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業種・地域から探す
強みを生かす、育てる
AIで社内システム改善へ/山本水圧工業所社長 山本 知弘 氏
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山本水圧工業所社長 山本 知弘 氏
油・水圧を使った塑性加工の各種機械や耐圧試験機などの製造を手がける。顧客ニーズに応え、オーダーメードで製品を提供している。国内製造業の人手不足が進む中、わが社では人事評価制度を刷新し、社員が長く働きたいと思える職場づくりに力を入れている。
この人事評価制度は幹部社員が対象。部下を持つ立場にとって必要な能力を可視化する。得意を伸ばし、苦手を補えるプロジェクトチームの結成などに役立てられたらと考えている。若手社員にとっても、幹部社員の評価基準を知ることでキャリアアップの目標となる人物像をイメージしやすくなると思う。今後は社員の感触を見ながら改良を図る。
ただ、国内のモノづくり人材が減少傾向にある中で、海外人材の確保も重要だ。技術・ノウハウの習得やわが社のモノづくりに興味がある人材に来てもらうべく実習生や技術者を積極的に受け入れていく。
さらに、人手不足対策としてAIの活用も進めていきたい。例えば会議の議事録作成に使えば、早くて公平な情報共有ができるなど使える場面はあると思う。幹部社員を中心にAIを利用・研究してもらい、社内システムの改善につなげていきたい。
自動化システムで課題解決/日下部機械社長 簑原 寛秀 氏
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日下部機械社長 簑原 寛秀 氏
わが社は商社とメーカーの機能を兼ね備え、重工業と農業分野に向けて自動化設備を提供。顧客企業の省人化を後押ししている。
最近は円安の影響で性能は良くても、高価だったメード・イン・ジャパンの製品に海外企業も手が届くようになったように感じる。わが社の商事部門ではこれをチャンスととらえ国内の中小企業などの製品を海外の顧客企業に提案している。
自社製品も価格面で海外の競合と戦いやすくなった。造船業界向けの自動認識加工システム「XSAP」は、加工対象物(ワーク)を測定し現物に合わせた加工システムを提案し、その後の加工まで自動で行う。ワークの配置を自動認識するため、位置決めが不要。さらに、ティーチングレスでありかつ、ワンボタン操作で簡単に加工できる。
XSAPは新しいソリューションであり、雇用問題や生産調整など、顧客が抱えている課題解決につなげたいと考えている。
農業向けは、接ぎ木協働ロボットを販売。国内市場では大手からの引き合いが多く、レンタルを中心に事業展開している。海外市場ではスペインの企業と契約し、定期的に納入している。今後は中南米に向けて販路開拓に力を入れていく。
社会貢献で会社・自信の成長を/辰巳工業副社長 辰巳 雪絵 氏
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辰巳工業副社長 辰巳 雪絵 氏
当社はニッケル基合金など、特殊金属素材の扱いを得意とする鋳造品メーカーだ。100鋼種以上の特殊鋳造品を手がけ、各種ポンプやミキサー、バルブを中心に幅広く製造、展開している。
当社では先代社長の時代より社会貢献を大事にしている。社員には自社での業務だけでなく、社会活動を他者とのつながりや、自身の成長につなげてほしいと思っている。人は一人では生きていけず、会社もまた自社の活動だけでは繁栄は望めない。他者との繋がりを意識してもらい、その経験を自身や会社の発展に寄与してもらうことが狙いだ。
10数年前より本社裏の川の掃除を地域住民とともに行っている。20年から22年はコロナ禍で中止となったが、基本的に毎年参加している。昨年は20人が参加した。こうした交流を重ねることで地域の方々にも鋳物産業への理解を深めていただいているように思われる。
また当社の福利厚生で「ボランティア手当」というものもある。勤務時間外に自治体の活動やスポーツクラブのコーチ活動、地元消防団での活動など、精力的なボランティアを行った社員には手当を支給している。これからも社会貢献を通じて、自社の発展を成し遂げていきたい。
―存在感高まる「健都」―
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市民体験型イベントを開催(2023年11月の健都フェス)
大阪府吹田市と摂津市にまたがる北大阪健康医療都市(健都)は、医療研究機関、企業、スタートアップなどが集積し、産学連携によるイノベーション創出を目指している。健都の「世界モデルとなる自律成長型人材・技術を育む総合健康産業都市拠点」構想は科学技術振興機構(JST)の共創の場形成支援プログラムとして進められている。
健都共創推進機構の堀洋事務局長は健都の特徴を「国立循環器病研究センター(国循)と医薬基盤・健康・栄養研究所(健栄研)の2ナショナルセンターの存在が大きい」と話す。
国循は循環器病の制圧を目指し、スタートアップなどが入居するオープンイノベーションラボも整備している。健栄研は、同じ大阪府北部の彩都に立地する旧医薬基盤研究所や医療機関などと連携しながら、健康増進に向けた活動を行っている。
両拠点を核に行われる研究開発、開発成果の社会実装に向けては、周辺住民の存在が大きな力となる。地元行政が尽力してできた健都は市民を巻き込んだ運営を心がける。認知度向上のため、立地企業が製品やサービスの実証を兼ねて市民に体験してもらう試みも実施されている。
大阪では医療・健康関連クラスターとして、彩都のほか29日に未来医療国際拠点「中之島クロス」も開業。命をテーマとする大阪・関西万博も控え、他拠点との連携、すみ分けを図りながら健都が存在感を高めるチャンスを迎えている。
産官学民で健康づくり
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身体を「鍛える」「知る」「守る」ための商品や技術などを展示し、体験できる
エア・ウォーターは、北大阪健康医療都市(健都)内の「エア・ウォーター健都」(大阪府摂津市)で、ウェルネス分野のオープンイノベーションを推進している。2023年9月の開業以来、5月時点で累計100団体超、1万人超が訪問。健康関連の新技術を体験できる設備や、産学官民連携のコワーキングスペースなどを備え、高齢化社会に適した事業の創出を狙う。
事業共創パートナーは40団体。足元ではアシックスが展開するデイサービスと、エア・ウォーターのAGEs(最終糖化産物)センサーなどの技術を組み合わせた健康づくり関連の実証を検討中。今秋にも施設内に簡易的な設備を設置する。
関西大学などとは、保存食ながら十分な栄養を摂取できる「防災食」の開発で連携。24年度中にも〝野菜缶詰〟を製造し、一般市民や専門家などから意見を集める計画という。
健都・ウェルネス事業推進プロジェクトの笠原洋子リーダーは「大人になると病気を繰り返すたびに、症状が悪化する。それを止めるには、本人に気付きを与え、行動を変容させるしかない」と説明する。本格的な医療を受ける前に、ウェルネスとしてどう対応するかという観点が、今後も注目を浴びそうだ。
