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粉体技術
粉体技術は粉砕やふるい分け、計量・計測、造粒、粒子設計など多くの単位プロセスで構成される。これらは日常生活から最先端産業までさまざまな場面で活用されており、その技術革新が、あらゆる産業の発展に貢献している。近年は、粒子の微少化に対する研究開発が活発化。関連装置やシステムが高度化する中、デジタル革新(DX)、AI(人工知能)活用も進む。自動化・ロボット化も積極的に進められており、粉体プロセスのこうした革新的な取り組みが、利用のすそ野をさらに広げている。
技術革新が未来を作る
全個体電池実用化のカギ
電気自動車(EV)での実用化が待たれる全固体電池。固体化された電解質を用いる電池はエネルギー密度が高く、構造や製造プロセスの自由度が増す。高温での動作が可能で、電解質のイオン伝導性が高いため、急速充電も期待できる。EVの航続距離延伸や充電時間短縮など電池の特性を高め、自動車自体の機能や商品性の向上にもつながると言われている。
ただ固体の電解質では電子の移動に優れた界面が求められる。実用化には電解質表面に微粒子のコーティングを施す表面改質が欠かせない。また導電性の高い材料開発には粒子のさらなる微小、均一化も必要になる。課題解決に向け、粒子コントロールなど粉体技術の重要性がますます高まっている。
システムの高度化進む
医薬品製剤分野では連続生産の研究が進む。リアルタイム計測が可能になり、分析手法、関連機器、装置も進んだことから、制御方法が変化。設備の省スペース化や製造コストの削減を可能にしてきている。分析技術を組み込んだ開発手法の採用で製品を高品質化できるほか、ほかの生産プロセスでの活用も見込めるという。
こうした動きに合わせ、プロセスを複合し、分解や清掃のしやすさを兼ね備えた関連設備も登場してきた。新薬開発から生産までの時間を短縮し、原薬のロスも抑えられることから、今後の普及が期待されている。
粉体技術は幅広い産業分野を支えている。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現にも、その技術・研究開発の進展が不可欠となっており、今後も注目を集めそうだ。
POWTEX2024活況 大阪にバトン
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POWTEX2024(東京ビッグサイト)は大勢の来場者でにぎわった(日本粉体工業技術協会提供)
2024年11月27から3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで、日本粉体工業技術協会(京都市下京区、角井寿雄会長)主催の「POWTEX2024(第25回国際粉体工業展東京)」が開かれた。出展規模は282社・団体、1070小間。期間中は天候にも恵まれ、22年の東京開催時を23・5%上回る約1万4000人が来場した。
さまざまな粉粒体製造機器や計測機器、粉体材料、ソフトウエアなどが一堂に会する同展は、東京と大阪で毎年交互に開催されている。東京開催は24年から「POWTEX」に名称を変え、「未来をつくるPX(パウダー・テクノロジー・トランスフォーメーション)」を掲げて未来に向けた変革をアピールした。
AI活用やDXの重要さを開設するセミナーなどのイベントも多数の人を集め、盛況のうちに幕を閉じた。
期待高まる大阪開催
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インテックス大阪で開催されたPOWTEX2023(日本粉体工業技術協会提供)
一方、25年は大阪市住之江区のインテックス大阪で「POWTEX2025 国際粉体工業展大阪」が開かれる。会期は10月15から3日間。これに先がけ、10月1日からオンライン展が開幕する。大阪は前回の23年に名称変更しておりPOWTEXとしては2回目の開催となる。
今回は「未来をつくるPX」を引き継ぐとともに2025年大阪・関西万博にも寄せて「粉体技術で描く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる。出展者と来場者が交わりやすい仕掛けで、ビジネスチャンスを生み出すという。
また、今回から出展企業が来場者に最もアピールしたい粉体関連製品や技術を「イチオシ!」として会場内に展示し、来場者の目に留まりやすくする試みも実施する。
前回の大阪開催はリアル展に7757人が来場。オンライン展は3392人を集めた。リアル展はコロナ禍での開催となった21年に4167人と19年比で約62%の大幅減になったが、急速に盛り返しつつある。オンライン展も来場者は増えており、粉体技術に対する関心の高まりに、今回も規模拡大が期待される。
トライアルブースを設定
日本粉体工業技術協会(京都市下京区、角井寿雄会長)は、10月15からの3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪で開く「POWTEX2025」の出展者を募集している。一般小間の出展は1小間あたり同協会会員が33万円(消費税込み)、一般が39万6000円(同)。多くの参加企業を募るため、装飾をセットにした「トライアルブース」を今回、新設した。申し込みの受け付けは5月20日まで。
会場の「イチオシ!紹介コーナー」への情報掲示や、先着申込制で展示会のメールマガジンへの広告掲載や製品技術説明会で発表ができる出展社特典を用意した。15小間以上の出展では先行スタートするPOWTEXのオンライン展にバナーも掲載できる。
一方、トライアルブースは21年、23年に大阪で開かれたPOWTEXに出展していない企業が対象。一般小間と同じ規格で、装飾込みの料金を39万6000円に設定した。1社・団体、最大2小間までで、一般小間と合わせて3小間以上の展示もできる。
23年の大阪でのPOWTEXは172社・団体、515小間の出展規模で開催した。
詳細はPOWTEX2025のホームページ(https://www.powtex.com/osaka/)。問い合わせは事務局(シー・エヌ・ティ、03・5297・8855)へ。