-
業種・地域から探す
川越の歴史をつなぐ有力企業
武州ガス/あらゆる分野で地域の暮らしをバックアップ
-
「武州瓦斯水産研究所」では環境に配慮したウナギの養殖を手がけている
武州ガスは天然ガスを埼玉県西部地域を中心に提供し、人々の暮らしや企業活動を支えている。コージェネレーションシステム、太陽光発電を組み合わせた省エネルギーシステムを提案するなど、豊かで快適なまちづくりに貢献している。
新事業にも意欲的で、ウナギの養殖事業では陸上養殖施設「武州瓦斯水産研究所」(埼玉県東松山市)を設立。地下水を循環利用する独自の濾過システムで排水量を最小限に抑えながら、再生可能エネルギーの太陽光発電を活用し環境に配慮した養殖を手がけている。2023年度は合計2万6000尾程度を出荷する予定。養殖したうなぎは、かば焼きに加工し「武州うなぎ」として7月から電子商取引(EC)サイトで一般販売している。柔らかく、臭みもないと高評価でリピート購入もある。通販での販売を軌道に乗せながら、うなぎ店の出店計画を進めていく方針だ。
また、直営のコインランドリー「b laundry」を川越市、ふじみ野市の2地域に開業。ガスの提供だけではなく、食分野などあらゆる分野で地域の暮らしをバックアップしていく。
タカインフォテクノ/地方都市全体のデジタル化推進を支援
-
川越市を中心に埼玉県全体の中小企業に向けたデジタル変革(DX)化の推進を支援する
タカインフォテクノは大企業向け運用システムエンジニア(SE)業務を主軸にしつつ、川越市を中心に埼玉県全体の中小企業に向けたクラウド化、システム開発、各種プロダクト販売など、デジタル変革(DX)化の推進を支援する。
近年は行政や地域団体とも連携し、都市全体のDX推進、スマートシティー(次世代環境都市)基盤の底支えを視野に活動を続ける。「地方の都市や中小企業のデジタル化推進は、地方都市のベンダーの存在も今後重要になってくる」(阿部将永副社長)。
近年はアプリケーション開発にも力を入れており、中小規模事業者の「ものづくり」をデジタルの側面から支援している。
「都市や企業のDX推進を同じチームの一員として取り組んでいきたい。サッカーで言うところのリベロのように、その最終ラインをデジタルの力で支えていく」(開発部寺尾リーダー)。Society5・0の社会実現に向けたデジタル側面での下支えをしていく。
ユウアイ電子/校正サービスの範囲を拡大
-
日本電計が販売する独EPPINGの実機を使った技術講習会を実施
ユウアイ電子は計測機器の校正サービスを提供している。校正機関の国際規格「ISO/IEC17025」をいち早く取得。認証範囲を広げているほか、情報セキュリティー管理システムの国際規格「ISO/IEC27001」を取得するなど、厳格な管理体制を敷いている。
大阪府吹田市にある西日本校正室を移転し、拡張した。校正作業台や機材置き場のほか、打ち合わせスペースなどを設置。人員も従来の2倍の5人体制にした。親会社の日本電計が販売する独EPPING社の測定装置などをサポートするほか、関西圏の電機メーカーに校正サービスの提案を強化していく。
今後のテーマは事業継続計画(BCP)だ。荒川克之社長は「当社は顧客のデータ・製品を扱っている。災害時でも継続して事業ができるようにする」とし、マニュアルづくりに取り組むほか、事業継続管理システムの国際規格「ISO22301」の取得に向けた準備を進めていく。
新報国マテリアル/インバー合金・積層造形を世界に
-
3Dプリンターでは従来難しかった複雑形状品の軽量化が実現できる(試作品)
新報国マテリアルは温度変化による膨張・収縮を抑えた低熱膨張合金(インバー合金)のトップメーカーだ。マイナス228度Cから30度Cまでゼロ膨張で、高ヤング率、耐食性の極低温高剛性ゼロインバー「IC―DX」を世界で初めて実用化した。また、SPIE(国際光工学会)での講演が評価され、光学分野で世界最大の出版社「SPIE Press」からインバー合金に関する英文学術書の執筆依頼を受けている。
新たな成長に向けて取り組むのがインバー合金の世界展開と3Dプリンターの製品化だ。従来難しかった複雑形状品の軽量化が実現できることから、3D積層造形技術を持つ東金属産業(静岡県沼津市)との提携を強化するとともに、自社の三重工場(三重県川越町)へ3D製造設備の設置も決定。産業機器メーカー向けに試作実績を積み上げている。
また、耐塩素・耐熱合金「EGNIS(イグニス)」は、ゴミ焼却炉用部品のストーカー(火格子)で実証実験が進行中だ。データ収集とともに商品化を進めている。
根岸製作所/遠赤外線乾燥機やコーターの提案力に磨き
-
三芳工場にテスト機を設け、乾燥テストや製品チェックが可能
根岸製作所は遠赤外線乾燥機やコーターをはじめ、各種自動機・製造ライン、揮発性有機化合物(VOC)排気脱臭装置などの開発・設計、製造までを自社で手がける。
遠赤外線乾燥機はフィルムや紙、不織布などの生産過程で使用され、独自開発した高効率の「SLセラミック」を搭載。短時間で高品質な乾燥ができ、クリーンルームでの使用や防爆仕様も対応可能だ。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を背景に、熱風乾燥機からの切り替えを検討する顧客が増加。温度ムラがなく製品劣化が少ない点も評価されている。
また、研究機関のNEGISHIKEN(川越市)でVOC吸収装置の開発などを手がけるほか、三芳工場(三芳町)にテスト機を設け、乾燥テストや製品チェックが可能。10月に就任した根岸有希社長は「機械の説明や迅速なトラブル対応など、お客さまに親身に接することに注視する」とし、顧客のニーズに合わせた提案力に磨きをかけていく。
フロロコート/高放熱コーティングで軽量・省スペース寄与
-
「熱トルネード」は放熱材を塗布するだけで高い放熱機能が得られる
フロロコートは表面改質技術で社会課題の解決に貢献している。中でも新しいテーマとして力を注ぐのが「放熱」だ。高放熱コーティング加工「熱トルネード」は、熱を赤外線などに変換して熱を伝える輻射技術を活用。放熱材を塗布するだけで高い放熱機能が得られるため、熱がこもりやすい筐体(きょうたい)内部などに有効。アルミニウムや銅など熱伝導に優れた材料と組み合わせることで最大30%の熱低減効果を発揮する。ヒートシンクやファンなどに代替して、軽量・省スペース、省エネルギーに寄与する。
電子機器の小型化・高性能化をはじめ、車の電動化など多様な分野で熱対策の重要性が高まっている。熱トルネードへの周知も広がり、試作件数も増加している。諏訪部充弘社長は「これまでも『くっつかない』『すべらせたい』など顧客のニーズから材料を開発し、製品を供給してきた。コーティングで顧客の困りごとを対応していく」と意気込む。
サンテックス/24カ所でモノづくり展示会
-
埼玉県を中心に24拠点でモノづくり展示会 「24エリアサーカス」を開催する(写真はイメージ)
サンテックスは2024年から埼玉県を中心に24拠点で地域密着のモノづくり展示会「24エリアサーカス」を開催する。自動化や省力化、省エネルギーなど製造業が抱える課題について、製造業の責任者とマッチしそうな装置メーカーとを展示会場でダイレクトに話す機会をつくる。
同社はファクトリーオートメーション(工場の自動化)の実現に向け、設備工事やライン全体のコーディネートを手がけ、オンラインで異業種マッチングサービス「装置ネット」を実施している。メーカーは効率的に自動化できる投資先を開拓できるほか、装置メーカーは自社の技術を生かせる新たな場所を発見できる。
エリアサーカスでは装置ネットの紹介や新製品展示、ゲームやミニコンサートなどを企画。24年2月7日に東松山市民文化センター(東松山市)を皮切りに、2月9日に入間市産業文化センター(入間市)、3月6日にサンシティホール(越谷市)で実施していく。
未来に向けた一歩に支援/日本政策金融公庫 川越支店長 桑島 新之介 氏
-
日本政策金融公庫 川越支店長 桑島 新之介 氏
コロナ禍が収束に向かう中、 川越を訪れる人は増えており、 インバウンド(訪日外国人)需要が高まるなど街に活気が戻ってきている。一方、コロナ禍の痛手がまだ残る中小・小規模事業者は数多く、原材料高や人材不足なども加わり、厳しい経営を余儀なくされる状況が続いている。
歴史ある老舗企業も例外なく厳しい経営環境にある。だが、自社の強みを見つめ直し、既存事業を磨き上げたり、新規事業にチャレンジしたりして、果敢に攻める経営者は少なくない。
事業転換や海外展開に挑む老舗和菓子店や従業員の技能向上で生産性を高め事業再生に取り組む中小製造業などだ。未来に向けて確実な一歩を踏み出す川越の中小・小規模事業者に寄り添い、政策金融機関の役割を発揮していく。