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パワーコンディショナー
パワーコンディショナー(パワコン、電力調整装置)は再生可能ネルギーから得られる直流の電力を最大限引き出すように制御するとともに、交流に変換して商用電力系統へ供給するための装置。2012年に始まった固定価格買い取り制度(FIT)によって再生エネの導入が急拡大したが、当時設置した太陽光発電システムなどは10年以上が経過し、パワコンの更新が推奨される時期を迎えている。
太陽光発電 導入進む
50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けて、またエネルギー安全保障の観点からも、再生エネはさらなる導入拡大が期待される。
再生エネは太陽光や風力などをエネルギー源として直流の電力を発生させる。一方、住宅やビル、工場で用いられる電気製品や設備機器は交流の電力を受けて稼働する。このため、太陽光などで作られた電力を利用するには、直流を交流に変換するパワコンが必要となる。
変換時には多少のエネルギーロスが発生するが、それを最小限にするために変換効率の高いパワーコンディショナーにすることで、発電した電気を最大限活用できる。
12年7月に始まった固定価格買い取り制度(FIT)によって、再生エネの導入が大幅に増加した。資源エネルギー庁によると、13年度の電源に占める再生エネ比率が10・9%だったのに対し、24年度は23・0%。中でも日本における太陽光発電の累積導入量は、14年から23年までの10年間で3倍以上に拡大した。
第7次エネルギー基本計画では、初めて再生エネが最大電源に位置付けられた。40年度の電源構成は再生エネを4—5割程度まで高めるとしている。このうち太陽光発電の占める比率は、従来の30年に14—16%から、40年に22—29%へ目標を大きく引き上げた。
22年4月からは市場価格連動型制度(FIP)がスタート。近年はPPA(電力販売契約)方式を活用する仕組みや、自家消費の市場も広がっている。
政府は自然・景観の破壊や地域トラブルを招く不適切な設備の建設を防ぐため、27年度以降、地上に設置する大規模太陽光発電所(メガソーラー)をFIT/FIPの対象外とする方針。既に国内では大規模に開発する適地が少ないことからも、今後はビルや工場など建物の屋上、農地や駐車場など、50キロワット未満の低圧・分散型の活用が増えそうだ。これらは今後普及拡大が期待されるペロブスカイト太陽電池の設置にも適していると言える。
更新需要に応える
太陽光発電システムは一般的に、パネルの寿命が20—30年、パワコンの寿命が10—15年程度と言われている。FIT開始当時に大量に設置されたパワコンは、順次更新時期を迎えている。
メーカーの保証期間は長くても10年で切れることが多い。10年前と比べれば、変換効率や耐久性なども向上している。また、故障してから更新するのでは機会損失が大きいため、定期的なメンテナンスや適切なタイミングでの更新が望ましい。
安川電機は25年11月に、太陽光発電用パワーコンディショナー「Enewell—SOL P3H」(200ボルト級 三相絶縁型)を発売した。25年に電気安全環境研究所(JET)認証期限を迎えたEnewell—SOL P2Aおよび同P2H(ともに15年発売)の後継機種となる。P2シリーズ以前のPV1000からの置き換えもオプションのアタッチメントで簡単にできる。
FIT開始当初、遊休地や耕作放棄地を活用して各地に増加した野だての低圧太陽光発電が主な対象となる。当時需要の高かった9・9キロワットと10キロワットの2容量展開で、設備容量の変更を不要にした。P2シリーズと同等の外形サイズ、同一の取り付けねじ位置のため、既設製品をそのまま置き換えられる。
小型・複数台設置/最新要件に準拠
近年は系統連系技術要件の変更や電磁妨害(EMI)規制の強化など、更新時に求められる条件が複雑化しているが、同製品は最新の要件に準拠。低圧連系で求められる新型能動方式に対応してJET認証を取得しており、電力会社との系統連系協議もスムーズに進められる。
絶縁トランス内蔵のため、低圧の三相配電線で一般的な灯動共用変圧器に直接接続でき、フィルム型の太陽電池でも接続可能だ。
性能面ではフルSiCパワーモジュールとDAB(デュアル・アクティブ・ブリッジ)回路を採用し、絶縁型でありながら変換効率をP2Hと比べ約3ポイント高い96・7%に向上。IP55相当のアルミニウム筐体(きょうたい)で重塩害地域にも標準仕様のまま適用できる。また、自家消費制御機能を追加しており、小型店舗などの小規模自家消費にも対応。自立運転機能を標準搭載し、非常時の電源確保にも対応する。
同社では、パワコン停止時の発電ロス削減や復旧時間短縮などの優位性を考慮し、大容量パワコン単機でのシステム構築よりも小容量パワコンを複数台設置する分散設置を推奨している。
