-
業種・地域から探す
第50回優秀環境装置表彰
日本産業機械工業会(産機工)が主催する第50回優秀環境装置表彰式が3月21日に行われた。同表彰事業は環境保全技術の研究・開発と、優秀な環境装置の普及促進を目的としている。50回の節目を迎えた今回は、JFEエンジニアリングが開発し、経済産業大臣賞を受賞した「水噴射と圧力波を組み合わせた高効率ボイラクリーニング装置」をはじめとする、全13件の装置が栄誉に輝いた。
独創性・性能・経済性・将来性
優れた装置 13件表彰
優秀環境装置表彰は公害が大きな社会問題となっていた1974年に「優秀公害防止装置表彰事業」として始まった。以降も、時々の環境面の課題解決に取り組む装置を取り上げてきた。公害予防を目的としていた環境装置は現在、環境負荷を低減させる装置として、より広い範囲を対象としている。環境装置メーカー各社は持続可能な社会の実現に向け、盛んに技術開発を行っている。
表彰の対象は地球環境保全に貢献する環境装置で、分野は大気汚染防止、水質汚濁防止、廃棄物処理、騒音・振動防止、土壌・地下水汚染修復、再資源化、温室効果ガス(GHG)の分離・回収・処理、これらの技術に付随したエネルギー・資源利活用、化石資源の代替品製造、その他環境負荷低減に資する装置となる。
また発売後10年以内で、性能が十分に評価できる規模と稼働実績が求められる。
審査はまず、審査ワーキンググループ(WG)が応募のあった環境装置の一次評価を行う。一次評価では、「独創性」「性能」「経済性」「将来性」のそれぞれの観点から、従来装置や類似装置と比べて優れている点を評価する。これを踏まえ、納入先での実地調査が行われる。
実地調査では、申請者による概要説明のほか、審査委員から納入先のユーザーへの質疑応答も行われる。装置の使い勝手、従来装置や類似装置と比較した評価などの聞き取りが行われる。これらの評価を基に、審査委員会で総合的に勘案して審査を行い、各賞を選定する。
今回は24件の応募があり、13件が受賞した。排水や廃棄物の減少に対応しつつ、適正処理と効率的なエネルギー回収を持続的に行う装置が目立った。各賞に選ばれた装置は表の通り。
持続可能な社会実現 都内で「表彰式」
-
経済産業大臣賞や経産省脱炭素成長型経済構造移行推進審議官賞など5賞が授与された(産機工提供)
表彰式は3月21日に都内で行われた。
産機工の金花芳則会長は「化石資源代替品の拡大はカーボンニュートラル(GHG排出量実質ゼロ、CN)実現には不可欠で、今後期待される分野」と強調した。また「環境技術の研究・開発はCNやサーキュラーエコノミーの実現、わが国の成長につなげていく上でより重要性を増す」と訴えた。
受賞者を代表し、経済産業大臣賞を受賞したJFEエンジニアリングの関口真澄副社長が謝辞を述べ「我々装置メーカーにとって、持続可能な社会の実現に向けて新たな課題に挑戦することが、大きな使命」と語った。
また「受賞の栄誉を糧にモノづくりの責任と意義を改めて心に刻み、引き続き技術の発展と環境装置の普及に貢献していきたい」(関口副社長)と喜びを語った。