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2025年 第68回 十大新製品賞
日刊工業新聞社が選定する「2025年(第68回)十大新製品賞」の受賞製品が決まった。同賞は応募企業がその年に開発または実用化した新製品の中から、モノづくり産業の発展や日本の国際競争力強化に貢献する製品を十—十数点選び、表彰する制度。今回は41社・43件の応募があり、「十大新製品賞本賞」10件のほか、「日本力(にっぽんぶらんど)賞」3件、「モノづくり賞」3件、「日刊工業新聞創刊110周年特別賞」1件を選定した。
モノづくり発展に貢献 技術力・市場性で評価
十大新製品賞は日刊工業新聞社が1958年に創設。各製品は独創性、性能の秀逸性、産業水準向上への貢献性、産業・社会発展の先導性などの観点で審査される。今回は17の製品が、十大新製品賞本賞をはじめとする各賞に輝いた。いずれもが産業技術を通じて社会の発展に貢献する製品として、今後の活躍が期待されている。
【本賞】
アイダエンジニアリングの「蓄電池用 角形電池ケース成形専用機DPH」は、アルミニウム素材の加工対象物(ワーク)の端部を圧縮することで絞り加工しやすくする「アシスト絞り」工法を採用。ケースを1ストロークで横向きに成形できる。全体の加工工程数を半分以下に削減可能で、従来のプレス成形と比べ成形荷重が10分の1で済む。
アマダの「3次元レーザ統合システム『ALCIS—1008e』」は、高出力ブルーレーザー発振器を搭載したスキャナーヘッド仕様の製品。波長が短く銅への吸収率が高いブルーレーザーの特徴を生かし、銅溶接の高速かつ安定したスパッタレス加工を実現した。軸移動に同期した加工が可能で、生産性を通常のスキャナー加工の約3倍に向上できる。
オークマの「高い生産性を最高レベルの面積生産性で実現する小型複合加工機 MULTUS U1000/U2000」は、中・小物部品加工向けの小型複合加工機。機械幅は3510ミリメートルと従来機比25%縮小し、面積生産性は同1・7倍に向上した。工具収納本数を同2倍の80本に増やした大容量マガジンを標準搭載し、多品種中少量生産に対応する。
シチズンマシナリーの「CNC自動旋盤 BNE—65ATC」は、同時5軸加工が可能な主軸台固定型コンピューター数値制御(CNC)自動旋盤。左右二つの主軸と上下二つのタレット(刃物台)で構成する。刃物台の工具主軸に旋回軸(B軸)と自動工具交換装置(ATC)機能を搭載し、優れた曲面加工や輪郭制御、高生産性を実現した。
ダイヘンの「搬送ロボット『AiTran500』」は、工場や物流倉庫での自動搬送に最適な自律移動ロボット(AMR)。部品点数を半減したことで、縦720ミリ×横720ミリ×高さ300ミリメートルまで小型化。可搬質量500キログラムクラスとしては業界最小水準の正方形形状を実現した。業界トップレベルの位置決め精度で、安定して搬送できる。
豊田自動織機の「レベル4対応自動運転トーイングトラクター」は、空港内での手荷物や貨物の搬送を自動化する貨物けん引車。昨年12月に特定条件下で完全自動運転を行う「レベル4」を実現し、国内の空港で実導入を始めた。高性能センサー「LiDAR」や全球測位衛星システム(GNSS)などを組み合わせ、高精度な自己位置推定を可能とした。
ニイガタマシンテクノの「画像解析システム搭載形 鋳抜き素材対応 スクリューロータ加工機 NSMシリーズ」は、スクリューローターのらせん形状加工において、加工機のカッター部分とワークの加工開始位置の調整を容易にし、準備にかかる時間を大幅に短縮する。独自開発の画像解析システムにより、ワーク形状を非接触で計測、加工開始地点を自動算出できるようにした。
ファナックの「高生産性・省エネルギーを実現する電動射出成形機 FANUC ROBOSHOT SCシリーズ」は、高い成形性能、高い稼働率、使いやすさの三つを追求。ダイプレートを支えるタイバーの間隔と型開閉ストロークを拡張し、従来機より大きな金型を搭載できる。また型開閉動作の高速化により、生産性向上にも寄与する。
三菱電機の「FA統合コントローラ MELSEC MXコントローラ」は、プログラマブルコントローラー(PLC)ユニット「MELSEC(メルセック)」の新シリーズ。シーケンス、ネットワーク、モーションの三つの制御が一体化した高性能マルチコア中央演算処理装置(CPU)を採用し、通信遅延の解消と制御性能を大幅に拡大した。
安川電機の「自律人協働ロボット MOTOMAN NEXT—NHC12」は、自ら判断して作業を実行する自律ロボットの人協働タイプ。人の視覚と触覚に当たるセンシング機能をアームに標準搭載し、センサーから得られるデータを基に、AI(人工知能)も活用しながら高度な判断力と作業力で人にしかできなかった作業の自動化を実現する。
【日本力(にっぽんぶらんど)賞】
川崎重工業の「水素混焼ガスエンジン KG—18—T.HM」は、コージェネレーション(熱電併給)システムや火力発電設備用途を想定した8メガワットクラスのガスエンジン。世界最高クラスの発電効率を持つ。体積比で最大30%の水素混合による運転を可能にした。運転中にも水素混焼率を柔軟に変更でき、水素供給量に応じた運用を実現する。
島津製作所の「インライン水分率モニター『MMSシリーズ』」は、生産ライン上で食品中の水分率を高精度に測れるシステム。電磁波方式のため非破壊・非接触で水分率の全数測定が可能で、厚みのある材料も測定できる。コンベヤーなどの上部にセンサーを設置して測定。上下にセンサーを設置すれば、水分量が低い製品も高精度な測定ができる。
NACOLの「水圧駆動ロボット用コントロールバルブ」は、ロボットアームを毎秒0・1ミリメートル単位で精密に動かせる。構造は流量を調整する棒状の部品「スプール」を使う方式を採用。スプールに溝を施し、ロボットを動かすアクチュエーターへの水量を最適に制御する。電気や作動油を使わず、火災などの危険がある環境で活躍する。
【モノづくり賞】
SMCの「ターンロック式オール樹脂管継手 KY Series」は、チューブの挿入不足による気密漏れを防ぐ空気圧配管用の管継ぎ手。チューブの装着不足を回避するための機構を設け、チューブを適正位置まで押し込まないと把持動作ができないようにした。チューブの把持状態と未把持状態が目視で判別できるインジケーターも搭載した。
新日本工機の「門型5面マシニングセンタ HF—MⅡシリーズ」は、舶用エンジンやプラントなど大型ワークの複雑加工に対応する超大型の重切削加工機。切削能力と生産性を向上し、省エネルギー対応モデルへと刷新した。静圧油と高圧油の使用量を従来機より最大70%削減することで、ポンプなど周辺機器の大幅な小型化につなげた。
スギノマシンの「アクティブトラッキング機能搭載 溶接ロボットシステム」は、産業用ロボット「CRb」とセンシング技術「アクティブトラッキング」、デジタル変革(DX)技術、溶接技術を一つにまとめ、高精度な自動溶接を実現した。アクティブトラッキングは加工中にワークの歪みや寸法のバラつきなどを検知し、溶接経路を自動で補正する。
【日刊工業新聞創刊110周年特別賞】
ソディックの「超精密ワイヤ放電加工機『EXC100L+』」は、高い精度が求められる光ファイバー用部品「MTフェルール」の金型などの効率的な加工に貢献する。セラミックス製エアスライダーとリニアモーターを組み合わせ、テーブルを非接触でスライドする仕組みを開発。一定の圧力で絶えず真直性を保持し、最小駆動単位10ナノメートルを実現した。
