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「2024年問題」知恵と技術で解決
国際物流総合展は内外の最新物流機器・システム・情報など、ソフトとハードを一堂に結集し、交易振興・技術の向上・情報の提供・人的交流を促進することを目的とする。イノベーションEXPOは初回が2020年2月、第2回が21年10月で、3回目の今回は過去最大規模での開催。
昨今、電子商取引(EC)の拡大による宅配便の急増や、多品種・小ロット輸送の増加により、トラックの積載効率の低下を起因とする物流コストの上昇が深刻化している。併せて、少子高齢化による構造的かつ長時間労働の慢性化という課題を抱えるトラックドライバー不足は、容易に解消できない根深い課題だ。
働き方改革関連法によって24年4月1日以降、トラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用される。その結果、労働環境が改善される一方で、ドライバーの収入減少を招く可能性も示唆されている。いわゆる2024年問題だ。
ロジスティクスが企業競争力を左右する要所となっている今、これらの課題に早急に対処していかなければ、いずれモノが運べなくなることで、成長を制約する重大な要因となり、物流危機を起こしかねない。
このような課題を解消するべく、企業はサプライチェーンの構造改革や企業間の協調・連携による物流の効率化の徹底が不可欠だ。ロジスティクス・物流に関わるあらゆる技術、知識、情報を集約、フル活用し、経営の変革を促進することが求められている。今回のイノベーションEXPOではそうした課題の解決に向けた有効なヒント、解決策が一堂に会すると、大きな期待が寄せられている。
主催者パビリオン
主催者パビリオンとして、「2024年のその先へ―フィジカルインターネットによる未来への進化―」が企画展示される。2024年問題や物流の徹底効率に対応するため、40年を目標とした物流のあるべき将来像である「フィジカルインターネット」の実現がテーマだ。「いま」を知り、「みらい」を創るための足掛かりとして、多様なソリューションを展示し、課題解決の糸口を見いだすきっかけの場となることを目的としている。
出展者セミナー
出展各社のさまざまな製品・サービス・ソリューションや導入事例などを紹介・解説する出展者プレゼンテーションセミナーが展示ホール内にもうけた二つの特設会場で開かれる。3日間で50を超えるセッションを予定している。2024年問題、脱炭素、デジタル変革(DX)先端技術、自動化・省人化など「物流」を多くの側面から捉えた価値ある提案となる。聴講無料、当日会場受け付け(先着順)。定員70人、総入れ替え制。
イノベーションフォーラム
会期中、会議棟のレセプションホールBでは同時開催カンファレンスとして、「ロジスティクスイノベーションフォーラム」が開かれる。産業界の関心が特に高いテーマを取り上げ、物流・ロジスティクスが抱える課題・目指すべき将来のビジョンや、効率化・高度化を実現するソリューション、先進的な取り組み事例などを広く情報発信する。
フォーラムのテーマは13日が「物流構造改革に関するイノベーション」、14日が「物流DX推進に関するイノベーション」、15日が「物流ネットワーク強靭化に関するイノベーション」。連日3講演が行われる。
聴講無料(事前登録制・先着順)、各講演とも定員400人。詳細なプログラムや聴講申し込みは公式ウェブサイトへ。
バーチャル物流展
この展示会では出展者、来場(対象)者に対し、時間や場所の制約がないオンラインを活用した商談機会として「バーチャル物流展」が9月29日まで開設される。各社の製品や企業の情報発信に加え、会場での併催フォーラム・出展者プレゼンテーションセミナーのアーカイブ動画も配信予定だ。