メカトロテックジャパン２０２５（2025年10月）

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　１０月２２日から２５日までの４日間、ポートメッセなごや（名古屋市港区）で開かれる、工作機械見本市「メカトロテックジャパン（ＭＥＣＴ）２０２５」の開幕まで１カ月に迫った。今回のテーマは「この発見、激アツ！」。過去最多出展者数となり、出展各社が最新技術やサービス、自慢の製品を披露する。主催はニュースダイジェスト社（名古屋市千種区、八角秀社長）、愛知県機械工具商業協同組合（同熱田区、水谷隆彦理事長）との共催。

多彩な技術が集結

新製品を会場で披露

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　オークマは「自動化・省人化・工程集約」をテーマに生産性を向上するソリューションを紹介する。目玉となるのが小型横型マシニングセンター（ＭＣ）「ＭＳ－３２０Ｈ」。機上ローダーとストッカーを組み合わせることで、省スペースな自動化加工セルを実現する。

　このほか、ビルトインロボットを搭載した複合加工機「ＭＵＬＴＵＳ　Ｂ２５０Ⅱ　ＡＲＭＲＯＩＤ」や移動式協働ロボット「ＯＭＲ２０」で簡単な自動化を実現したコンピューター数値制御（ＣＮＣ）円筒研削盤「ＧＰ２６Ｗ」、旋削工程も集約できる５軸制御立型ＭＣ「ＭＵ－４０００Ⅴ－Ｌ」の４台を展示する。

　カトウ工機（神奈川県平塚市）はＭＣ用バリ取りホルダー「ＳＴ２０―ＤＢＲ７－ＳＣ」を紹介する。１０ミリメートルの縮み機構を内蔵し、加工対象物（ワーク）に倣って表側面のバリを除去する。ワーク材質に応じてバネ荷重は４段階切り替えできる。防塵機構により摺動（しゅうどう）部への切りくず侵入を防ぐ。最大保持工具径は７ミリメートルで、超硬ロータリーバーを取り付けて使用する。使用時の最高回転数は１分あたり８０００回転。

　バリ取り工程は自動化が進んでおらず、手作業に頼っているのが現状。ＭＣを用いて自動化することで、品質のばらつきを抑制する。

自動化、精密加工にニーズ

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　共立精機（宇都宮市）は全自動ツールプリセッター（工具測定機）「ＨＰ－６０４０Ⅴ」に工具交換用の締緩装置や搬送用ロボットなどを組み合わせ、工具段取り作業の完全自動化を実現したＦＡタイプを提案する。締緩装置を工具測定機と一体化し、ツーリングをセットした状態で工具交換から突き出し量の調整、刃先の測定まで行うことができる。

　さらにモノづくり支援ソフトウエア「ツールマネージャ」も紹介する。加工に必要な情報を一元管理し、作業の効率化をサポートする。人工知能（ＡＩ）が刃先の微細な付着物を５秒で検知し、それを除去した工具寸法を測定することで、測定誤差によるトラブルを解消する。

　ジェイテクトマシンシステム（大阪府八尾市）は、センターレス研削盤「ＫＣＬ５０」と、同社研削盤のラインアップ紹介を実施。さらに精密機器であるスピンドルも出品する。

　自動車・工具・情報通信・医療など幅広い業界で活躍するＫＣＬ５０は、多種多様な材質、長さ、形状のワークに対応する小型研削盤。今回は極細長尺成形向け仕様の実機を展示する。工具研削では直径０・０５ミリメートルまで、１工程で多段成形できる。独自の機上放電ツルーイングとインスルー研削技術で、極細加工を可能にした。

　住友電気工業は、「Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ　ｆｏｒ　ａ　Ｂｅｔｔｅｒ　Ｔｏｍｏｒｒｏｗ」をテーマに、自動車・電気自動車（ＥＶ）や精密加工部品、航空機といった産業別展示コーナーを設け、各種産業向けにさまざまな製品を展示する。

　小型・自動旋盤用工具「ＳｕｍｉＳｍａｌｌ」や最大Ｌ／Ｄ（工具突き出し長さと工具径の比）が７の深穴加工に対応するインサート交換式ドリル「ＳｕｍｉＤｒｉｌｌ　ＧＤＸ型」などを展示。そのほか、同展で初披露となる新製品も用意する。会期中は、ステージでプレゼンテーションも予定する。

自動車産業の大型化に対応

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　津田駒工業は大物のワークに対応した最大ワーク径８００ミリメートルの「数値制御（ＮＣ）傾斜円テーブル　メガワーク加工モデル」を参考出品する。近年の自動車部品の大型化に対応できるほか、３種類の駆動要素の中から加工に適した仕様を選べる。

　ＮＣ傾斜円テーブル「ＴＤＢ－２００」は最高で毎分３０００回転の高速回転が特徴。ワンチャッキングで旋削・切削加工ができ、生産性向上に役立つ。また、３０番のＭＣに対応するパレットチェンジャー式の自動ワーク交換装置（ＡＷＣ）も参考出品する。

　日進ＰｒｏＳＯＬ（京都府京丹後市）は今年４月、日進製作所のグループ事業組織再編により発足した。

　ＰｒｏＳＯＬは「ＰｒｏＤＵＣＴＩＯＮ　ＳＹＳＴＥＭ　ＳＯＬＵＴＩＯＮ」の略で「情報システムを活用し、目標を成し遂げる」という強い意志を込めたという。

　「世界中の顧客とモノづくりを発展させること」を目標に、これまでに培ってきたノウハウを活用し生産現場の自動化・スマート化の開発を進める。

　同展では荒加工・仕上げ加工・測定を集約した拡張式マンドレル搭載のホーニング盤「Ｇ７５型」のシミュレーターや、自動化・省人化装置、監視制御システム（ＳＣＡＤＡ）と同社のノウハウを組み合わせたサービス「サガネ係長のスマートファクトリー」を展示する。

　松浦機械製作所（福井市）は「もっと！工程集約・簡単無人運転」をテーマに、顧客の自動化導入の不安解消と効率化を支援する。機械とコンピューター利用設計・製造（ＣＡＤ／ＣＡＭ）ソフトウエア、アプリケーションを統合したソリューションを展示。自動化に初めて取り組む顧客にも手厚くサポートする。

　国内初出展の５軸複合ＭＣ「ＭＸ－５２０Ｔ　ＰＣ７」や、最新ＣＡＤ／ＣＡＭシステム「ＧｉｂｂｓＣＡＭ２０２５」、無人運転に対応する基本ソフト（ＯＳ）「ＭｉＯＳ ４」、金属３Ｄプリンター「ＬＵＭＥＸ　Ａｖａｎｃｅ－２５」を実演・展示する。

長時間稼働を実現

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　松本機械工業（金沢市）は自動段取り替えロボットシステム「スマートテラスＡＩＯ」のＳシリーズ最小モデル「ＡＩＯ－Ｓ７ＳＦ」など２機種を紹介する。「一直２４時間」をテーマに１７時から翌朝８時までロボットが人に代わって連続加工する技術を紹介。量産加工、多品種少量、１品流しに対応でき、人手不足や変種変量生産の課題解決策を提案する。

　旋削加工の自動段取りに特化した周辺機器の実演も行う。短時間での爪交換が可能で爪交換精度が高い「ＨＱＪＣ」、三つの爪を同時交換できる「ＡＪＣ」といった同社製チャックを用意する。

　丸一切削工具（大阪府東大阪市）は「チップ交換式油圧Ｏリングポートシート面カッター」を出品する。難加工箇所である油圧部品のシート面に特化したカッターで、総型バニシングの形成やロウ付けタイプしかできなかった加工を標準でスローアウェー（刃先交換）化する。工具費用とランニングコストを大幅に低減でき、上面Ｒ加工と座ぐり加工の工程集約も実現する。

　管用平行ねじ日本産業規格（ＪＩＳ）（ＰＦ）用、メートルねじ（Ｍ）用、ユニファイねじ規格（ＵＮＦ・ＳＡＥ）用の４種に加え、荒加工用、内部給油式タイプ、ＰＦ８分の１インチ対応の小径タイプも追加。全６２種類のラインアップとした。

　ユナイテッドグラインディングとユナイテッドマシニングは、新グループのユナイテッドマシニングソリューションズとして日本で初めて共同出展する。

　会場ではユナイテッドグラインディングは、スチューダの複合円筒研削盤「Ｓ３１」とリニューアルしたエントリーモデルの同「ｆａｖｏｒｉｔＣＮＣ」を展示する。このほかワルターの工具放電研削盤や、極小径工具測定機「ヘリチェックナノ」なども実機紹介する。

　ユナイテッドマシニングからは、レーザーテクスチャリング加工機「ＬＡＳＥＲ　Ｓ　５００　Ｕ」の実機を持ち込む。高精度部品・工具製造技術による生産性向上のソリューションを提案する。

　出展各社は人材難を背景として自動化や省力化などに貢献する製品開発に積極的に取り組んでいる。また自動車産業が大きな変革期にある中、蓄積した技術を活用し新たな経営の柱となる事業を展開しようと考える中小企業は多い。こうしたニーズに対応した小型加工機などもさまざま出展される。製造業が産業の中核を担う中部地域にとって、今年のＭＥＣＴは新たな挑戦へのきっかけとなりそうだ。