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多様化する今に挑む CASE1
サクラテック/レーダー心拍・呼吸センサー「miRadar8≪Handy≫」
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レーダー心拍・呼吸センサー「miRadar8《Handy》」
非接触でバイタル情報 遠隔収集
サクラテック(横浜市港北区)は非接触でバイタル情報(心拍・呼吸・体動)を計測できるレーダー心拍・呼吸センサー「miRadar8《Handy》」を製品化している。健康状態を24時間監視する必要がある介護・看護の現場だけでなく、日常の健康管理やペットの観察など多様な用途が見込まれる。レーダーは追従性を備えており、夜間の介護施設などで認知症の入所者がベッドを離れてしまうような事態も検知できる。
高齢化社会を迎え、バイタル情報を遠隔収集して身体機能を総合評価し、人工知能(AI)によりケアプランを作成する科学技術振興機構(JST)の「日本―カナダ国際産学連携共同研究」に参画。3年間の共同研究も始動している。
横浜ガルバー/環境対応・3元素系合金メッキに強み
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溶融亜鉛アルミニウム合金メッキ(AZ)加工
最新設備・技術の新工場で生産
横浜ガルバー(横浜市鶴見区)は1951年の創業以来、メッキ技術で各種インフラに使われる鋼材を錆から守ってきた。
近年はカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みを推進している。省エネや二酸化炭素(CO2)低減のために最新設備を導入した鶴見駒岡工場(同市鶴見区)は23年3月に日本産業規格(JIS)H8643の認証工場となった。
耐食性に優れた溶融亜鉛アルミニウム合金メッキ(AZ)は、公共インフラ関連の企業や洋上風力発電などから塩害対策としての引き合いが増加。高口謙一専務は「原材料の高騰や人材不足など課題もあるが、顧客の高耐食・長寿命の要求に応えて情報発信にも力を入れていく」と話す。
セラリカNODA/日本特産の木ろうで循環型社会に貢献
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木ろう特有の粘靭性が高級化粧品の感触を生み出す
肌なじみ良く高級化粧品向け
セラリカNODA(神奈川県愛川町)はさまざまな植物ろう製造のエキスパートで、日本産のはぜの実から抽出する木ろうや、米ぬかから抽出したライスワックスに力を入れている。
木ろうは愛媛県大洲市の工場で抽出され、神奈川の本社工場で白く不純物がない製品になる。大洲市は木ろう生産で栄えた江戸~明治期の街並みが残り、その古民家をリノベーションしたホテル等が評価され持続可能な観光地の文化・伝統保全部門で昨年世界一を受賞した。肌なじみが良い木ろうをクリームや整髪料の材料として国内外の高級化粧品メーカーに展開している。遺伝子検査で実の品種を明確にし、物性を際立たせた木ろうをベースにした製品開発を進めている。
東邦電子/創業60周年、社内で新製品アイデアを募集
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創業60周年を記念して開発したデジタル温度調節計「TTM―60シリーズ」
デジタル温度調節計に新シリーズ投入
東邦電子(相模原市緑区、河本悟社長)は、2023年に創業60周年を迎え、社内で広くアイデアを募集してデジタル温度調節計シリーズの新型「TTM―60シリーズ」を開発。同製品は2チャンネルの入力が可能で、制御や警報用入力が独立するほか、複数の温度調節計を連携させていたカスケード制御に単体で対応している。温度調節計2台分の機能を搭載し、省スペース化に貢献する。
同社の無線センサーネットワークシステム「neoMOTE」対応製品と連携すれば、データをクラウド上で管理が可能。同社の温度調節計は半導体関連機器、食品・プラスチック機械、工業炉など広く活用され、今後も画期的製品を開発していく。
東都冶金/リヴァイタライズエンジニアリング
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リヴァイタライズエンジニアリング事業の要となるHIP装置
亀裂修復・金属組織を再生
東都冶金(横浜市港北区)は真空熱処理と熱間等方圧加圧(HIP)処理を二本柱に熱処理事業を展開してきた。
2023年10月には品質管理の国際規格「ISO9001」認証と併せ、航空・宇宙および防衛産業分野の品質管理規格「JISQ9100」認証を取得し、高付加価値の航空・宇宙産業分野を開拓していく方針だ。
同社が新機軸として打ち出したのは「リヴァイタライズエンジニアリング」。経年で内部に生じた亀裂を修復したり、変容した金属組織を再生したりする。
3次元(3D)スキャナーを備え、摩耗箇所の肉盛り溶接や新たに機械加工した部材を接合してまず外形を元通りにして、HIP装置まで一連の熱処理で内部を再生する態勢を整えた。
オーセンテック/強さと速さを備えたバリ取り機
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溶着ドロスやスパッタを除去するバリ取り機「オーデブ・ブラックライン」
手作業の10分の1に短縮、加工品質も均質化
オーセンテック(相模原市南区、高田全社長)のバリ取り機「オーデブ・ブラックライン1100/650」が好調だ。
板金加工市場ではファイバーレーザーの普及が進み、切断される板が厚くなり、加工スピードも向上した。しかし付着したバリやドロス、スパッタなどはより硬く、大きくなっており、バリ等を除去する工程で生産が停滞してしまうこともある。
同機は、ドロスやスパッタを除去し、酸化皮膜も除去できる。手作業の手間を10分の1に短縮し、加工品質も均質化する。薄板から厚板までの糸面取り(バリ落とし)も可能だ。昨年は小型モデル「ブラックラインミニ」を追加し、ラインアップを充実させている。