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MEX金沢2025(2025年5月)
日本海側最大規模の機械工業見本市「MEX金沢2025」が15—17日、石川県産業展示館(金沢市)1、3、4号館で開かれる。主催は石川県鉄工機電協会(同、中村健一会長=中村留精密工業会長)。「技術が切り拓く、未来の鼓動」をテーマに過去最大規模の850小間、279社・団体が出展する。開場時間は15、16日が10—17時、17日は16時まで。事前来場登録制で入場無料。出展企業の中から生産性向上や省力化に役立つなど特色のある製品を紹介する。
出展各社、独自製品を披露
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数多くの来場者でにぎわった前回のMEX金沢
中村留精密工業(石川県白山市)は北陸初出展となる複合精密コンピューター数値制御(CNC)旋盤3機種を展示する。1タレット1スピンドルの「AS—200」は横幅1・66メートル×奥行き1・67メートル、2タレット2スピンドルの「NT—Flex」は奥行き1・38メートルと限られたスペースに設置可能。2タレット2スピンドルの「WY—150V」はアイドルタイム短縮の機能を搭載し、生産性をアップできる。
エヌティーツール(愛知県高浜市)は、ワンタッチでドリル工具を交換できるCNC旋盤用クイックチェンジアダプター「ST・M—KH・E」を出品する。刃物台へのアダプターと工具固定のホルダーで構成。油圧でアダプター全体を拡張させ、芯ズレなく刃物台へ固定できる。機外でホルダーに工具を取り付けられるため、事前に工具長を設定できる。1本あたりの工具交換時間は従来の約54秒から約8秒に大幅短縮。段取り時間を含めた工具交換時間は月間で85%短縮できる。
渋谷工業は板金加工分野で需要が高い「しはち(4尺×8尺)」サイズに対応した2次元ファイバーレーザー加工機「SPF4125型」をはじめ、ファイバーレーザー溶接機、タンク洗浄機、油圧プレス、超音波洗浄機などを紹介する。切断、曲げ、溶接、洗浄の工程を見ることができる。
タケダ機械はオートボーラー(平板ドリルマシン)「ABP—616SⅣ」を参考出品する。建築鉄骨部材の接続に使われるジョイントプレート(スプライスプレート)の孔あけに適した機種で、オートボーラーの第4世代に位置づけている。同機の開発に合わせてデザインを一新した。省エネと生産性向上を両立する。
津田駒工業は数値制御(NC)傾斜円テーブルのボールドライブとダイレクトドライブを合わせた切削旋削加工複合モデル「TDB—200R、F」、大型の加工対象物(ワーク)向けの振り回し径拡大モデル「TWS—500R」などを出品する。小型加工機「MDP—002」は100ボルト電源で稼働し、オフィスや研究室に設置が可能。金属3次元(3D)プリンターの後加工などに適している。
大野精工(愛知県西尾市)は放電加工機の販売や精密部品加工などを手がける。中国の三光科技と提携し、国内総代理店として炭化ケイ素(SiC)や難削材加工に対応したモリブデンワイヤ放電加工機「HBシリーズ」を扱う。独自のワイヤカット用平行出し治具「PADシリーズ」など自社製品も販売。20度Cで誤差1度Cの恒温室を備え、表面粗さ(Rz)0・2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の鏡面ラップ加工にも対応する。
白山機工(石川県白山市)は細部まで忠実に再現した模型で工作機械用チップコンベヤーを紹介。遠隔でプログラム変更や状態監視が可能な近未来デザインの「スマートチップコンベヤ」の実機を参考出品する。板金加工技術を生かして制作した自動体外式除細動器(AED)を収納する「AEDBOX」も展示する。
松本機械工業(金沢市)はロボットを活用した「一直24時間」による加工の自動化を提案する。自動段取り替えロボットシステム「スマートテラスAIO」を使用し、異径ワーク段取り替え対応の「HQJC」によるチャック爪交換、三つの爪を治具と同時交換する「AJC」によるプレート交換を実演。また、ケレ自動交換の実演をジェイテクト製円筒研削盤とのコラボレーションで実施する。
京町産業車輌(同)は荷役・運搬のための省力化機器を扱う。「インバーションリフト」はボタン操作で材料などを昇降、反転投入できる機器で、ドラム缶や特殊容器の投入作業にも対応可能。「ロール反転リフト」は内径・外径チャック式などがあり、重いロールを容易に反転し機械に装着できる。
石川製作所は世界最高クラスの生産量を誇る段ボール製函印刷機を手がける。段ボールシートに印刷し、切り込みを入れて穴を開け折りたたんでいく様子を映像で紹介する。
大同工業は「バキューム搬送コンベヤ『EcoCuum(エコキューム)』切り出し装置」を提案する。背面搬送を活用し、重なった製品を分離させることでロボットや計数機にスムーズに供給できる。従来のロータリーフィーダーや振動フィーダーでは困難だった液体入り食品小袋にも対応可能。アソート品の袋詰め、箱詰め、自動投入装置などロボット活用による省人化を強力にサポートする。
オリエンタルチエン工業は多品種小ロット生産による特殊チェーンを手がける。伝動用ローラチェーン、コンベヤチェーンなどの製品をPRする。
今井電機(金沢市)は北陸唯一の乾式変圧器メーカー。パワーコンディショナー用架台付変圧器、環境特化型製品などを展示する。
疋田産業(同)は無人搬送車(AGV)、自律移動ロボット(AMR)をメーンに展示。MEX金沢の期間中にワークショップを開く。
同時開催の「ビジネス創造フェアいしかわ2025」では板金溶接加工のDAISE(ダイセー、金沢市)など石川県内の優れたモノづくり企業が多数出展する。