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配管機材・技術
パイプやバルブ、継ぎ手、支持具など多種多様な機器をその分野に内包する配管機材。気体や液体など流体を安定的に搬送する役割を担い、ライフラインなどの社会基盤、産業活動の根幹を支えている。近年、関係メーカーは安心・安全で、無駄のない流体の効率的な利用に軸足を置き、品質や性能を追求。併せて少子・高齢化の中、労働人口が減少していく社会を見据えて、施工作業の省人化、効率化に寄与する製品開発に取り組んでいる。
広がる領域 省人化ニーズ対応
配管機材には安全性や耐久性、耐食性、耐熱性、耐震性、施工性など目的に応じて、さまざまな性能が求められる。メーカーはニーズに合わせてこうした要求に応える高品質な製品の提供に力を注ぐ。さらに、最近の関連展示会で注目を集めるのは環境性能や施工の効率性。特に少子高齢化の進展により施工現場は人手不足が顕在化しており、作業をどれだけ効率化できるかが問われるようになってきている。
こうした中、配管とバルブ、継ぎ手などを納品前に工場であらかじめ溶接し、施工現場に送るメーカーや商社が増えてきた。接続の簡便性を高めたり、素材を見直して軽量化したりするなど各社工夫を凝らし、現場作業者の負担軽減に取り組んでいる。
環境対応ではシール材メーカーが規制が進むフッ素樹脂の代替製品の開発を強化するなど社会課題に対応する取り組みも広がる。
さらに脱炭素に向けた水素活用が進む中、配管向けのセンサー開発も進む。産業資材などを手がける大手メーカーは水素検知するフィルム状センサーと無線識別(RFID)タグを使ったシステムを開発。製品化に向けて技術の検証を重ねている。電源や高温の素子を用いる従来式に比べて着火リスクを大幅に低減できる。
フィルム状で配管やバルブの接続部など現在主流の固定型センサーでは対応が難しかった箇所にも適用でき、水素設備の安全性向上に貢献する。
自然災害が頻発化、激甚化する昨今、インフラの老朽化も相まって配管機材の需要は堅調だ。従来の構造を見直し、地震による伸縮や曲がりなど変異や変形に強い伸縮可とう管を開発したメーカーは防災ニーズに狙いを定める。
ドローンを活用した配管の検査システム、サービスなども次々と登場しており、配管機材や関連する技術・製品の開発は今後も活発な状況が続きそうだ。