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粉粒体計量・計測・制御技術
幅広く活用される各種粉粒体は、粒子サイズの微小化が進み、ナノスケール(ナノは10億分の1)粒子は研究から実用化の段階に入っている。粒子の微小化は最終製品の品質や価値向上を可能にする。その半面、粒子の凝集や閉塞(へいそく)、架橋などの現象を引き起こし、扱いが難しくなる側面がある。この解消のため、これまで以上に的確な粒子のコントロールが重要視されている。
さまざまな手法を駆使/粒子の特性 最大眼に生かす
的確な粒子コントロールにつなげるため、扱う粒子サイズや用途に応じて各種計量・計測・制御関連機器や装置が用いられることと並行して、計量・計測・制御技術の高精度化の追求が進む。
レベル計や定量供給装置などは従来から計量・計測の中心的存在で、レベル計は超音波式やマイクロ波式など非接触計測タイプが、定量供給では微少量の切り出しに威力を発揮するロス・イン・ウエート式などがよく知られている。粉粒体を構成する粒子径分布や形状など物性の計測ではレーザー回折・散乱法や沈降法、電気的検知帯法などの手法が使い分けられ、粒子のコントロールを支えている。
こうした中、粒子物性などの複雑さなどから正確な把握が難しかった粒子挙動の〝見える化〟を可能にするシミュレーション技術の利活用が本格化する。導入当初はシミュレーション結果と実際の挙動の乖離(かいり)など精度的な課題も散見されたが、コンピューターの進展やソフトウエアの充実から精度が向上した。今では粒子挙動の把握・解明にとどまらず、装置の設計まで活用する動きも見られ、引き続きハード・ソフトの両面からの研究が期待される。
このほか人工知能(AI)やマテリアルインフォマティクス(MI)も粒子の的確なコントロールでは注目度が高まっており、理解を深め活用を促す取り組みも活発化するなど、粒子特性を最大限に生かそうという動きはますます盛んになりそうだ。
POWTEX2024/11月27-29日開催 オンライン展併設
日本粉体工業技術協会(角井寿雄代表理事会長)は11月27-29日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「POWTEX2024(第25回国際粉体工業展東京)」を開く。リアル展にオンライン展(会期=11月11日-12月26日)を併設するハイブリッド形式となる。開催規模は300社・団体、1100小間を予定、最新の粉体機器・装置やエンジニアリング、情報などが一堂に会するほか、2023年の大阪開催で好評の「PXステーション」が設けられ交流型イベントとして展開されるなど、併催企画も注目される。問い合わせは展示会事務局(シー・エヌ・ティ、03・5297・8855)へ。