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おかやまテクノロジー展(2025年11月)
モノづくり関連の展示会では中国・四国最大クラスの規模を誇る「おかやまテクノロジー展(OTEX)2025」(岡山県、岡山県産業振興財団主催)が、11月12、13の両日、コンベックス岡山(岡山市北区)で開かれる。県内の機械系モノづくり関連企業などの新技術や製品開発力、製品などが一堂に会する。開場時間は10—17時(最終日は16時半まで)。リアル展に先立つ10月31日からは公式ホームページでオンライン展が開催された。入場料はリアル展・オンライン展ともに無料(公式ホームページで事前登録が必要)。
11月12—13日 コンベックス岡山で開催
220社・機関、420小間出展
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OTEX2024の開場から。説明を聞く伊原木隆太岡山県知事(手前左) -
今年も県内企業の最新技術が発信され、課題解決に向けた商談が行われる(OTEX2024) -
岡山県内外から今年も過去最高の来場者数を目指す(会期中延べ1万2580人が来場したOTEX2024)
岡山県は優れた技術や製品を持つ企業が数多くあり、県内総生産のうち製造業の占める割合が全国平均を大きく上回る「ものづくり県」。OTEXは「ものづくり県おかやま」を広くアピールするとともに、県内外の大手メーカーとのマッチング機会を創出し、県内モノづくり企業の販路拡大を図ることを目的とする。2016年より開催され、今回が11回目。将来の取引先となる企業をリサーチできるなど得られるメリットが多く、県内外からの来場が見込まれている。
プラスチック製品やゴム製品、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、一般機械器具、電気機械器具、電子部品・デバイス、輸送用機械器具、精密機械器具などの企業が出展するほか、会期中は基調講演や出展者によるセミナーなどが行われる。OTEXのリアル展は、コンベックス岡山の大・中・小展示場を借り切って開催される。出展総数220社・機関の内214社・機関がリアル展にブースを出す。展示小間数は420小間となり、前回に続いて400の大台を超え、盛り上がりに期待が高まる。
前回の来場者数は2日間で延べ1万2580人。過去最多を記録した。今年も1万人越えを目標とし、過去最多の更新を目指す。
会場へのアクセスは最寄りのJR山陽本線中庄駅との間で無料シャトルバスを運行。開催両日は中庄駅南口発9時15分(最終15時45分)から、コンベックス岡山発最終17時45分(始発10時15分)まで、30分おきのダイヤでバスを走らせる。岡山県内だけでなく、県外からの来場者の利便を図る。
リアル展の会場
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「岡山県『からくり現場改善』交流会」加盟企業が、モノづくり現場の課題解決や改善につながる製品・アイデアを紹介
中展示場ではブース展示の目玉となる企画展示が行われる。「岡山県『からくり現場改善』交流会」加盟企業は、生産現場で培ったノウハウや技術力を生かした製品を出品。モノづくり現場の課題解決や改善につながる製品・アイデアに、来場者の注目が注がれる。
NTN(岡山製作所=岡山県備前市)、岡山村田製作所(岡山県瀬戸内市)、倉敷化工(岡山県倉敷市)、デンソー勝山(岡山県真庭市)、丸五ゴム工業(岡山県倉敷市)、メタルテック(岡山事業所=岡山市東区)、三菱自動車水島製作所(岡山県倉敷市)の7社が、改善に貢献した製品を出品する。
大展示場では工作機械展示が行われる。アマダ(岡山営業所=岡山市北区)、TAKISAWA(岡山市北区)、岡部機械(岡山市今保)、トリツ機工瀬戸内ロボットサポートセンター(岡山市南区)が、工作機械や測定器、ロボットシステムなどを紹介する。
アマダは小物サーボベンディングマシン「EGB4010E」などを、TAKISAWAはタレット型・4軸複合CNC旋盤「TM—3000Y2」を出品する。岡部機械は岡本工作機械製作所の精密平面研削盤「PSG63SA1」などを、トリツ機工瀬戸内ロボットサポートセンターはファナックの協働アーク溶接ロボットシステム「CRX Arc Welding Package」などを紹介する。
また、来場者は出展企業の実物展示や映像による技術紹介、直接対話を通じて、加工技術の詳細や動向、可能性を見いだせる。高精度化や品質向上に向けた技術課題に即応できる企業、多品種少量生産や短納期などの要求に応えられる企業などと、自社製品の競争力、優位性を総合的に高めるための、課題解決につながる密度の濃い商談ができる。
基調講演
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充実した基調講演はOTEXの特徴の一つ。多くの来場者が出席(OTEX2024)
会期中は4件の基調講演が行われる。
【12日】
11時から「16代目クラウン開発にかけた想い」と題して、トヨタ自動車Mid—size Vehicle Company MS統括部製品企画 ZS主査の本間裕二氏が登壇。誕生から70周年の節目に4モデル出そろった16代目クラウン群「革新と挑戦」のDNA、4モデルが誕生した経緯と各車に込めた思いや技術的特徴を説明する。
13時からはテルミック代表取締役の田中秀範氏が「ものづくりのエンターテイナー企業としてのDX取組事例紹介」をテーマに、デジタル改革(DX)や自動化、3ZERO Action(紙ゼロ、ルーティンゼロ、残業ゼロ)の取り組みを紹介する。
【13日】
11時から「ものづくり中小企業 先端産業への挑戦」と題して、ねじを作る町工場・由紀精密の3代目として家業を継承した由紀ホールディングス代表取締役社長の大坪正人氏が登壇する。家業を継いで間もなく、経営を立て直し、航空・宇宙・医療などの先端産業に参入。優れた要素技術を有するものづくり企業をグループ化する由紀ホールディングスの設立と挑戦について紹介する。
13時からダイモン代表取締役CEO兼CTOの中島紳一郎氏が、25年3月に日本の民間企業として初めて月面に到達し稼働した月面探査車「YAOKI」について話す。「小型月面探査車『YAOKI』生みの親 宇宙に挑戦したベンチャー企業」をテーマに、YAOKIによって進化する究極のモビリティー技術や、宇宙への新たな挑戦を紹介する。
若年層にもアピール
県内の有力製造業が一堂に会するOTEXは、未来を担う若者に自社の事業をアピールするまたとない機会。少子化の中で深刻さが増す人材採用につなげる試みが続く。OTEXには岡山県内の工業高校など21校の高校のほか高等専門学校、大学から生徒・学生、教員ら2700人が来場する。
会場には「企業発見ラリー」が用意されている。来場する生徒・学生らはカードを受け取り、楽しみながら企業のブースを訪問できる。OTEXのブース見学がきっかけになって就職を決めた例もあり、迎える企業にも力が入る。
オンライン展 先行開幕/10月31日 主力製品の情報発信
リアル展に先駆けて、10月31日にオンライン展が開幕した。オンライン展の会期は12月19日まで。リアル展出展社に加え、6社がオンライン展のみで参加する。動画コンテンツを含めた会社案内や主力製品の情報など充実した情報が得られる。
リアルとバーチャルを組み合わせることで、企業同士の交流がより容易になる。岡山県とOTEXを舞台とした製造業の創発がいっそう進むことが期待される。
