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大阪・関西特集
万博PR、ビジネス交流加速/関西財界
関西経済界が2025年4月開幕の大阪・関西万博を前に、万博の海外PRや万博を機にした海外ビジネス交流を加速している。中でも関西財界の11月訪中は経済交流と合わせ、中国の政府や旅行関係者に万博を効果的にPRし成果を残した。
訪中団、イベント展開し成果
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関西財界訪中代表団が北京市内のホテルで開いた大阪・関西万博のPRイベント(関西経済連合会提供)
関西財界訪中代表団(共同団長=松本正義関西経済連合会会長、鳥井信吾大阪商工会議所会頭)は11月24-28日、12年ぶりの訪中を行った。関西は経済活動で歴史的に中国と結びつきが強く、関西の財界人ら約80人が参加。北京市内で政府要人や経済界関係者らと懇談し、大規模な「中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会」も視察した。北京市内のホテルでは中国の旅行会社や旅行関係メディアを招き、大阪・関西万博のPRイベントを盛大に行った。
イベントでは日本国際博覧会協会の広報・プロモーション局長が万博内容を伝えるプレゼンテーションを実施し、中国側も中国国際貿易促進委員会が中国パビリオンのPRを行った。日本観光に関するプレゼンも実施。万博公式キャラクター「ミャクミャク」が会場に登場し写真撮影なども行われるなど、和やかな雰囲気となった。
関経連のスタッフによると、中国の旅行会社で万博に向けたパッケージツアーを企画する動きもあるという。大阪・関西万博で見込む来場者は会期の半年間で2820万人、うち海外からは350万人を見込む。大阪・関西へのインバウンド(訪日外国人)はコロナ禍で落ち込んだが、24年は回復し、万博への来場は期待される。
大商、各国代表と意見交換
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関西財界訪中代表団が北京市内のホテルで開いた大阪・関西万博のPRイベント(関西経済連合会提供)
関西経済界は万博の機会をとらえ、参加各国とのビジネス交流を推進する方向だ。
大阪商工会議所は10月、米国やドイツなど先進7カ国(G7)各国の在日商工会議所の代表者を招き、幹部同士で意見交換する会議を大阪市内で初実施した。万博やライフサイエンス、観光などの分野で議論し、25年も万博に来てもらうタイミングで同会議を行うことで合意。また大商は日本貿易振興機構(ジェトロ)と包括連携協定を11月に結び、万博に来る各国のビジネスミッション対応などで協力する。
関経連も万博を契機とした国際ビジネス交流拡大に向けたプロジェクト「万博ビジネス交流パートナーズ」を25年4月に立ち上げる。万博視察で関西を訪問する海外の政府機関や経済団体などが望む交流の受け皿とする。会員企業を対象に海外ビジネス状況の調査を行い、交流しやすい仕組みの構築を図る。
関西経済同友会も万博に備えた海外VIP受け入れに向け、海外交流委員会を強化するなど体制づくりを進めている。
万博の機運醸成に力尽くす/関西経済連合会会長 松本 正義 氏
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関西経済連合会会長 松本 正義 氏
2017年5月の関西経済連合会会長就任と同時に大阪・関西万博の誘致へ携わってきた身として、万博の姿・形が鮮明に目の前に見えてきていることに、大変な感慨を覚えている。
これまで関経連は地元経済界として、政府、大阪府・市、博覧会協会などとともに、万博開催に向けた準備に取り組んできた。併せて、関経連の会員企業に対して会場建設費のご寄付や博覧会協会への社員派遣、チケットのご購入、機運醸成の取り組みなどをお願いし、多大なご協力をいただいている。
「未来社会の実験場」というコンセプトで開催される今回の万博は、関西のみならず日本経済発展のスプリングボードになる国家プロジェクトであり、必ず成功させるとの決意を持っている。10月から旅行会社やコンビニエンスストアの店頭で紙チケットも購入できるようになり、多くの皆さまにお買い求めいただきやすい環境となった。
開幕までの残り3カ月半、全国での機運醸成に力を尽くし、多くのお客さまに安全・安心、快適にお越しいただけるよう、万全の体制で開幕の日を迎えたい。また、会期中に見込まれる各国企業や団体との経済交流の機会を十分活用し、万博のレガシー(遺産)として関西経済の発展につなげられるよう、関係者と検討を進めてまいりたい。