばれた。最優秀賞には賞金30万円、優秀省は10万円、特別賞には5万円が贈られた。橋本久義審査委員長(政策研究大学院大学名誉教授)は「日本は全員を均等に育てるのでユニコーン企業は育ちにくいが、力を合わせることが強みになる」と評した。
同コンテストはJIMTOFに合わせて隔年で開催され、日精工会員企業の工作機械や製品により加工・組み立てした作品を募集し、優れた作品を表彰している。作品は原則として、大きさが幅500ミリ×奥行き500ミリ×高さ500ミリメートル以内、重さ30キログラム以内で、日本在住の企業・団体または個人であれば日精工会員でなくても応募できる。会員企業だけでなく、ユーザーからも毎回、精密加工機の性能を極限まで引き出した作品が多数集まっている。
このほか、昨年のJIMTOFでは同工業会初の試みとして、学生向けに会員企業のブースをめぐるスタンプラリーを実施した。これまでモノづくりコンテストや会員企業の若手社員によるプレゼン大会などの開催で人材育成に力を入れてきたが、より若い世代にもモノづくりに興味をもってもらおうと企画した。
ごあいさつ/日本精密機械工業会 会長 北井 正之
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日本精密機械工業会 会長 北井 正之
日本精密機械工業会は「超精密へのあくなき挑戦」および「会員相互の親睦」を共通のテーマとして掲げ、正会員42社、賛助会員69社、特別会員1人、計112の企業、個人に参加いただいております。
日本の工作機械業界は世界のトップクラスであり、日本の武器です。その中で、当工業会では「JAPAN MADE」認証制度を設けております。日本で製造している機械に誇りを持ち、安心してお使い続けていただける機械ということで、認証された機械には「JAPAN MADE」銘鈑を貼って出荷できることにしております。
また、当工業会は正会員・賛助会員の枠を超え、工作機械メーカーのみならず、超精密へのあくなき挑戦をし続ける会社が、親睦を基に本音で意見交換し、それぞれの会社が持つ開示可能な技術情報を、必要な会社同士で共有しております。
当工業会の会員企業の多くは中小企業です。中小企業の工作機械メーカーでもしっかり成り立っている要因としては、それぞれの会社が独自の得意技術を持っており、その技術を駆使し、お客様の要求に満足する機械を一品一様で製造、販売している結果です。この得意技術に加え、前述の賛助会員が持つ技術力を、それぞれの会社の技術にうまく融合させて、その相乗効果により、各会社の差別化された特別な機械を世界に発信しております。
是非、この特集を通して個々の会社が持つ技術力をご理解いただければ幸いです。今後とも日本精密機械工業会にご理解、ご支援、およびご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。