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大阪・関西特集
都市づくりに勢い 万博につなぐ/試される産業界の地力
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国際交流拠点として期待される「うめきた地区」 -
広大な都市型公園が広がる大阪駅前
2025年は関西にとって大きな飛躍の年になりそうだ。4月には25年大阪・関西万博がいよいよ開幕を迎えるとともに、神戸空港は30年ごろの国際化に向け、やはり4月から国際チャーター便の運航を開始。関西国際空港も万博に合わせて発着枠を拡大する。また大阪駅(大阪市北区)前の再開発地には今秋、大型ターミナル駅に直結する都市型としては世界最大規模になる公園が完成しており、関西の窓口としてその装いを一変した。関西が世界で大きな存在感を示すことができるのか。大きな一歩を踏み出す準備は整った。
10月、大阪国際空港の旅客数が初めて新型コロナウイルス感染症流行前の同月実績を上回った。これで関西国際空港、神戸空港を合わせた関西エアポート傘下の3空港すべてがコロナ禍前の19年同月実績を超えたことになり、万博を前に大きな弾みとなりそうだ。既に関空の外国人旅客は24年に入ってから19年実績を常に上回っており、神戸空港の旅客数も単月で過去最高を続けている。実際、インバウンド(訪日外国人)はコロナ禍前を上回っており、京都府では23年の観光入り込み客数が7518万人となり19年を上回った。
この勢いを万博につなげることができるのか。その基盤となるのが、関西で進む都市づくりだ。大阪駅北側の梅田貨物駅跡「うめきた」2期区域「グラングリーン大阪」の一部が先行まちびらきして誕生した約4万5000平方メートルの広大な緑地「うめきた公園」は、早くも大阪のランドマークとなっている。総事業費は6000億円の巨大プロジェクトで、全面開業は27年春ごろを計画する。既に完成している1期区域「グランフロント大阪」と合わせて年1億人の来場を目指す国際交流拠点となることが期待されている。神戸市では駅ビルなど三宮地区の再開発とともに、ウオーターフロントの開発が進む。第2突堤には大規模アリーナが4月に開業。阪神・淡路大震災から30年を経て、都市の姿が大きく変わりつつある。
そして、あと100日余りで万博が開催する。万博によって国内外での交流が深まるのは間違いない。その万博のテーマである「いのち輝く未来社会」の実現に向けて、関西の産業界がどれだけ飛躍できるのか、その地力が試される。特に今回の万博では400社もの中小企業やスタートアップが自社技術を競う「リボーンチャレンジ」も展開される。万博を踏み台に、多くの企業が成長を遂げることが期待される。