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工作油剤・クーラント&関連機器
工作油剤・クーラントは金属の切削加工や圧延などの機械加工において、加工対象物(ワーク)と工具の表面に薄い油の膜をつくり、潤滑や加工熱の冷却、切りくず除去といった役割を担う。モノづくりのキーマテリアルとして不可欠な存在で、幅広い産業分野の発展を下支えしている。製造現場の環境対応や省人化などの取り組みが進むにつれ、これらを後押しする油剤・関連機器の開発も活発化しており、各社ともニーズ対応を強め、需要拡大を図っている。
工作油剤・クーラント&関連機器
工作油剤は切削をはじめ圧延やプレス、引き抜き、鍛造など幅広い分野の製造現場で使われている。潤滑、冷却、洗浄といった用途の中でも特に潤滑が油剤の基本機能となる。被削材と工具の表面に形成される分子膜が摩擦を抑え、工具の摩耗を低減。加工精度の向上にも大きく貢献する。
油剤・クーラントの浄化や再利用技術も進展し、さまざまな設備・機器が開発されている。これらは廃液の発生量を抑え、回収や廃棄にかかわる手間やコストの削減、省スペース化につながる。
あるメーカーはクーラントの浮上油を高効率で回収する装置を開発。マシニングセンターや旋盤に取り付けて使用する装置で、回収ベルトの改良により9割の回収率を実現している。また別のメーカーはクーラントを任意の濃度に自動調整する希釈装置を製品化している。濃度計を内蔵し、水分の蒸発などに影響されずにクーラントの濃度をプラスマイナス1%内に管理できる。
カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けた取り組みが加速する中、環境対応は製造業にとって解決すべき重要なテーマの一つになっている。油剤・関連機器を扱うメーカーも今後、一段の効率化や現場環境の改善、環境と調和する製品などの開発を積極展開することで、モノづくりの発展をサポートし続けていく。