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業種・地域から探す
トップが語る新たな〝つながり〟
淀川北岸の淀川区、西淀川区、東淀川区の淀川3区は、大阪市の北端に位置する。大阪都心と、ベッドタウンの北摂地域をつなぐこの地は、商業地や住宅地だけでなく、大手から中小までモノづくり企業が集積する地でもある。国内の製造業は不透明な国際情勢やエネルギー・材料価格の高騰、人手不足などの課題に直面するが、長年にわたる都市化の波を乗り越えてきた淀川3区の中小企業は、都市型産業として新たな道を切り開こうとしている。
東淀川区のブランド向上に力/東淀川工業協会 会長 音頭 克郎 氏
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東淀川工業協会 会長 音頭 克郎 氏
昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、工業協会の活動も通常に戻った。工場見学会や初詣、そして4月の総会も無事終えた。今年も、これら通常の活動を基本としながら、さらに何かできないか模索してきたい。昨年は区民祭りに工業協会の青年経営者会が初めて参加したが、工業協会本体でも東淀川区と一緒になって、区のブランドを向上し、工業協会の知名度を上げていくような活動に取り組んでいきたい。
2025年4月には東淀川区が創設されて100周年を迎え、その翌年には工業協会の80周年が控えており、このようなタイミングも生かしていく予定である。
歴史的には繊維産業が発展した東淀川区だが、現在は工業、商業が幅広く立地している。一方で大規模な工場が閉鎖されたり区外に移転したりと、製造業が減少傾向にあるのも事実。それでも多くの企業がまだまだ区内には立地しており、引き続き入会を促していく。そのためにも工業協会を知ってもらうと同時に、会員になって良かったとメリットを感じてもらえる活動にも力を入れていく。
業種によって景況感に差がある一方、人手不足で人件費が高騰し、エネルギーや材料コストがかさむが、なかなか価格転嫁できないというジレンマに陥っている企業も多い。そういう時だからこそ、さまざまな企業と知り合いネットワークを広げていくことが重要である。昨年に初めて開催した淀川3区合同の交流会は、ビジネスチャンスを得るきっかけになったのではないだろうか。会員企業には工業協会の活動にもっと積極的に参加してもらえるよう働きかけていきたい。
交流の中に課題解決のヒント/淀川工業会 会長 三宅 康雄氏
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淀川工業会 会長 三宅 康雄氏
淀川工業会では人と人、企業と企業のつながりを大切にしていきたい。その一つが、昨年に淀川3区の工業会で共同企画した合同講演会・懇親会である。3区から多く参加して頂き、これまでとは違う方々と交流を深めることができた。以前から青年会では交流していたが、親会である工業会では初めての試みとなる。それぞれの工業会の会長同士が青年会以来の顔なじみだったことが今回の開催につながった。今後も継続していきたいと考えている。
今、中小企業にとって最大の問題は人手不足だ。特にモノづくりにとって若い人材が入ってこないことは逆境にほかならない。若い経営者も危機感を持っていると思う。工業会ではさまざまな業種の経営者が加盟しており、参加者が増えれば増えるほど、経営環境も違えば、持っている情報も考えも違う方々が集まることになる。それだけ面白い人との出会いも増えるだろう。
そこに問題意識を持って集まれば、何か解決のヒントを得られるかもしれない。3区合同企画の狙いもそこにある。加えて、若手経営者の参加も入会も促しており、業界を横断する横のつながりと、幅広い世代の縦のつながりの両方を広げていきたい。
淀川区では十三駅前の淀川区役所跡地再開発への期待が大きい。梅田に近く、働きやすさや住みやすさは抜群に良く、区内の人口も増えている。2026年に再開発地に完成する、タワーマンションや図書館、商業施設などの複合施設には、淀川工業会の新事務所も入居する。十三を通り新大阪と関西空港を結ぶ鉄道の新線の計画や、淀川河川敷の船着き場整備も進んでおり、都市としてのイメージが大きく変わるチャンスと期待している。
企業同士で適材適所な協力を/西淀川工業協会 会長 本田 敬三 氏
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西淀川工業協会 会長 本田 敬三 氏
原材料価格の高騰や人材確保の難しさなど企業を取り巻く経営環境は厳しい。その難局を、西淀川の製造業が力を合わすことで乗り越えていきたい。材料や副資材の調達、運送など区内企業にできるだけ依頼し、管内で仕事をキャッチボールできるような関係を構築する。2024年問題への対応やCO2排出削減などを考えていても、近場に仕事を頼んだ方が合理的だろう。
人材についても協力し合えば良い。西淀川のモノづくり企業は一品物を手がけているところが多く、新たな人材を探すのが難しい。それよりも同じ区内の製造業から短期間でも手伝いに来てもらうような関係を築くべきだろう。西淀川区には地に足ついた事業で歴史のある企業が多く、工業協会の会員にも100年企業が結構ある。それぞれ得意な領域を生かし合っていけば、カーボンニュートラルなど社会問題を解決するような製品開発や事業展開で、適材適所で協力して進めていくことができるはずだ。
昨年、淀川工業会、東淀川工業協会と共同で合同イベントを初めて開催した。今年は西淀川区が幹事となって開催する。3区合同となることで、参加者にはより幅広い業種との間で懇親を深め、自分の引き出しを増やす機会としてほしい。中小企業はオーナー社長が多いが、同じ業種だけで付き合っていると、どうしても井の中の蛙となりがち。そんな殻を破るためにも、合同イベントでネットワークを広げてほしい。
来年の万博は楽しみにしている。1970年万博ではテレビ電話や動く歩道、電気自動車などが登場し、それらが実用化された。今回も、数十年後には実社会で使われるようなものが登場することを期待している。
