-
業種・地域から探す
多様化・高性能化 電子機器支える最新技術
「ネプコン ジャパン」はエレクトロニクス分野の製造や実装、検査などに関する展示会。同展はテーマを絞り「インターネプコン ジャパン」「半導体・センサ パッケージング展」「エレクトロテスト ジャパン」「電子部品・材料EXPO」「微細加工EXPO」「プリント配線板EXPO」に加え、初開催となる「パワーデバイス&モジュールEXPO」の七つの構成展からなる。生産・実装に携わるさまざまな製品が集結する展示会として広く知られる。電子機器、半導体・電子部品、自動車・電装品、医療機器、ロボット・工場自動化(FA)機器メーカーの開発・設計・生産技術者らに向けて製品やソリューション、技術情報などが紹介される。
インターネプコン ジャパン
-
エレクトロニクス分野の多様化や高性能化を支える製品や技術が紹介される(第37回ネプコンジャパン) -
ハンダ材料は環境に対応した提案が行われる(日本スペリア社ブース) -
メンテナンスの頻度を削減し炉内の付着を減少するリフロー炉を提案したタムラ製作所(第37回ネプコオンジャパン)
ネプコン ジャパンの中核を担う「第38回 インターネプコン ジャパンーエレクトロニクス製造・実装展―」は、エレクトロニクス機器の多機能化・高性能化を支える最新の製造技術が紹介される。
会場は個別テーマに合わせて展示され、微細な電子部品をプリント基板に実装する「マウンター」、実装技術工程に不可欠なハンダやリフロー炉(リフローハンダ付け装置)などの装置を紹介する「はんだ」、エレクトロニクスの製造・生産・実装などにおける受託サービスの「EMS/製造受託」など五つのゾーンに分かれている。
スマートフォンや自動車のエレクトロニクス化などを背景に、電子部品や半導体の微細化が進んでいる。これらの電子部品や半導体をプリント配線板の表面に実装する技術やハンダ付け装置だけでなく、ハンダや洗浄剤・洗浄装置の技術革新、多層化するプリント配線板のめっきプロセスなど、モノづくりに関わるユーザーの生産要求に応えている。
プリント配線板に実装する電子部品は表面実装部品(サーフェス・マウント・デバイス=SMD)やチップ部品と呼ばれ、コネクターやコンデンサー、抵抗器、インダクター、集積回路(LSI)などがある。
こうした微細な電子部品をプリント配線板に搭載するための生産ラインには、高密度で高速に表面実装する技術(サーフェス・マウント・テクノロジー=SMT)が欠かせない。生産ラインはハンダ印刷機、検査機、計測器、マウンター、リフロー炉、フラックス洗浄装置、それらをつなぐ搬送装置などで構成される。
高密度に実装するマウンターは速度や安定性に加え、実装時の不良率や装置停止の低減、全自動化を目指して生産効率向上を支えている。
また実装密度の向上や電子部品の微細化、狭ピッチ化を背景とする信頼性の高い実装では、酸化防止剤(フラックス残渣(ざんさ))の洗浄が求められている。洗浄剤はVOC(揮発性有機化合物)削減に応えるなど、地球環境に配慮している。
自動車はEV、HV・HEV化に加えて安心・安全に向けて、電子部品の搭載数を拡大させている。電子部品だけでなくハンダ材料も過酷な温度、泥や粉じんなどの耐環境性、耐振動性に応えなければならない。
温度変化が激しい環境でもハンダ内のボイドで熱や衝撃によるクラックが生じないように課題を克服し、高い品質と信頼性を支えている。
ハンダ材料は微粉末ほど表面積と酸化量が増える。そのため活性化しやすく、リフロー炉での酸化を抑制するフラックスが重要になる。超微細化した電子部品をハンダ付けするために、ハンダ材料マーカーは対応している。
モバイル機器などの薄い基板では熱による基板反りを防ぐため、主にSn-Bi(スズ・ビスマス合金)組成の低温鉛フリーハンダが用いられるが、衝撃に弱い課題がある。こうした接合課題に対応したハンダ材料は、組成改良により無銀で200度C以下での低温実装でき、耐衝撃性に優れる。低温でハンダ付けできるため、電気使用量を抑え、エネルギーと二酸化炭素(CO2)排出を抑制できる。
半導体・センサ パッケージング展
「第25回 半導体・センサ パッケージング展(ISP)」は、2・5次元(2・5D)や3D実装、チップレットなど技術革新が進む半導体後工程に特化した半導体後工程の専門展。
半導体パッケージングは採用するアプリケーションにより小型化、低消費電力、高信頼性、低コストなど、求められる要件が異なる。これらには2・xDや3D、再配線層(RDL)、シリコン貫通電極(TSV)、チップレット、新たな設計手法、シミュレーション環境などの掛け合わせが必要となる。
こうした中、展示会では半導体やセンサーの製造、組み立て装置、パッケージ材料、めっき技術などパッケージ技術に特化。
表面処理技術にフォーカスした「めっき・エッチングゾーン」、設計・試作・製造・テストの受託サービスを集めた「設計・試作・製造受託ゾーン」が設けられている。
パワーデバイス&モジュールEXPO
「第1回 パワーデバイス&モジュールEXPO」は、省エネルギー化に欠かせないパワーデバイスとパワーモジュールの専門展。関連する部品・材料、製造・検査装置が提案される。自動車、エネルギー、鉄道、産業機器などに携わる来場者に、パワーモジュール製品や技術を訴求する。
エレクトロテスト ジャパン
-
エレクトロテスト ジャパンでは検査・試験装置が紹介される(第37回ネプコンジャパン)
「第38回 エレクトロテスト ジャパンーエレクトロニクス検査・試験・測定展」はエレクトロニクスの研究開発や製造分野で用いられる各種分析装置などの検査・試験装置が紹介される。研究開発や量産ラインに対応した顕微鏡や恒湿試験装置などが展示される。
また「非破壊検査ゾーン」を設置している。
電子部品・材料EXPO
「第25回 電子部品・材料EXPO」はエレクトロニクス製品の高機能化・軽薄短小化を支えるさまざまな電子部品と電子材料に加え技術手法、TSVなどの接合対応薬品などが紹介される。第5世代通信(5G)に向けの部品と材料のゾーンを用意している。設計や開発者との試作受発注、開発相談などの商談、技術相談が行える。
プリント配線板EXPO
「第25回 プリント配線板EXPO(PWB)」はプリント配線板・材料、設計・開発受託、設計ツールなどを対象とした展示会となっている。
微細加工EXPO
「第14回 微細加工EXPO」はエレクトロニクス業界向けの板金や切削、プレス、電鋳、エッチング、表面処理、素材加工技術などの精密・微細加工技術を持つ企業から最新動向が提案され、切削による超微細加工技術などが紹介される。