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オシロスコープ
オシロスコープは産業のマザーツールの一つで「見えない電気信号」を観察し、電気信号の時間的な変化を波形表示する基本の電気測定器。多チャンネル化や広帯域化、波形の視認性、操作性の向上が図られ、ノイズに埋もれた信号や、たまにしか発生しない間歇(かんけつ)的な信号を捕捉するなど、エレクトロニクス産業の発展とともに進化している。
日本法人 品川移転 ローデ・シュワルツ/オシロ物語
日本法人 品川移転/ローデ・シュワルツ
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開所式を祝うアンドレアス・パウリー プレジデント&CTO -
最大142人を収容するセミナールーム
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2003年、独ローデ・シュワルツの日本法人として設立され、日本市場に寄り添うビジネスを展開し実績を築いている。測定器を主軸に航空宇宙や防衛分野、パートナー企業との新規サービス開発など、事業領域が拡大している。
こうした中、日本法人創業の東京都新宿区より、25年12月、同品川区に移転した。持続的な成長を支え、さらなるビジネスを加速させる。
新しいオフィスには、さいたま市に設けていた修理・校正などを行うサービスセンターを統合し、業務効率化と顧客満足度の向上を図る。また、最大142人を収容するセミナールームを設け、技術セミナーなどを予定している。さらに、EMC(電磁環境適合性)対策に向けて、パートナー企業と連携した「EMC対策LAB」の開設を予定している。
業務開始日の12月3日に開所式を行い、約200人の取引先のほか、駐日ドイツ大使が出席、独本社から アンドレアス・パウリープレジデント&最高技術責任者(CTO)ら4人が来日して新オフィス移転を祝った。
オシロ物語/岡山大学 学術研究院環境生命自然科学学域・電力変換システム工学研究室 助教・工学博士 石原 將貴 氏
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数値や波形の大切さを伝える石原先生(右) -
石原先生
岡山大学(那須保友学長)工学部は津島キャンパス(岡山市北区)にあり、石原先生は省エネルギー技術の要として注目されるパワーエレクトロニクス技術を専門に研究している。窒化ガリウム(GaN)材料や、炭化ケイ素(SiC)材料を用いた次世代パワー半導体を活用し、小型・高効率(高電力密度)なスイッチング電源の開発に取り組んでいる。
石原先生は「近年、高電圧化が進むAI(人工知能)サーバー向け電源の開発には、次世代パワー半導体が欠かせない」と話す。こうした高電力密度電源の開発には、スイッチング挙動の観測と分析が不可欠であり、オシロスコープと光絶縁プローブを研究に欠かせない重要な測定器と位置付けている。
石原先生とオシロの出会いは大学生だった14年前にさかのぼる。「島根大学工学部2年生時に、オシロを購入した」と、手にした時の喜びを思いだす。テクトロニクスのエデュケーションモデルで、入力は2チャンネル。今も大切に扱い活用している。また、石原先生は研究だけでなく、教育にも力を注いでいる。学部3年生向けの学生実験では学生にオシロの扱い方を指導し、正しい計測によって得られる数値や波形の大切さを伝えている。ブラックボックス化されたキットではなく、電子部品を一つひとつ用いて回路を製作し、その動作や特性を評価させることで理解を促す。ハンダ付けから丁寧に指導するのも石原先生流だ。
こうした中、スイッチング損失を計測するには「光絶縁プローブなどがあり、電圧計測の技術は比較的成熟している」とする一方、「電流計測用のプローブは選択肢が限られ、プロービングも難しく、なお課題の多い分野」と指摘する。電圧と電流を同時計測することで回路の損失が算出できる。「シミュレーションだけではなく、実測値が大事」と強調する。
