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紙・パルプ産業
紙・パルプ業界で紙製品の用途を拡充する動きが活発化している。外気からの遮断性を高めた包装材を食品などに展開してプラスチックの代替需要を取り込んだり、高保湿のハンドタオルを開発して衛生・手肌ケア機能を両立させたりする。企業での環境負荷の低減ニーズの強まりや、コロナ禍後の消費者ニーズの変化への対応を推し進める。
紙製品の用途拡充
日本製紙/木質由来の素材活用
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魚沼産コシヒカリの包装材に紙製バリアー素材が採用された
日本製紙は酸素や水蒸気の透過性を抑えられる紙製バリアー素材「シールドプラス」の用途を広げている。チョコレートや麺類などでの採用に続き、5月から全農パールライス(東京都千代田区)の魚沼産コシヒカリでの利用が始まった。石油由来のプラスチックを代替し、再生可能な木質由来の素材活用を促進する。
シールドプラスは製紙用の水系塗工技術を活用したバリアー塗工層を、紙製基材に付与して生産する。酸素や水蒸気に対して従来のフィルム品相当のバリアー性を有するため、プラスチック使用量を減らしつつ内容物の品質を保てる。魚沼産コシヒカリでは2キログラム製品でプラスチック使用量を従来材に比べ約38%削減し、5キログラム製品で同約15%削減した。
また、においのバリアー性も有するため、せっけんなど液体以外の衛生用品の包装にも適しており、既に入浴剤で採用事例がある。同素材はフィンランド子会社の十條サーマルからの供給もできる。非食品や海外の市場を含め販促を強化する方針だ。
大王製紙/滑らかな拭き心地
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衛生・手肌ケア機能を両立させたハンドタオルを開発した
大王製紙は保湿性を重視したティッシュペーパーブランド「エリエール贅沢(ぜいたく)保湿」で初となるハンドタオルを10月に発売する。ヒアルロン酸やグリセリンなど保湿成分を多く配合することで紙表面の摩擦を抑え、しっとりとして滑らかな拭き心地を実現した。コロナ禍後の衛生意識の高まりでハンドタオル需要が増す中、消費者が気に掛ける手肌負担を軽減し、快適な手洗いニーズを取り込む。
食品や化粧品相当の保湿成分を採用する一方、べたつき感がないため調理前でも使える。パッケージのサイズは奥行き105ミリ×幅123ミリ×高さ180ミリメートルとコンパクトで、手狭になりがちな水回りにも置きやすくした。
同社調査によると、布タオルの衛生面への不安などを理由に、手拭き用途で使い捨てハンドタオルを使う人がコロナ禍前に比べ増えているという。一方、手洗い後の手荒れに悩む人は79・4%に上る。新たなハンドタオルでは衛生面と手肌ケアを両立させた点を訴求し、拡販を狙う。
KPPグループホールディングス/屋外向け紙製人工芝
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南郷上ノ山公園で屋外用の紙製人工芝が導入された(神奈川県葉山町)
KPPグループホールディングス(HD)は子会社の王子ファイバー(東京都中央区)が開発した屋外向け紙製人工芝「ペーパーターフ」の販売を推進している。4月に東京都品川区の交流施設の屋外遊具広場に初めて導入されたほか、7月には南郷上ノ山公園(神奈川県葉山町)で54平方メートル分の同人工芝が採用された。葉の部分がちぎれて海洋に流出しても、生分解性を備えているためマイクロプラスチックの発生源にならない点を訴求し、環境負荷の低減への理解形成を促す。
ペーパーターフはバショウ科の植物「アバカ」を原料にした紙から作る。紙素材は摩擦熱を伝えにくい特徴があるため、子どもがはだしで走ったり転んだりしても、けがをしにくい利点も持つ。従来の屋内用に加え、速乾性や耐候性を確保した屋外用を開発したことで、商業・公共施設の子ども用広場などへの展開をさらに進める。
ペーパーターフはこのほど、日本子育て支援協会主催の「日本子育て支援大賞2026」を受賞した。子どもが安心して遊べる場の創出と、紙素材由来の環境配慮性が評価された。
