-
業種・地域から探す
続きの記事
大阪・関西特集
トップの成長戦略
カスタマイズ 柔軟に対応/タナカカメ社長 牧野 耕二 氏
-
タナカカメ社長 牧野 耕二 氏
当社は1919年に田中亀蔵が大阪市福島区で創業、油圧プレス機を中心に産業機械を受注生産し、標準モジュールを基にしたカスタマイズで顧客ニーズに柔軟に対応する。
創業当初は製麺機などを手がけ、第2次世界大戦中には小型船舶用焼き玉ウインチなどを製作した。戦後は経済成長を背景に各種プレス機を開発、現在の地位を築いた。社名から〝カメさん〟の愛称で親しまれている。
創業106年の経験と技術の蓄積から、特殊な要件に応じた柔軟なカスタマイズ対応力が強みで、省エネルギーやコンパクト設計を通じ効率的で環境に配慮した製品を提供、品質やコスト、納期の最適化を実現している。特に粉末成形プレスでは、高精度な成形や複雑形状のほか、低酸素や低湿度などの特殊環境下での成形にも対応する。
受注仕様に応じ生産プロセスを最適化、無駄を省き効率的な生産体制を構築するとともに、顧客の課題を深く理解し信頼を築きながらパートナーシップの形成に努めている。「モノづくりサービスを通じてお客様に貢献し、共に歩むすべての人々の幸せを実現する」という企業理念の下、顧客満足度の高い高収益企業を目指す。
今後も革新を心がけ、売り上げ15億円、売上総利益率30%以上の達成を目標に持続可能な成長につなげる。その上で、効率化を徹底的に推進して競争力を高め、信頼される企業になることで、企業理念の実現へ向けた歩みを加速していく。
会社・社員・地域を活性化/三洋金属工業社長 下大川 丈晴 氏
-
三洋金属工業社長 下大川 丈晴 氏
当社が立地する大阪府門真市には数多くのモノづくり企業があり、その中でも中核となれる企業を目指し、日々努力している。企業間ネットワークの構築も盛んで、自社だけではなく地域全体が活性化できるよう情報交換を頻繁に行っている。
最近は特に人材確保に各社苦慮しており、当社もできる限りのことに取り組んでいる。昔のようないわゆる「3K」職場では若手従業員のモチベーションも上がらない。職場環境の改善は不可欠だと感じており、明るく機能的な事務所や会議室はもちろんのこと、清潔なトイレ、社員食堂の整備など、従業員のための改善を着実に進めている。
これは単に若手社員の離職を減らすだけではなく、社員全員への福利厚生という側面もある。ベテラン社員から若手社員への技術や情報の承継も当然のことながら重要で、全ての社員が活躍できる職場を目指している。
これからの5年先、10年先を見据えた戦略も考えている。今まで行ったM&A(合併・買収)によるグループ全体でのシナジーも感じ始めており、取引先からの依頼も協力会社だけではなく、グループ内で対応することで短納期を実現し喜ばれている。
これまでの実績も重要だが、それ以上に、これから伸びる企業でありたいという思いが強い。そのために何ができるのかを日夜模索し、会社や社員、地域がさらに活性化するよう、今後も努力を続けていくつもりだ。
【金融機関の取り組み】
資金・情報面から中小を積極支援/日本政策金融公庫大阪支店長 妹尾 和英 氏
-
日本政策金融公庫大阪支店長 妹尾 和英 氏
関西の景気はインバウンド(訪日外国人)が好調で、関西広域で大阪・関西万博関連のインフラ整備が活発であることなどから全体的に緩やかに回復傾向にあるが、原料高やエネルギー価格の高止まり、販売価格への転嫁不十分、人手不足などにより依然として厳しい状況にある中小企業もある。一方で設備投資や賃上げを実施し、成長に向けて積極的に取り組んでいる中小企業もあり、二極化傾向がみられる。
日本政策金融公庫では「セーフティネット貸付」や民間金融機関と連携した「資本性ローン」のほか、設備投資に係る各種融資制度で長期安定資金を供給している。さらに創業や新事業・スタートアップ、海外展開、事業承継など中小企業のさまざまな経営課題に対し、地域の民間金融機関や関係機関と連携して資金・情報の両面から積極的に支援していきたいと考えている。
万博はこの大阪に世界の人やモノ、最先端技術が集結する一大イベントだ。本当に貴重な機会でありワクワクする。何度も足を運んで未来社会を体験してみたい。中小企業にとっても「変化に対応し、変化を作り出していく、将来の成長に結びつけていくきっかけ」になってほしいと願っており、未来を共に創っていくお手伝いをしていきたい。
大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展/大阪シティ信用金庫
-
大阪・関西万博に出展する大阪シティ信金のブースイメージ
大阪シティ信用金庫(大阪市中央区、高橋知之理事長)は、大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展ブースを設け、取引先企業の支援に取り組んでいる。
2024年6月12日に同金庫の本店で出展企画に参加する事業者を集めたキックオフイベントを開催し、高橋理事長から「出展証」を授与。そのほか大阪デザインセンターによるデザインコンサルティング(効果的な展示手法)や日本政策金融公庫による資金調達方法などの紹介、出展ゾーンの空間イメージが公表された。以後、事業者とより良い出展に向け、製品のブラッシュアップや展示方法などについて、未来生活が想像できる演出を協議している。
同金庫が担当する展示期間は25年6月10-16日の7日間で、展示企画名は「未来の生活スタイル ~スマートルーム~」。出展ゾーンは「LDK(リビング・ダイニング・キッチン)」「ベッドルーム」の二つの生活空間と、「シアター」「ミライ体験」「REBORN(アップサイクル・サステナブル)」の三つのエリアで構成される。38団体が出展に参加しており、「健康・快適・サステナブルな生活」を実現し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)が達成された未来に実装の可能性がある製品・技術を展示予定。来場者が「未来の生活スタイル」を体感できるように生活空間やエリアごとにコーディネートを行い、映像や体験コンテンツを通じてリアリティーのある展示出展を目指す。
同金庫はこうした中小・スタートアップ企業の万博出展支援を通じ、大阪の未来を担う新たな基幹産業の創出につなげたい考えだ。
【有力企業紹介】
マグトロニクス/質の高いモノづくりで製造業を支援
-
多品種少量生産から量産まで対応する奈良工場
マグトロニクス(神奈川県座間市、菅正彦社長)は工作機械や産業機械の制御盤製造、ケーブル・ハーネス加工に取り組み、多彩な製造受託事業を展開している。制御盤メーカーとして月産700台の生産能力を持つ。
関西エリアに2拠点を置く。大型や専用機用の制御盤製造を手がける大阪工場(大阪府東大阪市)と多品種少量生産から量産まで対応する奈良工場(奈良県大和郡山市)だ。カスタマーサービスにも迅速に対応している。
同社は電気設計3DCAD導入で製造工数約40%削減などの実績を強みに、10月から「制御盤DXアシスト」の提供を開始した。
3DCAD導入の目的や求める効果、運用範囲などをヒアリングし、解決策を提示する。導入トレーニングや電気設計データ設計、業務改善策など、製造業のDX支援を推進する。