-
業種・地域から探す
現場測定器
ワイヤレス技術を搭載した電子測定器のラインアップが増え、電気設備の施工や保守、メンテナンスなどのフィールドの作業で活躍している。こうした測定器はハンドヘルド型で「現場測定器」と呼ばれ、電圧や電流などを計測する。機能や性能面に加え、無線通信技術によりスマートフォンやタブレット端末と連携する機器の投入が加速している。同時にアプリケーション(応用ソフト)による測定結果などの処理において、作業者や管理者の利便性を高めている。
スマホ・タブレット端末と連携加速
測定者1人で現場対応
-
サーモグラフィーカメラで測定した温度画面(提供:共立電気計器)
現場測定器は近距無線通信規格「ブルートゥース」などのワイヤレス技術を取り入れて、市場投入されるモデルが増加している。
現場測定器は電圧や電流、抵抗の値を測定するマルチ・メーターやクランプメーター、絶縁抵抗計、接地(アース)を測定する接地抵抗計のほか、照度計などがある。測定の目的や対象に応じた多くの測定器が用意されている。
マルチメーターは直流(DC)と交流(AC)の電圧、電流、抵抗などの測定を1台で行える。測定値を指針で表示するアナログタイプと、デジタルで表示するタイプがある。クランプメーターは配線を挟み込むことで、回路を切断することなく通電状態の電流を測定し大電流にも対応する。絶縁抵抗計は電気機器や電路の絶縁状態を調べる。
こうした現場測定器にワイヤレス技術を搭載することで、現場で測定したデータをスマホやタブレットなどの端末に転送できる。これまで測定者と測定値の記入者の2人が必要とされた現場が、測定者1人で対応可能となる。測定箇所が多い作業場での測定時間短縮や、手入力による記載ミスをなくすことができ、リポート作成なども容易に行える。
またアプリは端末側の使いやすさや利便性、測定値を波形やグラフ表示する視認性など、ユーザーの測定要望を反映し、作業効率を高める。
測定画像、即時に表示・保存
今秋には共立電気計器から、無線LANを搭載したサーモグラフィーカメラが発売される。タブレットやスマートフォンで、測定した画像などをリアルタイムに表示したりやデータ保存したりできる。
サーモグラフィーカメラは温度を面で測定することができ、異常箇所を寒暖色と数値で表示する。そのため配電盤内や設備機器など異常発熱の熱発生による箇所を可視化し、早期に発見する。
共立電気計器はケーブルの劣化や端子緩みなど電気設備診断、生産ラインやモーターなど産業機械診断、太陽光パネル内の断線といった太陽光発電設備における保守・メンテナンスに向けて提案する。
こうしたワイヤレス技術を生かした現場測定器やアプリは、働き方改革の推進や効率化に貢献しており、販売コストでは見えない作業効率の向上、省人化など高いメリットを背景に注目を集めている。